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コロタイプギャラリー夏季企画展「黒川翠山の京都――明治期京都の写真とコロタイプ」のお知らせ

Posted by takumi suzuki on 21.2017 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
生誕135年を記念して開催! 9月1にはフロアレクチャーも行います!
8月21日(月)~9月8日(金) 11:00~18:00 ※土日休廊 @便利堂コロタイプギャラリー

翠山1

 みなさん、こんにちは。
 コロタイプギャラリー支配人の藤岡です。今日は、次回企画展のお知らせです。
みなさんは、黒川翠山(くろかわすいざん)という名前をご存じでしょうか。明治、大正、昭和にかけて京都で活躍した写真家です。かくいう私は数年前まで聞いたこともありませんでした。いまでも恥ずかしながら、2013年に当社便利堂が出版した『明治の京都てのひら逍遥――便利堂美術絵はがきことはじめ』という本や当ブログで、何度か名前が登場したり、簡単な紹介があって見覚えていた程度です。

翠山12
展示番号1:黒川翠山<富士山>

 本2017年は、その黒川翠山生誕135年です。コロタイプギャラリー夏季企画展では、この黒川翠山という写真家について、特集展示をおこないます。顕彰といえるほど立派で網羅的なものではありませんが、ここ数年、コロタイプの原点回帰として、写真表現の試みをさかんに展開している私たちにとって、翠山あるいは同時期の新進アマチュア写真家の写真に対する思い、取り組み、腕前を知って紹介することは、まさに温故知新、有意義なことだと思うのです。

 19世紀中頃に日本に伝わった写真は、幕末から明治初期には写真館を構えた職業写真師によって確立されていきますが、明治20年頃になると、機材の進歩に伴い、本業は別に持ちながら、だからこそプロにはないフットワークの軽い、自由な精神で写真にアプローチするアマチュア写真家が活躍しはじめます。そうした写真家のひとりに黒川翠山(くろかわ・すいざん)がいます。便利堂とも関わりが深く、活動最初期には弊社主催の写真懸賞の入賞で斯界に登場し、以来便利堂が出版する数多くのコロタイプ絵はがきに写真原板を提供しています。本展では、生誕135周年を迎えた黒川翠山作品のコロタイプによるニュープリントを中心に、翠山によるオリジナルプリント、ガラス乾板、明治時代の写真帖や絵はがきなどを展観し、近代の移りゆく京都を活写したアマチュア写真家時代の翠山の姿を回顧いたします。


黒川翠山(1882-1944)

翠山2
展示番号3:黒川翠山ポートレート

 翠山は本名を種次郎といい、明治15年(1882)、呉服商の長男として京都市上京区(上立売大宮)に生まれました。翠山の息子、黒川武男氏が著した『未完成のしあわせ』に、翠山が生前に書いた『黒川家の家歴』が一部原文転載されています。それによりますと、小学校、高等小学校ともに「優等」「品行方正」「首席」でありながら、16歳で父を亡くした後は、家業を継ぐも多額の負債整理におわれた挙句、18歳の春に呉服商を閉店、家財産悉く失い無一文となります。そこで、「この打撃に依り大に悟る処あり、金銭より名誉、即ち天下に名声を博し以て家を起さんと志し、最も新進の芸術として将来有望なる芸術写真の研究を始む」と、芸術写真家の道を歩みはじめます。若くして相当の苦労を負い、思うところあって写真の道に進んだ経緯と、それだけに後がないという覚悟が感じられます。

 とはいえ師に就く金もなく、写真の研究は独学、「天候急変せる山上の雄大なる天然」が師でした。しかしだからこそ、自身が認めているように、雨、雲、霧、雪、光などを、独特の情緒を湛えて水墨画のように写真表現する技を獲得し、明治39年(1906)23歳のときには、日露戦争戦捷紀念博覧会(大阪天王寺)に出品した<雨後>で名誉銀牌を授与され一躍有名となります。この後は、数多くの写真コンクールで出品作が入選したり、雑誌『太陽』や懸賞写真画集『写真例題集』などで毎月のように作品が名前とともに掲載され、芸術愛好家の間では知られた存在となっていき、大正期には『婦人画報』『少女画報社』の京都支部を託されるなど、名実ともに芸術写真家として大成します。昭和19年(1944)逝去、享年61歳。


明治中期のアマチュア写真ブーム

 このように翠山が写真家として活動を開始した時期は、アマチュア写真家が台頭しはじめる「芸術写真」草創期といえるものでした。日本に写真が渡来したのは1850年代から60年代ですが、その頃は、自分たちの姿や身のまわりの風景が絵画ではなく「リアル」として現出することに、おそらく、ただただ驚きをもって迎えられた時期です。明治維新後、1870年代から80年代、写真という存在は、日常に定着するものの、いまだ職業写真家や一部上流階級の好事家の楽しみの域をでません。それが19世紀末から、写真が絵画との関係性のなかで考えられはじめ、一部では、写真を「芸術」として捉え実践しはじめる土壌が醸成されます。その頃、初期の撮影技術であるコロジオン湿板法から、ゼラチン乾板法への技術革新が後押しするかたちで、写真が一般的な(といっても、誰もがというわけではもちろんなく)余暇の楽しみのひとつになり、富裕層を中心としたアマチュア写真家が日本各地であらわれ活動をはじめるのです。

 翠山が家財産をすべて失ったのは、まさにこの頃ですが、まったくの思いつきで写真の道を志したわけではないでしょう。翠山はもと呉服商の坊っちゃんですから、幼少のころより身近に写真があり、趣味として接してきたことも推察できます。


翠山と便利堂

 もちろん当社便利堂も、翠山とは浅からぬ縁があります。便利堂の創業は明治20年(1887)に書店としてはじまり、出版を行っていました。翠山の写真家としての活動最初期である明治36年(1903)4月、便利堂が懸賞募集のうえ刊行した『京都の山水』(展示番号7)に<八瀬の初冬>が入選、巻頭掲載されました。同年9月にも、便利堂刊行の『京都の寺院』(展示番号8)に、同時代の新進写真家とともに翠山の作品が5点掲載されます。

京都の山水2
『京都の山水』(展示番号7)に掲載された<八瀬の初冬>(右)

 これを機縁に、便利堂が明治38年(1905)に刊行する絵はがきシリーズ「京名所百景」では、社寺の建築美や街並み、名勝、祭礼、風俗をはじめとした各種絵はがきの原板を数多く撮影しました。同年5月には、大阪絵葉書奨励展覧会に出品し、乙種の部で橋本関雪の日本画<相撲>を押さえ、翠山の<山>が一等賞となりました(「大阪絵葉書 奨励展覧会審査結果」『手紙雑誌』第2巻第3号 明治38年6月)。前述した、戦捷紀念博覧会で銀牌を授賞し、世間で脚光をあびる前年のことです。ちょうど便利堂が社内にコロタイプ工房を開設した年にもあたり、コロタイプによる写真集や絵はがき制作に本腰を入れはじめた時期にぴったり符合します。その後も便利堂発行の絵はがき集で撮影原板を提供するなど、この頃の翠山は便利堂お抱えの写真技師としても大いに活躍していたのです。

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「大阪絵葉書 奨励展覧会審査結果」『手紙雑誌』第2巻第3号 明治38年6月span>

「京都三条富小路の便利堂は、関西絵葉書界の重鎮である。(中略)便利堂は印刷部として有名なるコロタイプ製版所を有して居る、加えその写真部には斯界の獅子児たる黒川翠山氏を始め、(中略)常に各地を跋歩して、人の未だ写し得ざる新勝景新題目を捉ふるに勉めつつある(中略)便利堂が従来の絵葉書界に少なからず欠乏を感じて居た風景物に手を着けられたのは吾々の大いに賛成する所である」(「風景絵葉書と京都の便利堂」『手紙雑誌』第3巻第10号 明治39年10月)。


展示リスト

1 オリジナルプリント<富士山> 1点 全紙(42×58㎝)明治末~大正頃 個人蔵

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 翠山は、明治末(1911年)頃から富士山の撮影に取り組み、数多くの作品を制作、数次にわたって展覧会を開催していました。全紙サイズの水彩画用紙に、ムラなくきれいに印画された富士山の光景は透明感があり、まるで絵画のようにもみえます。右隅には「翠山」の手書きの印があることからも本人によるオリジナルプリントで間違いなく、この落款が本作の絵画性をより強く印象づけます。ピクトリアリズム(絵画主義)を代表する翠山の目指した「芸術写真」のひとつの到達点を示す名作といえるでしょう。

翠山5
 
2 オリジナルガラス乾板  8点 キャビネ版 年代不明 京都市歴史資料館蔵

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 アマチュア写真ブームを技術的に下支えしたのは、ゼラチン乾板での撮影が可能になったことでした。ガラス乾板とは、臭化カリウムと硝酸銀を混ぜてゼラチンに溶かした感光乳剤を、透明のガラス板に塗布した感光材料です。それまでは湿板写真が主流であり、ガラスに塗った乳剤が乾かないうちに撮影、現像定着をおこなう必要があり、取り扱いが非常に複雑で、だれにも手軽に撮影が行えるわけではありませんでした。いつでも好きなタイミングで撮影や現像ができるガラス乾板の登場で、写真が劇的に扱いやすくなり、ひろく一般に浸透していくことになります。日本では明治20年代から昭和30年代まで、盛んに使用されていました。ガラスの特性上、平滑度が高く、フィルムに比べてピントのシャープさも優れていました。

 翠山の写真もほとんどすべてがガラス乾板で撮影され、残された乾板は、京都府立京都学・歴彩館をはじめ、金閣寺、平安神宮、京都市歴史資料館、静岡県立美術館、滋賀県立琵琶湖文化館、東京都写真美術館などに寄贈され、大切に保存されています。今回は京都市歴史資料館より翠山撮影によるオリジナルのガラス乾板を8点お借りしました。

スキャナー
新たに開発・導入したガラス乾板専用超高解像度スキャナー

【関連展示①:ガラス乾板の利活用を目指す取り組み】 ガラス乾板と合わせてご覧いただきたいのが、今年あらたに便利堂が開発・導入した、ガラス乾板専用超高解像度スキャナーによるデジタル化画像のモニター展示です。8kにも対応できる超高解像度スキャナーが引き出したガラス乾板がもっている圧倒的な情報量をご覧ください。国内外で数多くのガラス乾板が保管されていますが、その扱いの難しさにより死蔵されているケースが多いと思われます。乾板の保存はもちろんのこと、高品位なデジタル化をすることにより、画像を保存し、それを活用していくことが必要だと考えています。

3 黒川翠山ポートレート     2点 年代未詳 京都府立京都学・歴彩館蔵
4 黒川翠山撮影 オリジナルプリント作品 3点 年代未詳 京都府立京都学・歴彩館蔵
5 黒川翠山撮影 オリジナルプリント絵はがき 1点 年代未詳 京都府立京都学・歴彩館蔵
6 スナップ写真「法隆寺金堂取材風景」 1点 昭和初期頃 京都府立京都学・歴彩館蔵

翠山6
展示番号4:黒川翠山オリジナルプリントのうち1点。<富士山>と同じ手書きの「翠山」の印が書き込まれている。

7 京都写真帖1『京都の山水』  明治36年(1903) 便利堂発行 便利堂蔵

京都の山水

 コロタイプ写真集『京都の山水』(展示番号7)は、京都の美しい風物をテーマに便利堂が企画した「京都写真帖」シリーズの第1巻として明治36年(1903)4月に刊行されたものです。この『京都の山水』の巻頭には、「弊店懸賞募集当選写真」として6作家7作品が掲載されています。その1頁目を飾るのが黒川翠山による<八瀬の初冬>です。『京都の山水』の当選作は、翠山の活動最初期に当たり、彼の作品が公に発表された最初のひとつと言えるものではないかと思います。

8 京都写真帖3『京都の寺院』  明治36年(1903) 便利堂発行 便利堂蔵

京都の寺院1

同年6月には、京都写真帖の第3集として『京都の寺院』が刊行されましたが、こちらも同様にアマチュア写真家に懸賞募集をし、本書はしがきによると、実に300点の写真が寄せられたといいます。うち数十点が選ばれ掲載されましたが、翠山は5点の作品が採用されました。これらの作品の一部のオリジナルガラス乾板は、現在京都府立京都学・歴彩館に所蔵されています。こののち翠山は、明治39年(1906)の日露戦争戦捷記念博覧会に出品した<雨後>で名誉銀牌を授与され一躍有名となっていきます。

  【関連展示②:コロタイプ写真コンペティション「HARIBAN AWARD」】 このような便利堂が行っていた写真の懸賞募集を現代にリバイバルしたものが、弊社主催の写真コンペティション「HARIBAN AWARD」です。2014年に第1回が開催され、本年で第4回となります。先日募集が締め切られ、世界中の写真家から、約440名の応募がありました。現在審査中で、8月下旬には優秀賞が発表予定です。受賞者は2週間の京都滞在に招待され、職人と一緒に作品制作を行います。完成作は、翌年の京都グラフィー期間中に個展が開催されます。 公式サイト:www.benrido-collotype.today/collotype-competition

9 《小川保太郎「題 正月」京都素人写真協会 1月例会 1等当選》 発表の一枚物 明治36年頃 便利堂蔵

京都の山水6
 
 翠山と同年配で『京都の山水』に当選した一人に小川保太郎がいます。当選者としては唯一2作品が本書に掲載されています。撮影者の小川保太郎は、江戸中期から続く庭師「小川治兵衛」の八代目で、白楊と号しました。造園家としてだけではなく、考古学者・茶人としても活躍し、特に写真の分野では数々の京都の美しい風景を写し取った作品を残しています。

京都の寺院2
『京都の寺院』目次 上段中頃にのちの便利堂3代目主人、中村家三男の田中(中村)伝三郎の名前(「南禅寺山門」も確認できる)

 白楊を名乗る前の保太郎の作品としてもうひとつ残っているのが、《小川保太郎「題 正月」京都素人写真協会 1月例会 1等当選》と記された一枚ものです。『京都の山水』に挟み込まれて保存されており、同質の色調・用紙であることからも、おそらく同じ明治36年頃に印刷されたものではないかと考えられます。「京都素人写真協会」については、今のところ詳しくはわかりませんが、明治34(1901)年には「京都かめら倶楽部」、明治35年に「京都写真協会」が京都に設立されており、「京都写真協会」には翠山も参加していたようです。同じ明治34年設立の「東京写友会」「東洋写真会」、明治37年の「浪華写真倶楽部」「ゆふつヾ社」など、東京や大阪で起こっていたアマチュア写真団体が同時期に京都でも結成されていて、活発に活動していたことがわかります。

京都の寺院1
黒川翠山、山元春挙と並んで、名前が見えるのは実業家・内貴清兵衛。舟屋、橘村と号した。翠山と並び、便利堂絵はがきの多くの撮影を手がけた。

 推測の域はでませんが、もしかしたらこの「京都写真協会」が「京都素人写真協会」と同一団体か、あるいはその前身だったという可能性もあります。この「京都写真協会」設立の中心になったのが、日本画家であった山元春挙ではないかという説もあります。春挙は、雄大な風景を描くために自らカメラを持参し取材したといい、『京都の寺院』(展示番号8)には、春挙撮影による<黄檗山開山堂内陣>も掲載されており、すでにこの頃にはかなりの腕前であったことが知れます。展示の一枚もの並びに『京都の山水』表紙に「山元」なる手押しの印があり、また先の明治36年発行の『京都の寺院』の表紙絵が春挙であったことからも、確かにこの説と符合する点もあります。

 また、例会の当選作をこのようなコロタイプ刷にしていたということも興味深く、便利堂がなんらかこうしたかたちで活動を支援していたことがうかがえます。『京都の寺院』の掲載作家のひとりとして「田中伝三郎」の名前が確認できますが、これは創業の中村家の三男で(のちの便利堂3代目主人)、この頃は便利堂の写真師として活躍していたことが確認できるとともに、伝三郎自身がこうした京都の写真協会に所属している、あるいは近い存在で、そうしたネットワークがこのようなサポートや出版活動に連動していたのではないかと推察されます。

10 明治期に便利堂が発行した黒川翠山撮影の絵はがき
-1 「雨の嵐山」絵はがきセット  明治40年頃  便利堂蔵
-2 「松島の勝景」絵はがきセット(1)(2)   明治38年頃  便利堂蔵
-3 「比叡山頂 四明嶽の眺望」綴り絵はがき  明治40年頃  京都府立京都学・歴彩館蔵
-4 「比叡山 名勝」絵はがき帖  明治40年頃  便利堂蔵
-5 「三井寺 名勝」絵はがき帖  明治40年頃  京都府立京都学・歴彩館蔵

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 翠山は明治38年10月に日光、塩原、松島、富士山南麓などの景勝地に取材旅行に行っており、その成果の一つが絵はがき集「千山萬水」となった。これに続き、展示番号の「松島の勝景」をはじめ、各地ごとの絵はがきセットが作られた。この時の松島のガラス乾板は京都府立京都学・歴彩館に所蔵されている。

「同店(注:便利堂)発行の「千山萬水」は斯道の獅子黒川翠山氏をして全国の名勝好風光地を跋渉せしめ、未だ全く人の之れを知らざる(中略)地をば、最も巧に写し出さしめしもの(後略)」(参照:参考パネル「京都便利堂書店の絵葉書に就いて」『手紙雑誌』第3巻第1号 明治39年1月)。

11 他社制作の黒川翠山撮影の絵はがき
-1 「平安神宮苑絵はがき」セット  大正~昭和初期  京都府立京都学・歴彩館蔵
-2 「みどりのかげ 第三十六集」  翠影会発行  大正頃  京都府立京都学・歴彩館蔵

翠山91
翠山は仲間たちと「翠影会」をつくり「みどりのかげ」と題した絵はがきシリーズを数多く刊行した。

12 コロタイプニュープリント(京都の風景) 6点 半切(約35×43㎝)京都府立京都学・歴彩館「京 の記憶アーカイブ:黒川翠山写真資料」よりコロタイププリント
-1 <宇治塔の島>  明治末~大正頃  黒川翠山写真資料 951
-2 <巨椋池でのデンチ漁>  大正時代  黒川翠山写真資料 1425
-3 <円山公園>  撮影年未詳  黒川翠山写真資料 919
-4 <新京極>  昭和初期  黒川翠山写真資料 985
-5 <四条大橋>  昭和初期  黒川翠山写真資料 973
-6 <伏見稲荷大社>  撮影年未詳  黒川翠山写真資料 772

翠山10
<巨椋池でのデンチ漁>

 京都府立京都学・歴彩館(旧京都府立総合資料館)がウェブ上に公開している「京の記憶アーカイブ:黒川翠山写真資料」よりダウンロードしたデジタル画像データより制作したコロタイププリントです。2000点におよぶ公開画像から今回選んだ作品のなかでも、<巨椋池でのデンチ漁>は、芸術作品としてだけでなく、写真がとどめる「記憶」としても価値があります。巨椋池(おぐらいけ)は淀川の中流域に発達した湖沼で、1940年代に干拓され、いまでは地名を残すだけでその姿を見ることができません。小舟の舳先で漁師が持ち上げている、おおきな円錐形の網をデンチ網といい、魚のいるところに網を突き立てて獲る、巨椋池にみられた特徴ある漁法のひとつでした。

翠山11
<宇治塔の島>

 また<宇治塔の島>では、和装の女性が4人、ほぼ等間隔で傘をさして、塔の島をめざして橋を渡っています。<宇治橋>と題する別写真にも、同一人物とおもわれる女性が4人、こちらも傘をさして写っているので、これはあきらかに同日、おなじモデルさんにポーズをとらせたものでしょう。宇治の石塔は1908年に再建されているので、再建後あまり年月を経ない時期の撮影と考えられます。ほかにも、<四条大橋><新京極><伏見稲荷大社><円山公園>など、いまも面影がみられる(あるいはほとんど変わらない)風景は京都ならではです。
 
13 表彰状:「写真富士八景」全国勧業博覧会 銀賞  1点 大正9年 京都府立京都学・歴彩館蔵

翠山7

 9月1日(金)には、京都府立京都学・歴彩館の大塚活美さんのフロア・レクチャーを企画しています。黒川翠山について、あたりまえですが私の話よりも深く、ひろく、面白いお話をたくさんしてくださると思いますので、ぜひ足をお運びください。例年、お盆が明けても狂気的な暑さに見舞われる京都ですが、今年はすこしはやめに秋の気配…? 便利堂コロタイプギャラリーの「夏休み企画」をぜひお楽しみください!

※現在、京都文化博物館で開催中の「近代京都へのまなざし」展でも一部翠山の作品が展示されていますので、あわせてこちらもお楽しみください。

【フロアレクチャー】
9月1日(金)18:00~19:30(先着50名)
講師:大塚活美氏(京都府立京都学・歴彩館 資料課)



便利堂コロタイプギャラリー夏季企画展
生誕135年記念 黒川翠山の京都――明治期京都の写真とコロタイプ
8月21日(月)~9月8日(金)
11:00~18:00 ※土日休廊


いよいよこの夏、コロタイプアカデミーが開講します!

Posted by takumi suzuki on 17.2017 【コロタイプ、やりませんか collotype academy】   0 comments   0 trackback
急ピッチでマイスター山本が校舎をリノベーション! ただいま受講生募集中!

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アカデミーロゴ_1

こんにちは!
コロタイプアカデミーのコーディネーター、溝縁です。
みなさん、つ・い・に… 「コロタイプアカデミー」が今月29日に開講します!

www.academy.benrido-collotype.today

便利堂コロタイプ工房は、世界でも希少となったコロタイプ技法を、ひとりでも多くの方に、知り・学び・実践していただく場を提供したいという思いから、このたび「コロタイプ・アカデミー」を開講することとなりました。

初心者向けの体験コースから、より深く学びたい方向けの専門コースまで、それぞれの方の興味に合わせたコースをラインナップし、熟練のコロタイプ・マイスターが丁寧に指導いたします。

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まずは自己紹介から。
溝縁真子(みぞぶち・まこ) 1984年、京都府宇治市生まれ。京都精華大学芸術学部造形学科版画専攻し版画と写真を学び、卒業後の2010年に、さらにアート写真を学ぶためにドイツのライプツィヒ視覚芸術大学に留学。写真技術や表現方法だけでなく、作品を制作するうえで重要となる哲学や社会への向き合いかたなども学ぶ。2016年にマイスターシューラーを修了後、京都に戻り2017年から便利堂に入社。コロタイプ・アカデミーでは、主に講師のアシスト、及びアカデミーの運営全般を担当します。

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わたしはこれまで京都とライプツィヒで版画と写真、そして製本について学んできました。わたしがコロタイプという古典的な印刷技法を知ったのは、数年前にライプツィヒの印刷博物館を訪れた時のことでした。館内でのツアー担当の方が、以前までライプツィヒで稼働していたコロタイプ印刷所が閉鎖してしまい、今では唯一京都に工房が残っているのみと話してくださったのです。そして、偶然というか奇遇にも唯一と語られた便利堂に入社し、存続さえ危ぶまれる貴重な技術をひとりでも多くの方々に知っていただきたいと思っています。アカデミーをとおしてコロタイププリントの美しさや制作の喜びを味わっていただくことを切に願いながら、受講者のみなさまがより充実した時間を過ごしていただけるようさまざまな企画を考案中ですので、どうぞよろしくお願いします。

マイスターリノベーション

さて、その校舎となる便利堂本社の社屋D棟(裏庭にひっそりと佇む倉庫)は、オープンの7月29日に向けて、見違えるようなかっこいいアトリエ空間に様変わりしました!、全てのリノベーションは我らがコロタイプマイスター山本修の手によって施されました。そう、山本氏はアカデミーの講師です。アカデミーの開講を実現するために挑んだ左官工事やペンキを塗る姿は、まさに情熱のかたまり…! 今回はその姿を記録した写真を見ていただきたいと思います。素敵なbefore & afterです。

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棚の商品などを運びだし、壁のクロスや下地の撤去作業開始。かなり内部は老朽化しています。

このD棟は、本社がまだ町屋だったころの昭和50年代に建てられたもので、社屋では最も古いものでした。もともとは、工房の一部として使用されていましたが、現在では商品などを保管する倉庫となっていました。このD棟を再利用して新しいコロタイプ技術の研究拠点として、そしてその技術を使って作品を作る楽しさをたくさんの人に体感してもらうためにアカデミーを始めたい…! という鈴木社長の強い思いからアカデミーの構想が伝えられたのが、ほぼ一年前のことと聞いています。

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まずは、春先頃からそこに保管されていた貴重な作品や商品類を丁寧に移設するところからの出発(便利堂は、とにかく保管された貴重品が多い…!)。6月からは、雨漏り対策として屋上の防水コーティングに着手、そして品々が撤収され棚を運び出せば内装に取り掛かれる状況になったのは6月26日のこと。そこからマイスター山本の決死のDIYで、天井も、壁も、床もピカピカに! たまに妙な穴やほころびはあるものの、それはD棟の記憶をしっかり伝える痕跡のようなもの。

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7月14日現在、新しいLED証明も備えられ、いよいよここにプレス機や作業台、水場や材料が運び込まれ開講を待つのみとなりました! すばらしい!

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工事をしながらの山本氏の一言…「わしはなぁ、工事が終わってから、ここでキンキンに冷えたビールで乾杯するんが楽しみなんや!」 はい、社内ではありますが、こけら落としの乾杯は必須かと…!

ここ一ヶ月そんな一部始終を見守っていましたが、私が目下楽しみにしているのは、もうすぐ届くル・◯◯ビジェのソファ! 奥の小部屋に置かれ、そこでは受講者の方に作業の合間のくつろぎタイムを過ごしてもらうことが出来そうです。

今は他の社員さんからは忘れられたようにひっそりと佇むD棟ですが、人の出入りのある空間は誰にとっても、訪れるのが楽しみな空間になるはずです。風通しのよい開かれたアトリエになりますように…! ここでたくさんの素敵なコロタイプが刷られること、そして、みなさんの真剣なまなざしや達成した時の嬉しい笑顔と出会えることを楽しみにしています!


ただいま受講生募集中!

いまなら開講記念として、受講料30%OFF!

■【1日コース とっておきの写真をモチーフに、絵はがきを作ってみましょう!】 7月29日、8月4日 各定員6名

■【2日コース コロタイプティシュー(版)の作り方を体験し、自分の写真をモチーフにした絵はがきを作ってみましょう!】 8月26日-27日 定員6名

■【5日コース 版の作り方から刷りまでを学び、8 x 10サイズのコロタイププリントを作ってみましょう!】 9月4日-8日 定員3名

詳しくはコロタイプ・アカデミーのサイトをご覧ください。

www.academy.benrido-collotype.today


第5回「コロタイプ手刷りプリントのおもしろさ」展 開催中!

Posted by takumi suzuki on 26.2017 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
本日、体験ワークショップもやってます!

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便利堂コロタイプギャラリー
会期:2017年6月20日(火)~7月5日(水) 11:00~18:00
休廊:土・日曜日・6月30日(金)

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コロタイプギャラリー支配人代理の平島です。年に一回の恒例行事「コロタイプ手刷りプリントのおもしろさ」展が20日から始まりました!! 第5回目となる本展では、新しく技術開発に取り組んでいる「環境に優しい感光材」による版でプリントしました。技術の改革を、職人のみならず全社員で後押しできるように、楽しみながら実践しています!

コロタイプ手刷りプリントのおもしろさ」展とは・・・

コロタイプは熟練の職人技を要する表現方法であり、作家の作品づくりや博物館のレプリカなどに用いられますが、便利堂では一般の方々にその魅力やおもしろさを知っていただき、より身近に楽しんでいただくために、手刷りプリントのワークショップの開催に取り組んでいます。本企画展は、創業記念日に合わせ、便利堂社員一人一人がコロタイプへの理解を深めるべく、各自の作品を題材に作成した手刷りプリントを展示します。そして社員と来場者の投票で優秀作品を決定いたします。

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今年は50作品が集まりました。皆さんの清き1票で便利堂創立記念式典(6月30日)の表彰の舞台に立つ社員が決まります。投票期間は6月29日正午まで。ご協力頂いた皆様には、コロタイプ絵葉書を1枚プレゼント!高得票作品は、後日ブログで発表させて頂きます。 ⇒全50作品の画像はこちら

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↓過去の作品づくりの様子はコチラ↓
第1回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-32.html
第2回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-66.html
第3回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-86.html
第4回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-99.html

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なんと今回、第5回の開催を記念して、期間限定でコロタイプワークショップを開催しています!(全5回) モチーフは大人気の国宝鳥獣人物戯画。プレス機をコロコロして自分だけの特製絵はがきを作ってみませんか?

版1
今回の版です。どんな絵はがきになるかはお楽しみ。

期間: 6月20日(火)、22日(木)、26日(月)、28日(水)、7月5日(水)
時間:いずれの日も13:00~15:00
参加費:無料

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第1回目と第2回目は終了しました。第3回目は本日開催します! 緊張感がありエキサイティングなひとときでした!

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さて、お気づきでしょうか。版の色がグレーだということに。
実は先に書いた通り、今回のワークショップに用いた版は、今まで開催してきた黄色いもの(ガラスの上にゼラチンを塗布したもの)とは違い、アナログモノクロフィルムを版に加工して作成しました。この新しい版は「コロタイプティシュー」といい、感光材は従来の重クロム酸を使用せず無害の代替薬品を用いた環境にやさしいレシピとなっています⇒「コロタイプティシュー」について詳しくはこちら

ティシュ―11

(左)コロタイプティシュ―の版。アナログモノクロフィルムのゼラチンに感光材をしみこませ、床材のピータイルに貼り合わせたもの。
(右)従来のゼラチン版。透明のガラス板に感光材を混ぜ込んだゼラチンを塗布したもの。

それぞれ刷り心地に個性があり、所感を述べますと

ガラス刷版:      
インキング中にゼラチンの柔らかさ(生き物のような・・・)を感じる。
グレーの発色が美しい。
数枚に1枚、素晴らしいものがプリントでき、続く2,3枚目も良作になる。
ローラーの筋が入ると消すことが難しく職人技。
ガラス版が割れる。

コロタイプティシュー: 
ローラーの筋が入っても消しやすいため安心感がある。
版が割れないためたくさんプリントが作れる。
数枚に1枚、素晴らしいものがプリントできる場合もある。
濃い、薄いがハッキリしていてグレーを出すのが難しい。
モコモコの模様が出るときがある。

コロタイプティシュ―はまだまだ開発中の一面もありますが、環境に配慮した技術の改革を目の当たりにし、実際に50人もの社員が体験できるとは、去年の今頃は考えられなかったことです。約150年前に生まれたコロタイプという技法に、今もなお改良が重ねられていることが、一社員でありながら驚きです。日々の研究の成果がどのような実を結ぶのか楽しみですし、更なる可能性を感じずにはいられません!

本展期間中のワークショップにてこの技術改革をいち早く・お気軽にご体験ください!!(そして社員作品に投票もお願いします!笑) ではギャラリーにてお待ちしております!

猫1

お問い合わせ先 株式会社便利堂 075-231-4351(代表) ※平日9:00~18:00
便利堂ホームページ http://www.benrido.co.jp/
Twitter @kyotobenrido
facebook  https://facebook.com/benrido.collotype.gallery

本日就航! 超豪華寝台列車《TWILIGHT EXPRESS瑞風》のインテリアにコロタイプ・プリントが採用!

Posted by takumi suzuki on 17.2017 【今日のコロタイプ】    0 comments   0 trackback
植田正治コロタイプ・ポートフォリオ第2弾《砂丘》が車内に
合わせてミニ・ポートフォリオも本日刊行!


瑞風1

コロタイプギャラリー支配人の藤岡です。
鉄道ファンのみならず、多くの方がその就航を待ち望んでいた超豪華寝台列車《トワイライトエクスプレス瑞風》が本日午前に運行が開始されました! JR西日本が、「美しい日本をホテルが走る」というコンセプトで、歴史がはぐくんだ日本の伝統技術・デザインの粋を結集して完成させた《瑞風》。京都から下関までの山陰山陽をめぐる他に類を見ないラグジュアリーな旅を楽しむことができます。⇒《瑞風》公式HP http://twilightexpress-mizukaze.jp/

瑞風2

なんと! この超豪華列車にJR西日本と植田正治事務所のコラボレーションにより、植田正治作品のコロタイプ・プリント新作を車内のインテリアとして展示されることとなりました。! 山陰の空や砂丘などを舞台に作りだされる植田作品を鑑賞しながら山陰を豪華列車で旅するなんて最高ではないですか! スイートはおひとり100万以上という《瑞風》、先日その内覧会にご招待いただきました。こんな超豪華列車に乗せてもらえるなんて!(わたしには)二度とない貴重な機会でした! その豪華車両の一部と、今回刊行したコロタイプ・ポートフォリオ3種をご紹介させていただきます。

瑞風3
独特なフォルムが印象的な先頭車両にある展望デッキ

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内部からは、運転席をながめながら展望できる電車好きにはたまらない仕様

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ダイニングカー「ダイナープレヤデス」  車両の約半分がオープンキッチンスペースとなっており、20席のダイニングスペースは、列車であることを忘れてしまいそうな落ち着きのある豪華な空間です

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客室はロイヤル・ツイン、ロイヤル・シングルがありますが、なんといっても1両1室に使用した「ザ・スイート」が超豪華! エントランスやプライベートバルコニー、リビング・ダイニング・寝室・トイレ2箇所(玄関横とユニットバス内)・バスタブ付バスルームを備えた夢の寝台車両です。寝室には写真家・緑川洋一氏の作品が飾られています

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特にバスルームは、バスタブとシャワールームが併設されており、スイートを実感するくつろぎのスペースとなっています。このバスタブにつかりながら車窓から夕陽を眺められた日にはもう死んでもいいと思うかもしれません

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さて、これら客室前の廊下に、今回のコロタイプによる植田正治作品が6点展示されています

便利堂では以前にも、おなじく植田正治のコロタイプ・ポートフォリオシリーズを制作しており、2006年に《童暦》(限定30部)を、また同年にミニ・ポートフォリオ《遥かなる日記》を出版しています。

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植田正治 コロタイプ・ポートフォリオ《砂丘》 【特別版】限定10部

新作《砂丘》【レギュラー版】は、「パパとママとコドモたち」など、砂丘を舞台に家族の姿を、まさに“植田調ueda-cho”でとらえた代表作6点を収録した、植田正治ファン垂涎のポートフォリオシリーズとなっています! 特別版は、《瑞風》就航に合わせ、レギュラー版6点に、さらに〈童暦〉シリーズなどから4点を特別にセットされた豪華版です。

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装幀デザインは、おおうちおさむ氏。BOXの大胆に斜めに走るカッティングが斬新で、モノクロ基調ながら、砂丘と空、雲、水平線、そして島の存在感をみごとに表現しています。BOXの空の部分が、パカッとフタに。開けると、今度はとてもカラフルな世界がひろがります! 1作品ごとにタトウに包まれフォルダ入で、全点色違いと贅沢な仕様です。さらに特別付録に、河出書房新社からこのたび出版されたレゾネ『植田正治作品集』も収録。

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【特別版】はIからX、【レギュラー版】は1から25の記番入り

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おかげさまで【特別版】は予約でほぼ完売となりました。現在、エディションIIIのみストックあり。国内でまだ購入した方はいないので、ご希望の方はお早めに!

〈収録作品〉 ⇒画像はこちら
1.妻のいる砂丘風景(Ⅲ)/ MY WIFE IN THE DUNES (Ⅲ) 1950頃
2.パパとママとコドモたち/ PAPA, MAMA AND THE CHILDREN 1949
3.パパとママとコドモたち / PAPA, MAMA AND THE CHILDREN (Ⅰ) 1949
4.ボクのわたしのお母さん/ MAMMY, MY DEAR 1950
5.パパとトッチン/ PAPA AND TOCHIN 1949
6.へのへのもへの/ DOODLE FACE 1949
7.少女四態/ FOUR GIRLS, FOUR POSITIONS 1939
8.妹のお守り/ CARING FOR LITTLE SISTER 1959-70
9.紙芝居屋が行く/ THE PICTURE STORYTELLER DEPARTS 1959-70
10.小さな工場/ SMALL FACTORY 1959-70

《砂丘》特別版 限定10部

コロタイプ(モノクロダブルトーン)
用紙:手漉き和紙(三椏楮)
プリントサイズ:355×432mm(14×17インチ)
BOXサイズ:425×505×135mm

販売価格800,000円+税


《砂丘》レギュラー版 限定25部

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プリントの仕様は特別版とおなじで、作品1-6を収録します。
装幀も特別版とおなじで、BOXサイズが違います:425×505×65mm
『植田正治作品集』 は添付されておりません。

販売価格600,000円+税 ⇒お求めはこちら

こちらも次々と問い合わせ、注文が入ってきております。またとない機会です。お急ぎください!


ミニ・ポートフォリオ《砂丘》

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コロタイプ(モノクロ)
プリントサイズ:203×254mm(8×10インチ)

作品1-6を収録します。
こちらは便利堂ミニ・ポートフォリオシリーズの第4シリーズでもあり、外装はおなじみのタトウ装・スリーブケース入です。タトウ・ケース用紙は、表/OKサンドダークと裏/新バフン紙(紺)の合紙で、砂丘と空のコントラストを表現してみました。

販売価格6,000円+税 ⇒お求めはこちら

《瑞風》運行スタートの6月17日(土)より、美術はがきギャラリー京都便利堂(富小路店、神田神保町店)、同オンラインショップにて販売開始します! できたてほやほやで、今はまだ数に限りがあります。誰よりも早く(?)手に入れて下さい!


じつは、《瑞風》車内でしか購入できない、上記10作品が収録されたミニ・ポートフォリオ特別版も現在企画中! JR西日本さん、ぜひよろしくお願いします! こちらも無事刊行が決まりましたら、お知らせしますのでお楽しみに!
もちろん《瑞風》に乗らないと買えない特別版! ぜひ西日本の旅を「走るホテル」でご堪能ください!

Kyotographie2017:ギメ美術館‘Theater of Love ’/ ヤン・カレン‘光と闇のはざまに’ / 小平篤乃生‘Coalscape 石炭のインキ’

Posted by takumi suzuki on 15.2017 【今日のコロタイプ】    0 comments   0 trackback
便利堂協力の3つの展覧会の見どころをご紹介!
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2017 KYOTOGRAPHIE INTERNATIONAL PHOTOGRAPHY FESTIVAL
2017年 4月15日 – 5月14日

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いよいよ第5回KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2017が本日から始まりました!
今年も便利堂は5つの展覧会に参加&協力しております。既報のとおり、まずは便利堂主催の下記「便利堂コロタイプギャラリー春季展」と「HARIBAN AWARD2016受賞作品展」のふたつの展覧会があります。

KG+ Venue No.06
ヤマウチタカモト
FROM DUSK in Collotype

2017/4/12-5/14 @便利堂コロタイプギャラリー

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©Takamoto Yamauchi  関連記事はこちら


KG+ Venue No.42
クラウディオ・シルヴァーノ|Claudio Silvano
Hariban Award2016 Campo Aberto

2017/4/14-5/7 @白沙村荘 橋本関雪記念館 存古楼

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©Claudio Silvano  関連記事はこちら



さて、ここから協力展のご紹介です。最初は、今回で開催3回目となり、すっかり京都グラフィーの定番として定着した感があるギメ美術館×とらや京都ギャラリーの幕末明治古写真展、タイトルもズバリ「愛の劇場」です!

KG Venue No.1
フランス国立ギメ東洋美術館・写真コレクション
Theater of Love

虎屋 京都ギャラリー

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©MNAAG

ギメ×とらや第1回の「侍」、第2回の「茶」に続き、今回は「愛」をテーマにギメ東洋美術館の写真コレクションより、日本の婚礼や、花魁などの京都と東京の遊郭文化に焦点があてられたオリジナルプリント30点(うち7点はアルバム展示)ならびに便利堂によるコロタイププリント3点ほかが展観されています。⇒詳しくはこちら


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もちろん、今回も展覧会に合わせ、限定ポートフォリオ『愛 Theatre of Love』を刊行します! 展示作品より20点をセピア色で再現したコロタイプ写真を収録し、うち2作品は手彩色をほどこしオリジナルの美しさを感じていただけます。各作品を解説した和英仏の解説書付。限定80部 40,000円 ⇒詳しくはこちら


KG Venue No.12
殷 家樑 Yan Kallen | ヤン・カレン
Between the Light and Darkness |光と闇のはざまに

無名舎

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©Yan Kallen

香港をベースに活躍し、昨年のKG+AWARDグランプリを受賞したヴィジュアル・アーティスト、ヤン・カレンが、京都に4ヶ月滞在し、光と闇のように万物に宿る二つの世界と、その反復や連続、循環をテーマに、京都の職人たちとの交流を通して制作した新作を発表します。⇒詳しくはこちら

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今回展観されるシリーズ「光と闇のはざまに」は、「鋸(のこぎり)」や「和紙」など、主に工芸職人の道具を被写体することで、工芸の中にはものを作るだけでなく、継承と保全、文脈的な要素が含まれていることを提示します。⇒詳しくはこちら「Kyoto Crafts Magazine インタビュー」

Yan Kallen_1

このシリーズのうち、便利堂コロタイプ工房を取材した2作品がコロタイプによるプリントされ展示されます。


KG+ Venue No.15
小平篤乃生
Coalscape 石炭のインキ

4/12 - 4/30 @食堂ルインズ

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©Atsunobu Kohira

「Coalscape 石炭のインキ」は、炭素循環をモチーフにしたインスタレーションのプロローグ作品です。このプロジェクトの発端は、2015年に制作した走査顕微鏡を用いて石炭を撮影した写真シリーズ「Coalscape」から始まりました。「観察するモニターには壮大な景色が広がっていた。コクピットのような顕微鏡を技術者が操作する姿から、未知の惑星を探索しているように思えた。」と小平さんは言います。本展では、Coalscapeをプリントするために今回特別に制作した石炭からコロタイプのインキが出来るまでのプロセスと墨制作を追う新作、そしてCoalscapeの一部をインスタレーションとして展示します。⇒詳しくはこちら

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このプロジェクトの最終形態は、インスタレーション空間の全てを炭素素材で構成しようというものです。石炭で焼いた花器、炭加工された畳、Coalscapeの写真で全体が覆われます。しかしながらこの構成において、通常の写真ではそれだけが炭素素材ではないことになってしまいます。それを解決してくれる方法として、石炭を原料とした特注のコロタイプインキを制作し、コロタイププリントしようというのが今回のコンセプトです。便利堂は石炭由来の特製コロタイプインキの制作をサポートさせていただきました。(上掲写真:小平氏と手前が特注のインキ)

小平さん4

そのためには、老舗の墨運堂さんの協力により、まず石炭を煤に変えます。そしてその煤を原料にしてコロタイプインキにします。インキ製造においては三星インキさんの協力を得ました。来年は、このインキを使用した「Coalscape」のコロタイププリントが制作され、この壮大なプロジェクトの全体像が示されることとなるでしょう。(上掲写真:特注インキのサンプル製造作業を取材する小平氏)


プロフィール

takumi suzuki

Author:takumi suzuki
【コロタイプの過去・現在・未来。創業明治20年の京都 便利堂が100年以上にわたって続けているコロタイプ工房より最新の情報をお届けします】
Japanese:www.benrido.co.jp
English:www.benrido-collotype.today

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