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ハリバンアワード2018 グランプリ受賞者が京都にやってきました!!

Posted by takumi suzuki on 13.2018 HARIBAN AWARD   0 comments   0 trackback
Esther Teichmannさんが2週間の滞在で職人と一緒に作品を制作します。

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 とびきり輝かしい彩りをみせてくれた紅葉の頃もすぎ、師走となりました。アカデミーの溝縁です。便利堂社内も年末のあれやこれや、そして、もうすぐ迎えるゲストの事で盛り上がっていました! そしてついに今週より、そのゲストである2018年4月から開催された国際コロタイプ写真コンペティション“ハリバンアワード2018”のグランプリに輝いたエスター・タイヒマン(Esther Teichmann)さんが、京都にやってきました! 例年通り予定されている2週間にわたるレジデンスの間には、どんなドラマが待ち受けているでしょうか。

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今年11月のパリフォトにて、エスターさんの作品が一面にフューチャーされた壁面の前でレジデンスに向けて気合が入るマイスター・山本。

 レジデンスでは、コロタイプ職人と意見をかわしながら、コンペティションで選ばれた8枚のイメージをコロタイププリントに仕上げます。2週間という限られた時間の中で、欲しいトーンを導き出すことは、そう簡単ではありません。まして“コロタイプで作品をつくる”という体験は、大抵の作家にとっては初めてのことです。きっと彼女もどきどきしながら、京都の滞在を心待ちにしてくれていたと思います。

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写真中央がエスターさん

 さて、エスター・タイヒマンさんのことを紹介します。エスターさんは1980年に生まれ、現在はイギリスのロンドンに在住、Royal College of Art 芸術大学で教鞭をとりながら作家活動をされています。テキストも多く執筆され、その活動の一環として、展覧会を構成するキュレーターとしての役割も担っています。その幅広い活動領域は結果として、写真表現にとどまらない作家としての新しい価値観を生み出しています。 公式HPはこちら→http://www.estherteichmann.com/

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来年春開催の成果展会場予定である無鄰菴のお庭にて

 京都滞在を経て新しく生み出されるコロタイププリントは、成果展として2019年春にお披露目の予定となっています。会場は岡崎にある国指定名勝の旧山縣有朋別邸「無鄰菴」を予定しています。展覧会の詳細についてはエスターさんのレジデンスの結果報告とともに、あらためてお知らせいしたいと思います。

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©Esther Teichmann

 以下のインタビューは、便利堂でのレジデンスを前にその動機や期待について伺ったものです。ぜひご一読くださいませ。

Q. あなた自身についていくつかのことを教えてください。なにがきっかけで最初にあなたを写真へと導いたのでしょうか?

A. 私は沼地や湖や川に囲まれたブラックフォーレスト(黒い森)近くにある、ライン川渓谷の南ドイツの小さな村で育ちました。そこは夏の間はとても湿っているところで、夜には雷をともなった激しい嵐が吹き荒れたようなところでした。子供の頃に暗闇の中、私は父といっしょにバルコニーに静かに座り、嵐がやってくるのを見ながら、夕暮れの空を横切るコウモリとか、雷が一瞬青い森を照らし出す光景を見ていました。それらは言葉としてなかなか表現できないような様子で、私は興奮とピュアな喜びを感じていたのですが、おそらくそういったことが私を芸術家になりたいと思わせたきっかけだったと思っています。

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©Esther Teichmann

Q. 作品を作るためのあなたのアプローチの仕方、それによってあなたが探求しているテーマについて説明してもらえますか?

A. 私の作品は、心の中に抱いている故郷を思う気持ちとか、喪失や欲望や虚偽などにまつわる関係性を探求しています。架空のステージとして作り上げた幻想的なイメージの中で、被写体たちは喪失感を抱いた犠牲者でどこへもたどり着くことができません。彼らは暗闇の中にまぎれこんだり、逆に暗闇の中から抜け出そうします。滴り落ちるインクによって画面が塗りつぶされていたり、液体のように漆黒の夜の空間を思わせたりします。私の写真や映像や書いたものは、自伝的であったり、小説のようであったり、または神話的であったりして、そういった異なったフィールドを相互に行き来することでなにか別のものに変化させようとしているのです。私のアプローチの仕方とは、新しいやり方によって断片が再構成され拡大していき、画像や映像やストーリーがひとつになり、その世界が広がっていくというのが最も言い当てた説明となるでしょう。

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Q. あなたは便利堂の職人とコラボレートするために京都にいらっしゃるわけですが、自身自身の作品がどのようにコロタイププリントとして表現されることを望んでしますか? また、今回のハリバンアワード受賞によってあなたが最も楽しみにしていることはなんでしょうか?

A. 私は、写真史や写真のプロセスにとても興味を持っていて、今現在と想像上の未来との対話の中で、視覚的かつ物質的に時間と場所を行き来するような作業を行なっています。便利堂のアトリエにおいて、マスタープリンターたちと作業を集中してできるこのユニークな機会をとても光栄に思っていますし、心の底から楽しみにしています。また新作や書くことを思考を巡らすべく、あてどもなく京都の街を一人で歩き回ることも楽しみです。

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事前に準備したテストプリントを自然光の中でチェックするエスターさん


Q. この制作を通してアーティストとしてどんなことを得ることを望みますか?


A. 私はしばしば新しいプロセスを学んでいるのですが、そういったときは情熱がありかつ熟練した人たちといっしょに作業をしながら習得することが大切だと考えています。そのことは私にインスピレーションを与えてくれるばかりか、新しい作品のアイデアを与えてくれます。今回コロタイプによって、私の作品が新たなる姿になるであろうことに興奮を覚えます。

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エスターさんの社内向けレクチャー&トークショー。盛況のうちに終了しました。


Japonismes2018参加企画 『コロタイプによる琳派の美』展をパリで開催中!

Posted by takumi suzuki on 22.2018 【今日のコロタイプ】    0 comments   0 trackback
昨年に引き続きPARIS PHOTO 2018にも参加!

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皆さま、こんにちは!
ジャポニスム展担当の清です(上掲写真左)。この度、便利堂主催で、コロタイプの伝統と技術を紹介する展覧会をパリで開催することとなり、11月13日より展示が始まりました。さらに今回は、普段国内でおこなっているコロタイプワークショップも海外出張しましたので、それらの様子をご紹介します!

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まずはその前に、本展に先だって6日から開催されたパリフォトに昨年に引き続き参加しましたので、そのご報告から。
今年で22回目を迎えたパリフォトですが、便利堂は出版社セクションの「SE23」にブースにて出展し、深瀬昌久と2014年のハリバンアワード受賞者アヴォイスカ・ヴァン・デル・モレンとバスティアン・ウッド各氏の新作プリント、そしてソール・ライター、ラルティーグ、スティーヴン・ギル、植田正治、山本昌男各氏のポートフォリオを二卓のテーブルと壁面を使ってすっきりと展示することで、直に対話しながら接客ができる空間にしました。

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パリフォト担当者からの報告によると、今回のブースの場所が去年と同じスポットでわりと奥の方にあったにもかかわらず間口が広かったことと、そして去年訪れたヴィジターたちが覚えていてくれていたこともあって多くの人々がコンスタントに足を止めてくれ、持参した350冊の英文カタログも最初の2日間でほとんどなくなってしまったほどで、アカデミーの受講に関しての問い合わせも多数受けたとのことです。

また、便利堂の認知度が確実に上がっているということ、そしてコロタイプという技法とハリバンアワードに高い関心が集まっていることが今回のフェアを通してひしひしと感じられ、それを反映するかのように多くの著名な写真家たちと今後のプロジェクトに関してのミーティングも行うことができとても有意義だったとのことです。次の海外フェアの出店は来年2月にロッテルダムを予定しています!

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パリ日本文化会館(MCJP)1階ロビーをお借りして展示を行いました。入口を入ると、受付カウンター越しに風神雷神がお出迎え!

さて、本題です! Japonismes2018とは、日本とフランスの両国が連携し、芸術の都フランス・パリを中心として展覧会や舞台公演、その他さまざまな文化芸術を約8ヶ月間にわたって紹介する、大規模な複合型文化芸術イベントです。これは2016年5月に安倍総理大臣とフランスのオランド大統領(当時)の合意により実施が決定され、日仏友好160年を迎えた今年、7月から開催されています。Japonismes2018についてはこちら⇒公式HP

今回便利堂による展覧会が開催されている「パリ日本文化会館 La Maison de la culture du Japon à Paris」(MCJP)は、1997年に開館した世界最大の日本文化センターで、イベント期間中は情報を発信するセンター的役割を担っています。また「縄文-日本における美の誕生」展や「藤田嗣治」展などの展覧会も行われるなど、Japonismes2018の“中心地”とも言える場所です。

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『コロタイプによる琳派の美』展 紹介ページ(MCJPのHPより)

コロタイプは、1855年にフランス人のアルフォンス・ポアトヴァンによって原理が発見され、その後ドイツで実用化されました。しかし他の印刷技術が台頭すると、次第にコロタイプは世界からその姿を消していき、現在ではフランス国内でもコロタイプを知っている人は少なくなってしまいました。そのため、フランスの地で生まれ日本で発展したコロタイプを、このJaponismes2018に合わせ便利堂が主体となり、再びフランスの皆さまに技術と伝統を、日本の美「琳派」作品と共にご紹介しようというのが今回の眼目です。

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現在パリのチェルヌスキ美術館では「京都の宝―琳派300年の創造」展が開催しており、俵屋宗達の『風神雷神図屏風』がヨーロッパ初公開されていることから、そのサテライト展示として『風神雷神図 尾形光琳 夏秋草図 酒井抱一 筆』両面復元屏風を中心に、便利堂がこれまでに制作した琳派のコロタイプ複製を展示しています。さらに近年のコロタイプの活用の取り組みを紹介するため、写真のコロタイプ・プリントも展示しています。

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便利堂が主催する海外の展示は今回が初めてで、直前まで多くの困難がありましたが、無事に搬入を終え展示することができました。開催直後は人が少ないかと思っていましたが、館の入り口正面に風神雷神図が見えることや、同館の上の階で縄文展を開催していることなどから、多くの人に興味を持ってご覧いただいています。オープン数日で日本から持ってきた展示用のパンフレット類がほとんどなくなるなど予想以上の来場者数で、展示担当者としては嬉しい悲鳴を上げているほどでした…!もちろん、その後すぐに日本からパンフレット類を送り、既に補充してあります!

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さらに11月15日~17日の3日間は、同じフロアでコロタイプワークショップを実施しました。以前、ジュネーブで初めて開催して以来、2回目となります。今回は、“ジャポニズム”の代表的な作品である葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」と、便利堂と関係のある、パリにあるギメ東洋美術館所蔵の明治期に撮影された「サムライ」の写真を題材に選択。とくに葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」は、黒、茶、青、3色のインクを用意し、海外はもとより、手刷りワークショップでは初の多色刷りプリントをおこないました。

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初の試み、体験ワークショップでの多色刷

担当のマイスター山本は、「せっかくの海外ワークショップだからこそ来た人たちに喜んでもらいたい!」と気合十分、用意十分で、初日の準備段階からお客さんが来るなどの大人気!正直、どれくらいの人が来てくれるかと心配していましたが、実際に始まってみると3日間ほとんど人が途切れることが無いほどの大盛況で、常に人だかりの中でワークショップをしていました。

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何よりも印象深かったのは、ワークショップを体験する多くの人が笑顔だったことです。大人から子どもまで、見に来ては次々と「体験させてほしい!」と言ってくださり、コロタイプの仕組みについても興味深く聞いていました。また展示についても、熱心に見ている方が多く、いらっしゃった方からは「これがプリントなんて信じられない」といった言葉や、「まるで今描かれたかのようにリアルだ」という言葉を聞くことができ、コロタイプについての質問も多くされ、フランスという国の美術やアート、そして工房や技師に対しての情熱と愛情を感じました。

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便利堂主催の『コロタイプによる琳派の美』展は、12月1日(土)まで開催しております。パリにお住まいの方や、近くにいらっしゃった方は、ぜひご覧ください!

【展覧会概要】
展覧会名:『コロタイプによる琳派の美』 日時:2018年11月13日(火)-12月1日(土) 12:00-20:00
   ※日曜、月曜は休館日
場所:パリ日本文化会館(101 bis Quai Branly, 75015 Paris, France) 
展覧会のHPはこちらから⇒https://www.mcjp.fr/ja/agenda/lart-du-collotype-jp


秋季ギャラリー展『コロタイプで観る明治期の日本ーーギメ東洋美術館写真コレクションより』展

Posted by takumi suzuki on 17.2018 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
後期展示無事閉幕しました!

2018年11月1日(木)ー11月16日(金)@便利堂コロタイプギャラリー

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 こんにちは!コロタイプギャラリー運営担当の溝縁です。
 空高く金色の銀杏の葉が舞う季節になりました。毎日気持ちよく過ごしながらも、寒〜い冬がやってくるなと、気が引きしまる毎日です。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 コロタイプギャラリーでは、11月1日(木)から11月16日(金)の間、「コロタイプで観る明治期の日本ーギメ東洋美術館写真コレクションより」を開催しました。パリで開催中のジャポニスム2018に想い馳せ、フランス国立ギメ東洋美術館と連携して2015年から2017年に便利堂が制作したコロタイプポートフォリオを展示しています。

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 美術館の名前にある“ギメ“とは、エミール・ギメ(Émile Étienne Guimet)という実業家の名前から名付けられています。彼は1836年にリヨンに生まれ、1918年に生涯を閉じるまで旅行を重ね、旅先での収集や美術鑑定を行ったと言われています。旅は地中海から中近東、そしてアジアに及び、その目的は宗教博物館を作ることだったと言われています。その収集品を集めてリヨンに東洋美術館が設立されたのは1879年のこと。その後、ルーブル美術館に収められていた東洋の美術品も合わせて、1889年、パリに「フランス国立ギメ東洋美術館」が開館しました。

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 国立ギメ東洋美術館には、エミール・ギメの意思を継いで、様々な人々が収集した東洋の美術品がコレクションされています。そこには仏像や美術品の他、写真資料も多く収められています。便利堂では、2015年から2017年にKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭の企画をとおして、国立ギメ東洋美術館と虎屋京都ギャラリーと連携の上、明治時代の日本の風景を捉えた写真で構成されたコロタイプポートフォリオを制作しました。カテゴリーは以下のとおり。
 『侍』 幕末に生きた武士やその武士というイコンがその後どのように変化を遂げていったのか。写真には、徳川家最後の将軍の姿を収めたものから、スタジオで甲冑をつけて弓を射る姿を演出しとらえたもの、甲冑や刀といった武具が骨董として海外からの旅行客に売られている店頭の描写など…今では想像し得ない当時の社会の変動が写し出されています。

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 『茶』いかに日本人の生活に茶を嗜むという行為が根付いているか。そこに描写された人々の生活のワンシーンはとても自然に見えます。茶を運ぶ女中の美しい肖像から、広大な茶畑(背景は富士山!)で新芽を摘み取る茶摘みの風景、写真スタジオで演出された食事場面などは女性の世間話が聞こえてきそうな臨場感です。しかしそれだけではなく、いわゆる儀式として嗜まれた茶会の風景や、花街の豪奢な茶会、そして日本の各所に点在した風情ある茶室の趣も残されています。

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 『愛』秘められた、ある特定の社会で女性の社会的地位がたどった道を垣間見ること。きっと日本であまり目にすることもないのではないだろうかと考えられる遊郭や花街の風景。吉原の大門を写した写真などは、当時の撮影技術では昼間の撮影であったと推測できることから、いわゆる、ステレオタイプのイメージの中にある遊郭とは違った顔を知ることができます。このコレクションに収められた場面の数々からは、一定の社会的地位を取得した当時の大夫や、まなざしの鋭さとどこか遠い場所を望むような花魁の姿、そして、そういった世界観とは別に、三条河原で客と酒を交わしながらくつろぐ京都の芸舞妓の姿が映し出されています。

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 当時、過渡期を迎えた日本は、海外からの旅行者の目にどのように映ったのでしょう。きっと人々は戸惑いと不安定さも抱えながら、大きな社会の変化に期待を膨らませていたかもしれません。その時、珍しい写真機をもって目の前に現れた外国人(もしくは日本人写真家)は、その期待をたたえた体や表情を収めてくれる、新しい時代への架け橋だったかもしれません。写真の一枚一枚は、今のように瞬時には撮影されていません。きっと時間をかけて演出し、一枚のために表情をつくり、心を込めて映ったのでしょう。

 会場に来られたお客様から、『全く知らない時代のことなのに、なんだか懐かしい気がするわね』と感想をいただきました。コロタイプのしっとりとした質感で見る明治期の日本の風景。秋の深まる黄昏の一刻、このポートフォリオを座右に明治時代にタイムスリップしませんか…?

※なお、これらのポートフォリオは便利堂の直営店舗やミュージアムショップ、またオンラインストアでお買い求めいただくことができます。
詳しくはこちら:京都便利堂公式オンラインショップ

【展覧会概要】
日時:2018年11月1日(木)ー11月16日(金) 11:00−17:00
場所:便利堂コロタイプギャラリー (中京区新町通竹屋町通下ル弁財天町302)

コロタイプギャラリー秋季企画展(前期)「コロタイプで観る関西名刹の仏像」のお知らせ

Posted by takumi suzuki on 25.2018 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
《ジャポニスム2018》参加記念。 来月パリでコロタイプ展示行います!
会期:2018 年10 月 17 日(水)- 10月 30日(火) @便利堂コロタイプギャラリー
時間:13:00-17:00 ※土日開廊

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 こんにちは!コロタイプギャラリーを運営する溝縁です。
秋の高い空を眺め過ごしやすい日々を楽しむ毎日、皆様いかがお過ごしでしょうか。そんな中、コロタイプギャラリーでは10月17日(水)から秋の企画展がはじまりました。今期はなんと、二本立てです!

 今回の展示は、便利堂の《ジャポニスム2018》参加記念として企画しました。日仏友好160年にあたる2018年、日本とフランスの両国が連携し、芸術の都フランス・パリを中心に“世界にまだ知られていない日本文化の魅力”を紹介する大規模な複合型文化芸術イベント《ジャポニスム2018:響き合う魂》が開催されています。
公式ホームページ

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パリ日本文化会館HPより: 現在、パリ日本文化会館では「縄文展」が開催中です。

 パリ 内外の100近くの 会場で、展覧会や舞台公演に加えて、さまざまな文化芸術を約8ヶ月間にわたって紹介されています。 古くは日本文化の原点とも言うべき縄文から伊藤若冲、琳派、そして最新のメディア・アート、アニメ、マンガまでを紹介する「展示」や、歌舞伎から現代演劇まで、日本文化の多様性に富んだ魅力を紹介する「舞台公演」、さらに「映画」、食や祭りなど日本人の日常生活に根ざした文化等をテーマとする「生活文化 他」の4つのカテゴリーで東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を前に、日本各地の魅力をパリに向け、またパリを通して世界に向けて発信されてます。

 《ジャポニスム2018》では、これらの公式企画に加え「ジャポニスム2018参加企画」の枠組みが用意されており、これは、《ジャポニスム2018》の趣旨に賛同するフランスで企画・実施される日本関連の催しを「参加企画」に認定することで、《ジャポニスム2018》を盛り上げ、日本文化を発信するためのプログラムです。

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パリ日本文化会館HPより: 便利堂のコロタイプ展の告知ページです。

 便利堂では、このジャポニスム2018公認の参加企画として、パリ日本文化会館様との共催で『コロタイプによる琳派の美』 L'art du collotype と題した展示を来月13日~12月1日まで行います。展示の詳細につきましては、また追ってご紹介できればと思っています。⇒パリ日本文化会館展覧会情報

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ジャポニスム2018公式HPより: 「古都奈良の祈り」展

 さて、さっそく本題のコロタイプギャラリー展示の見どころをご紹介いたします。この《ジャポニスム2018》公式企画として、ギメ東洋美術館では「古都奈良の祈り」展 2019年1月23日(水)~ 3月18日(月)と「明治」展 2018年10月17日(水)~ 2019年1月14日(月)が開催されます。コロタイプギャラリーでは、《ジャポニスム2018》参加記念としてこの二つの展覧会に連動した企画をいたしました。前期は『コロタイプで観る関西名刹の仏像 −戦前から紡がれるコロタイプ工房の軌跡』というタイトルのもと、六体の仏像写真を展示、後期は『コロタイプで観る明治期の日本―ギメ東洋美術館写真コレクションより』を展示いたします。

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コロタイププリント(観心寺 国宝 如意輪観音菩薩坐像)

 前期の本展では、便利堂が戦前に撮影したガラス乾板を元に制作し保管されていた貴重な大型の仏像コロタイププリントを、モダンな表具に仕立てて展示しています。あしらった布や独特の表装は、今回お願いした立入好和堂の村山さんに色々なアイディアをいただき実現しました。それぞれの仏様に似合うサイズや色味があしらわれ、見事な風合いに仕上げられています。

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コロタイププリント(平等院 国宝 阿弥陀如来坐像部分):蓮弁が、現在の縦一列ではなく、修理前の互い違いにひかれている時代の写真です。 

展示されているコロタイププリントの正確な制作年度は記録に残っていませんが、おそらく今から40年前後前に、現在ではなくなってしまった大型印刷機、通称「デカ版」という機械でプリントされたものです。現在の円圧部分と一緒に紙が回転しプリントされる機械とは異なり、版の上に紙を置き、そこに円圧でプレスするアナログの手法で印刷されたものです。その細やかな濃淡表現や現役のコロタイプ印刷技師をも唸らせる高い技術は必見です。

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ガラス乾板(浄瑠璃寺 重要文化財 吉祥天立像)

 また、会場にはコロタイププリントを制作した当時に使用したネガや、「横型カメラ」と呼ばれたこうした大型フィルム引き伸ばし専用の今はなき製版専用カメラの写真や模型も展示しています。当時ガラス乾板に写されたイメージがいかにして拡大され製版が行われたのか、今では想像を絶する精巧な技術の上に編み出された方法で実践されていました。

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戦前のガラス乾板より拡大してつくられたコロタイプ用フィルム原板:現代はフォトショップで行われる作業が、当時は丁寧な一筆一筆のレタッチで作業されていました。

 具体的な技術を説明しますと、ガラス乾板(ネガ画像)に光を投射し、蛇腹を伸縮させることで像を拡大し、まずは拡大されたポジフィルムを制作した上で、さらにポジフィルムと未露光のネガフィルムを密着露光し、ネガフィルムを製版していました。

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模型として制作した「横型カメラ」。穴をのぞいて蛇腹を模した部分を手前に引くと、見事に天地反転した像がグッと拡大され浮かび上がってきます。ぜひ会場でお試しください。

 独特の金属音を響かせながら稼働する現代のコロタイプ工房も十分にアナログであり、職人の手腕や経験がものを言う世界です。しかしながら、当時はもっともっと、もっと、それぞれ個人のアイディアや試行錯誤が産みだす風合いやコロタイプならではの深みだったのだと気付かされます。
 会場に並んだコロタイププリントをご高覧いただきながら、当時の職人の息づかいを身近に感じていただけるような展示となっています。ぜひこの機会に時代を超えたコロタイプ技術の面白さに触れていただけたらと思います。

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*京都新聞に掲載されました!
2018年10月23日(火)の京都新聞朝刊に、展覧会の様子が掲載されました。



日時:2018年10月17日(水)ー10月30日(火) 11:00−17:00
場所:便利堂コロタイプギャラリー (中京区新町通竹屋町通下ル弁財天町302)

【後期展示】
コロタイプで観る明治期の日本―ギメ東洋美術館写真コレクションより

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2018年11月1日(木)-11月16日(金)
11:00-17:00

※同時開催:KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 秋季特別展
・明治150年記念 フランス国立ギメ東洋美術館「明治」写真コレクション展 「日本が動いたとき~近代黎明期の京都」
 二条城 東南隅櫓前広場・蹴上クランクイン・平安神宮 応天門前庭での野外展示:10月21日(日)-12月20日(木)
・虎屋 京都ギャラリーでのオリジナル写真の展示
 2018年11月1日(木)-12月2日(日)



コロタイプギャラリー《便利堂コロタイプアカデミー開校1周年記念展》 開催中!

Posted by takumi suzuki on 01.2018 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
受講生の個性的な作品が一堂に!
Benrido Collotype Academy 1st Anniversary Exhibition
会期:2018 年 7 月 30 日(月)- 8 月 10 日(金) @便利堂コロタイプギャラリー
時間:13:00-17:00 ※土日休廊

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こんにちは!便利堂コロタイプ アカデミーの溝縁です。
早いもので、2018年7月29日にコロタイプ アカデミー開校1周年を迎えました。

一年前の7月はこんなに暑かったのだろうか…という猛暑の毎日が続いていますが、昨年はこれから起こる色んな出来事や出会う人々を想像して、とてもワクワクとしていたことを思い出します。
コロタイプマイスターであり、コロタイプ研究所の山本修所長が便利堂社屋の裏にひっそりと立っていた倉庫(通称「D棟」)を、DIY精神とこんな工房が欲しい!というアイディアをフルに生かして改築始めたのが6月の半ば。7月末のオープンをめがけて昼夜作業を進めました。今作業台に使用している台も、こんな高さがベストだ!などど、こだわって作りました。
⇒マイスター山本のD棟リノベーションの様子はこちら: 《いよいよこの夏、コロタイプアカデミーが開講します!》

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そして迎えたアカデミーの初日、7月29日は3名の受講者が来られました。その日の記録写真を今見返すと、それだけでその時の緊張感が蘇ります。全てが手探りで、どんな風にコースを進めたら目一杯時間を使って満足出来る刷りを体験いただけるだろうか、失敗しないだろうか、疲れ過ぎないだろうか、椅子はどうしようか…と色々なアイディアを練って授業を進めていたことを思い出します。

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出張ワークショップが連続して開催された夏には初の2日コースも実施されました。アカデミーの工房にある6台のテーブルを全て埋めた6名の受講者。狭いながらもダイナミックに作業を進め、納得の刷りあがりをみせてくださいました。新潟でカーボンプリントの研究を進められている方や、東京で様々な印画技法の研究とワークショップを企画されている方など、刷りの領域だけでなく薬品の調合から製版に至るまで、幅広い興味を受けて講師山本も大奮闘の様子でした。

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夏明けには初めての5日コースも。3名の受講者を迎えて順調にスタートしました。それぞれの制作に対するモチベーションもさることながら、どんどんと湧き出る「こんなことをやってみたい」というアイディアに驚かされながら5日を過ごしました。アカデミーの工房に毎日出入りする彼らの姿は、そこがさながら自分のアトリエのようにもなってきます。一緒にお昼ご飯を食べ色々な話をし、情報交換をしつつ過ごす日々はとても貴重な時間でした。

秋から冬にかけても多くの受講者に恵まれ、距離を越え、海を越え様々な分野で活動されている方々と出会うことができました。

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さて、そのアカデミーも開校から一年を迎えました。コースの終了時に受講者から一枚ずつアーカイブとしてお預かりしているコロタイププリントを額装やマット装に仕上げ、便利堂コロタイプギャラリーに一堂に展示しています。並べてみると本当に壮観の出来栄え。丁寧に一枚ずつ仕上げられていたそれぞれの瞬間が蘇ってきます。
展覧会初日に足を運んでくださったアカデミーの受講者は、開校当初よりも作品のバリエーション(単色刷りでも色インキを使用したものや描画を加えたものがあります)が増えていることに気づき、いつかリピーターとして受講し新しい作品を作りたいと話してくださいました。

展覧会の詳細は以下のとおり!
暑い日差しの日々が続きますが、是非便利堂コロタイプ ギャラリーへお越しくださいませ!

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『BENRIDO COLLOYTPE ACADEMY 1st ANNIVERSARY EXHIBITION !
便利堂コロタイプアカデミー開校1周年記念展』


会期:2018 年 7 月 30 日(月)- 8 月 10 日(金)※土日休廊
時間:13:00-17:00
場所:便利堂コロタイプギャラリー
京都市中京区新町通竹屋町下ル弁財天町 302
公式 HP:
www.academy.benrido-collotype.today


■コロタイプアカデミーは

 便利堂が長きにわたり継承し文化財の複製制作と保存・研究の分野で活用してきたコロタイプを、もっと多くの方に知っていただきたい、またその技法を楽しんでいただきたいとの思いから開校しました。これまで幅広い分野で活動される受講者の方々とコロタイプアカデミーをとおして出会い、そのたびに色々な思いや熱意、知識を共有しながら活動を続けてきました。
 本企画展ではコロタイプアカデミーに保管されている受講者の作品群を一堂に並べ、その多彩な表現と手刷りコロタイプの力強さをご覧いただくと同時に、今後も更に改良され刷新し続けるコロタイプ技法の今にご注目いただきたいと考えています。


プロフィール

takumi suzuki

Author:takumi suzuki
【コロタイプの過去・現在・未来。創業明治20年の京都 便利堂が100年以上にわたって続けているコロタイプ工房より最新の情報をお届けします】
Japanese:www.benrido.co.jp
English:www.benrido-collotype.today

カテゴリ

  • 【コロタイプとは? what is a collotype?】(1)
  • 【コロタイプ、やりませんか collotype academy】(15)
  • 【コロタイプで作品集をつくりませんか?】(1)
  • 【今日のコロタイプ】 (26)
  • 【コロタイプ技法解説 collotype process】(4)
  • 【コロタイプの歴史】(2)
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