FC2ブログ
Loading…

便利堂・春の展覧会企画 二本立て! 好評開催中!

Posted by takumi suzuki on 18.2019 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
HARIBAN AWARD 2018 受賞展@無鄰菴&同5周年回顧展@コロタイプギャラリー

Hariban Award2018_1

KG_ロゴ

日増しに陽気が穏やかになる京都では、恒例となった京都国際写真祭「KYOTOGRAPHIE2019」 www.kyotographie.jpが先週より始まっています。今年で7年目を迎える「KG」ですが、毎年便利堂もいろんな形で参加しています。本年は、同フェスティバルのサテライト展示である「KG+」に2会場出展しています!


●HARIBAN AWARD 2018 グランプリ受賞者個展
エスター・タイヒマン Esther Teichmann “On Sleeping and Drowning”
@無鄰菴 2019年4月12日(金)-4月26日(金)

Hariban Award2018_6

この季節がやってまいりました、ハリバンアワードのグランプリ受賞者個展。
今年は、新緑の萠ゆる京都東山に位置する無鄰菴を会場にお借りし、昨年度の受賞者エスター・タイヒマンのコロタイププリント展を開催しております。

Esther_5.jpg
写真中央:エスター・タイヒマン Esther Teichmann さん

タイヒマンさんが来日し、京都に滞在しながら便利堂のコロタイプ工房で制作をした2018年12月から早4ヶ月。コロタイププリントも額装や軸装といった完成の形を得て、無事に会場に並びました。

Hariban Award2018_5

どこかミステリアスな魅力の漂う彼女のイメージは、庭園にある小さな茶室に設置されました。手が届きそうだけれど届かない、微妙な距離感を保って鑑賞者の目に飛び込むと同時に、背後に聞こえる小川のせせらぎや、鳥のさえずりが、タイヒマンさんが挑戦する異空間の世界への逃避を可能にしています。一瞬ためらいを感じながらも、すっと引き込まれる感覚をお楽しみいただけたらと考えています。

Hariban Award2018_4

無鄰菴は、明治・大正時代の政治家山縣有朋の別荘として1894年に造営されました。庭園と母屋・洋館・茶室の3つの建造物が東山を臨むように配置され、庭園は山縣の指示に基づいて七代目小川治兵衛によって作庭されました。東山を借景に、里山の風景を彷彿とさせる小高い芝生や琵琶湖疎水から引かれた小川そのものを生かす景観は、眺めて楽しむのも良いですし、散策しながら丁寧に手入れされた植物の一つ一つを楽しむこともできます。また、1951年に国の名勝に指定されており、現在は世界中からの観光客が訪れています。

Hariban Award2018_2


【開催概要】
タイトル:エスター・タイヒマン Esther Teichmann ”On Sleeping and Drowning“
会期:2019年4月12日(金)-4月26日(金) 会期中無休
時間:9:00 - 18:00(17:30受付終了)
会場:無鄰菴 京都市左京区南禅寺草川町31番地
入場料:一般410円、小学生以下無料 

【作家プロフィール】
Esther Teichmann エスター・タイヒマン
写真や映像作品の制作だけでなく、執筆やキュレーションも行うアーティスト。2012年にイギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アートにて博士号を取得、現在は同校のキュレーター育成コースや歴史リサーチプログラムの責任者を務めている。2018年の国際フォトフェア「パリ・フォト」で大規模個展を開催し注目を浴びる。www.estherteichmann.com


●HARIBAN AWARD 5th Anniversary Exhibition
ハリバン・アワード5周年記念回顧展
@便利堂コロタイプギャラリー 2019年4月12日(金)-5月6日(月・祝)

CG2018_1.jpg

各国の写真家やアーティストから注目を集める国際コロタイプ写真コンペティション「HARIBAN AWARD」は、2018年に5回目の開催を迎えました。その5周年を記念し、過去のグランプリ受賞者5名のコロタイププリントを紹介する展覧会を開催しています。

会場の都合上、今回は各作家のコロタイププリントの全てを展示することはできませんが、作家の多彩な表現と個性を垣間見る事ができます。特に展示に使用される額や作品の支持体は個展の当時を思わせる設えとしていることもあり、その展示を知る人たちからは過去の個展を懐かしむ声が聞かれました。

CG2018_2.jpg

また、展示は作品の面白さやコロタイププリントの完成度の高さを楽しめるだけでなく、それぞれの作家に寄せられた審査員の言葉も併記しています。どの様な驚きと期待をもって、多数の応募者の中からその作家が選ばれたのか、審査の裏側を知ることもできます。共通して言えることは、コロタイプという大抵の作家が初めて体験することになるその技術が大きく生かされる作品が選ばれているということ。写真技術のありうる限りの精緻な描写や濃厚なハーフトーンを特徴とする作品、アーカイバル性の高い作品、そしてドキッとするようなテーマ性。暗室で実験的な制作を自ら掘り下げる作家表現にも焦点が当てられています。

HAIBAN AWARD 2018のグランプリ受賞者エスター・タイヒマンに寄せたデヴィット・キャンパニーの評には「特にその作家が新しい素材やプロセスを多く取り入れるならば、そこから何が生まれるか想像することは難しいが、審査員もまた、あまり知られていないような作家たちと同じようにワクワクしたいと感じている。つまり、タイヒマンが便利堂でどのような作品を作り上げるのか想像できなかったからこそ、より彼女への期待が高まったといえるかもしれない。」と締めくくっています。

HARIBAN AWARDをとおして作家が新たな視野を切り開くだけでなく、これら審査員の期待と同様に、便利堂コロタイプ工房の職人やスタッフたちも、個性あふれる作家の表現や希望を叶えるためにあれやこれやと試行錯誤を重ねます。この活動によって、普段の業務では感じえない世界観と繋がり、私たちこそが作家から様々な恩恵を受けていると改めて実感します。

ロゴ2019_1

世界から向けられた真っさらなコロタイプに注がれる視線、HARIBAN AWARD 2019の応募もはじまりました。応募締め切りは2019年6月30日。今年はどんな作品が集まるのだろうか。応募を検討されている方は、ぜひこの機会にコロタイプギャラリーに足をお運びいただき、並ぶ作品に重ね合わせる様に、自分の作品が仕上がった様子をイメージしてみてください!
アワードの参加要項はこちら→https://benrido-collotype.today/collotype-competition/

【開催概要】
国際コロタイプ写真コンテスト HARIBAN AWARD 5th Anniversary Exhibition
会期:2019年4月12日(金)-5月6日(月・祝) 会期中無休
時間:11:00 - 17:00
会場:便利堂コロタイプギャラリー 京都市中京区新町通竹屋町下ル弁財天町 302
入場料:無料 

出品作家は以下のとおり
アヴォイスカ・ファン・デル・モレン Awoiska van der Molen (NL)
アントニー・ケインズ Antony Cairns (GB)
クラウディオ・シルバーノ Claudio Silvano (BR)
スティーブン・ギル Stephen Gill (SE)
エスター・タイヒマン Esther Teichmann (DE/US)


ハリバンアワード2018 グランプリ受賞者が京都にやってきました!!

Posted by takumi suzuki on 13.2018 HARIBAN AWARD   0 comments   0 trackback
Esther Teichmannさんが2週間の滞在で職人と一緒に作品を制作します。

Esther_4.jpg

Hariban logo_2018_1

 とびきり輝かしい彩りをみせてくれた紅葉の頃もすぎ、師走となりました。アカデミーの溝縁です。便利堂社内も年末のあれやこれや、そして、もうすぐ迎えるゲストの事で盛り上がっていました! そしてついに今週より、そのゲストである2018年4月から開催された国際コロタイプ写真コンペティション“ハリバンアワード2018”のグランプリに輝いたエスター・タイヒマン(Esther Teichmann)さんが、京都にやってきました! 例年通り予定されている2週間にわたるレジデンスの間には、どんなドラマが待ち受けているでしょうか。

Esther_6.jpg
今年11月のパリフォトにて、エスターさんの作品が一面にフューチャーされた壁面の前でレジデンスに向けて気合が入るマイスター・山本。

 レジデンスでは、コロタイプ職人と意見をかわしながら、コンペティションで選ばれた8枚のイメージをコロタイププリントに仕上げます。2週間という限られた時間の中で、欲しいトーンを導き出すことは、そう簡単ではありません。まして“コロタイプで作品をつくる”という体験は、大抵の作家にとっては初めてのことです。きっと彼女もどきどきしながら、京都の滞在を心待ちにしてくれていたと思います。

Esther_5.jpg
写真中央がエスターさん

 さて、エスター・タイヒマンさんのことを紹介します。エスターさんは1980年に生まれ、現在はイギリスのロンドンに在住、Royal College of Art 芸術大学で教鞭をとりながら作家活動をされています。テキストも多く執筆され、その活動の一環として、展覧会を構成するキュレーターとしての役割も担っています。その幅広い活動領域は結果として、写真表現にとどまらない作家としての新しい価値観を生み出しています。 公式HPはこちら→http://www.estherteichmann.com/

Esther_1.jpg
来年春開催の成果展会場予定である無鄰菴のお庭にて

 京都滞在を経て新しく生み出されるコロタイププリントは、成果展として2019年春にお披露目の予定となっています。会場は岡崎にある国指定名勝の旧山縣有朋別邸「無鄰菴」を予定しています。展覧会の詳細についてはエスターさんのレジデンスの結果報告とともに、あらためてお知らせいしたいと思います。

Esther_7.jpg
©Esther Teichmann

 以下のインタビューは、便利堂でのレジデンスを前にその動機や期待について伺ったものです。ぜひご一読くださいませ。

Q. あなた自身についていくつかのことを教えてください。なにがきっかけで最初にあなたを写真へと導いたのでしょうか?

A. 私は沼地や湖や川に囲まれたブラックフォーレスト(黒い森)近くにある、ライン川渓谷の南ドイツの小さな村で育ちました。そこは夏の間はとても湿っているところで、夜には雷をともなった激しい嵐が吹き荒れたようなところでした。子供の頃に暗闇の中、私は父といっしょにバルコニーに静かに座り、嵐がやってくるのを見ながら、夕暮れの空を横切るコウモリとか、雷が一瞬青い森を照らし出す光景を見ていました。それらは言葉としてなかなか表現できないような様子で、私は興奮とピュアな喜びを感じていたのですが、おそらくそういったことが私を芸術家になりたいと思わせたきっかけだったと思っています。

Esther_8.jpg
©Esther Teichmann

Q. 作品を作るためのあなたのアプローチの仕方、それによってあなたが探求しているテーマについて説明してもらえますか?

A. 私の作品は、心の中に抱いている故郷を思う気持ちとか、喪失や欲望や虚偽などにまつわる関係性を探求しています。架空のステージとして作り上げた幻想的なイメージの中で、被写体たちは喪失感を抱いた犠牲者でどこへもたどり着くことができません。彼らは暗闇の中にまぎれこんだり、逆に暗闇の中から抜け出そうします。滴り落ちるインクによって画面が塗りつぶされていたり、液体のように漆黒の夜の空間を思わせたりします。私の写真や映像や書いたものは、自伝的であったり、小説のようであったり、または神話的であったりして、そういった異なったフィールドを相互に行き来することでなにか別のものに変化させようとしているのです。私のアプローチの仕方とは、新しいやり方によって断片が再構成され拡大していき、画像や映像やストーリーがひとつになり、その世界が広がっていくというのが最も言い当てた説明となるでしょう。

Esther_3.jpg

Q. あなたは便利堂の職人とコラボレートするために京都にいらっしゃるわけですが、自身自身の作品がどのようにコロタイププリントとして表現されることを望んでしますか? また、今回のハリバンアワード受賞によってあなたが最も楽しみにしていることはなんでしょうか?

A. 私は、写真史や写真のプロセスにとても興味を持っていて、今現在と想像上の未来との対話の中で、視覚的かつ物質的に時間と場所を行き来するような作業を行なっています。便利堂のアトリエにおいて、マスタープリンターたちと作業を集中してできるこのユニークな機会をとても光栄に思っていますし、心の底から楽しみにしています。また新作や書くことを思考を巡らすべく、あてどもなく京都の街を一人で歩き回ることも楽しみです。

DSCPDC_0001_BURST20181210131834710_COVER.jpg
事前に準備したテストプリントを自然光の中でチェックするエスターさん


Q. この制作を通してアーティストとしてどんなことを得ることを望みますか?


A. 私はしばしば新しいプロセスを学んでいるのですが、そういったときは情熱がありかつ熟練した人たちといっしょに作業をしながら習得することが大切だと考えています。そのことは私にインスピレーションを与えてくれるばかりか、新しい作品のアイデアを与えてくれます。今回コロタイプによって、私の作品が新たなる姿になるであろうことに興奮を覚えます。

Esther_9.jpg
エスターさんの社内向けレクチャー&トークショー。盛況のうちに終了しました。


Japonismes2018参加企画 『コロタイプによる琳派の美』展をパリで開催中!

Posted by takumi suzuki on 22.2018 【今日のコロタイプ】    0 comments   0 trackback
昨年に引き続きPARIS PHOTO 2018にも参加!

MCJP_1.jpg

japonisums logo3

皆さま、こんにちは!
ジャポニスム展担当の清です(上掲写真左)。この度、便利堂主催で、コロタイプの伝統と技術を紹介する展覧会をパリで開催することとなり、11月13日より展示が始まりました。さらに今回は、普段国内でおこなっているコロタイプワークショップも海外出張しましたので、それらの様子をご紹介します!

!cid_308BD0E2-EAF4-4A79-A1F2-D4B9492F756D.jpg

まずはその前に、本展に先だって6日から開催されたパリフォトに昨年に引き続き参加しましたので、そのご報告から。
今年で22回目を迎えたパリフォトですが、便利堂は出版社セクションの「SE23」にブースにて出展し、深瀬昌久と2014年のハリバンアワード受賞者アヴォイスカ・ヴァン・デル・モレンとバスティアン・ウッド各氏の新作プリント、そしてソール・ライター、ラルティーグ、スティーヴン・ギル、植田正治、山本昌男各氏のポートフォリオを二卓のテーブルと壁面を使ってすっきりと展示することで、直に対話しながら接客ができる空間にしました。

!cid_A162DCA6-51F2-438D-8C4D-678AB4C3DA30.jpg

パリフォト担当者からの報告によると、今回のブースの場所が去年と同じスポットでわりと奥の方にあったにもかかわらず間口が広かったことと、そして去年訪れたヴィジターたちが覚えていてくれていたこともあって多くの人々がコンスタントに足を止めてくれ、持参した350冊の英文カタログも最初の2日間でほとんどなくなってしまったほどで、アカデミーの受講に関しての問い合わせも多数受けたとのことです。

また、便利堂の認知度が確実に上がっているということ、そしてコロタイプという技法とハリバンアワードに高い関心が集まっていることが今回のフェアを通してひしひしと感じられ、それを反映するかのように多くの著名な写真家たちと今後のプロジェクトに関してのミーティングも行うことができとても有意義だったとのことです。次の海外フェアの出店は来年2月にロッテルダムを予定しています!

DSC_0095.jpg
パリ日本文化会館(MCJP)1階ロビーをお借りして展示を行いました。入口を入ると、受付カウンター越しに風神雷神がお出迎え!

さて、本題です! Japonismes2018とは、日本とフランスの両国が連携し、芸術の都フランス・パリを中心として展覧会や舞台公演、その他さまざまな文化芸術を約8ヶ月間にわたって紹介する、大規模な複合型文化芸術イベントです。これは2016年5月に安倍総理大臣とフランスのオランド大統領(当時)の合意により実施が決定され、日仏友好160年を迎えた今年、7月から開催されています。Japonismes2018についてはこちら⇒公式HP

今回便利堂による展覧会が開催されている「パリ日本文化会館 La Maison de la culture du Japon à Paris」(MCJP)は、1997年に開館した世界最大の日本文化センターで、イベント期間中は情報を発信するセンター的役割を担っています。また「縄文-日本における美の誕生」展や「藤田嗣治」展などの展覧会も行われるなど、Japonismes2018の“中心地”とも言える場所です。

mcjp_collo.jpg
『コロタイプによる琳派の美』展 紹介ページ(MCJPのHPより)

コロタイプは、1855年にフランス人のアルフォンス・ポアトヴァンによって原理が発見され、その後ドイツで実用化されました。しかし他の印刷技術が台頭すると、次第にコロタイプは世界からその姿を消していき、現在ではフランス国内でもコロタイプを知っている人は少なくなってしまいました。そのため、フランスの地で生まれ日本で発展したコロタイプを、このJaponismes2018に合わせ便利堂が主体となり、再びフランスの皆さまに技術と伝統を、日本の美「琳派」作品と共にご紹介しようというのが今回の眼目です。

5_20181122185911372.jpg

現在パリのチェルヌスキ美術館では「京都の宝―琳派300年の創造」展が開催しており、俵屋宗達の『風神雷神図屏風』がヨーロッパ初公開されていることから、そのサテライト展示として『風神雷神図 尾形光琳 夏秋草図 酒井抱一 筆』両面復元屏風を中心に、便利堂がこれまでに制作した琳派のコロタイプ複製を展示しています。さらに近年のコロタイプの活用の取り組みを紹介するため、写真のコロタイプ・プリントも展示しています。

6_20181122185920394.jpg

便利堂が主催する海外の展示は今回が初めてで、直前まで多くの困難がありましたが、無事に搬入を終え展示することができました。開催直後は人が少ないかと思っていましたが、館の入り口正面に風神雷神図が見えることや、同館の上の階で縄文展を開催していることなどから、多くの人に興味を持ってご覧いただいています。オープン数日で日本から持ってきた展示用のパンフレット類がほとんどなくなるなど予想以上の来場者数で、展示担当者としては嬉しい悲鳴を上げているほどでした…!もちろん、その後すぐに日本からパンフレット類を送り、既に補充してあります!

11_20181122185913f89.jpg

さらに11月15日~17日の3日間は、同じフロアでコロタイプワークショップを実施しました。以前、ジュネーブで初めて開催して以来、2回目となります。今回は、“ジャポニズム”の代表的な作品である葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」と、便利堂と関係のある、パリにあるギメ東洋美術館所蔵の明治期に撮影された「サムライ」の写真を題材に選択。とくに葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」は、黒、茶、青、3色のインクを用意し、海外はもとより、手刷りワークショップでは初の多色刷りプリントをおこないました。

8_20181122190341c55.jpg
初の試み、体験ワークショップでの多色刷

担当のマイスター山本は、「せっかくの海外ワークショップだからこそ来た人たちに喜んでもらいたい!」と気合十分、用意十分で、初日の準備段階からお客さんが来るなどの大人気!正直、どれくらいの人が来てくれるかと心配していましたが、実際に始まってみると3日間ほとんど人が途切れることが無いほどの大盛況で、常に人だかりの中でワークショップをしていました。

15_20181122185908179.jpg

何よりも印象深かったのは、ワークショップを体験する多くの人が笑顔だったことです。大人から子どもまで、見に来ては次々と「体験させてほしい!」と言ってくださり、コロタイプの仕組みについても興味深く聞いていました。また展示についても、熱心に見ている方が多く、いらっしゃった方からは「これがプリントなんて信じられない」といった言葉や、「まるで今描かれたかのようにリアルだ」という言葉を聞くことができ、コロタイプについての質問も多くされ、フランスという国の美術やアート、そして工房や技師に対しての情熱と愛情を感じました。

12_201811221859074df.jpg

便利堂主催の『コロタイプによる琳派の美』展は、12月1日(土)まで開催しております。パリにお住まいの方や、近くにいらっしゃった方は、ぜひご覧ください!

【展覧会概要】
展覧会名:『コロタイプによる琳派の美』 日時:2018年11月13日(火)-12月1日(土) 12:00-20:00
   ※日曜、月曜は休館日
場所:パリ日本文化会館(101 bis Quai Branly, 75015 Paris, France) 
展覧会のHPはこちらから⇒https://www.mcjp.fr/ja/agenda/lart-du-collotype-jp


秋季ギャラリー展『コロタイプで観る明治期の日本ーーギメ東洋美術館写真コレクションより』展

Posted by takumi suzuki on 17.2018 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
後期展示無事閉幕しました!

2018年11月1日(木)ー11月16日(金)@便利堂コロタイプギャラリー

20181117013626c1c.jpg

 こんにちは!コロタイプギャラリー運営担当の溝縁です。
 空高く金色の銀杏の葉が舞う季節になりました。毎日気持ちよく過ごしながらも、寒〜い冬がやってくるなと、気が引きしまる毎日です。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 コロタイプギャラリーでは、11月1日(木)から11月16日(金)の間、「コロタイプで観る明治期の日本ーギメ東洋美術館写真コレクションより」を開催しました。パリで開催中のジャポニスム2018に想い馳せ、フランス国立ギメ東洋美術館と連携して2015年から2017年に便利堂が制作したコロタイプポートフォリオを展示しています。

20181117013630e0a.jpg

 美術館の名前にある“ギメ“とは、エミール・ギメ(Émile Étienne Guimet)という実業家の名前から名付けられています。彼は1836年にリヨンに生まれ、1918年に生涯を閉じるまで旅行を重ね、旅先での収集や美術鑑定を行ったと言われています。旅は地中海から中近東、そしてアジアに及び、その目的は宗教博物館を作ることだったと言われています。その収集品を集めてリヨンに東洋美術館が設立されたのは1879年のこと。その後、ルーブル美術館に収められていた東洋の美術品も合わせて、1889年、パリに「フランス国立ギメ東洋美術館」が開館しました。

2018111701363030b.jpg

 国立ギメ東洋美術館には、エミール・ギメの意思を継いで、様々な人々が収集した東洋の美術品がコレクションされています。そこには仏像や美術品の他、写真資料も多く収められています。便利堂では、2015年から2017年にKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭の企画をとおして、国立ギメ東洋美術館と虎屋京都ギャラリーと連携の上、明治時代の日本の風景を捉えた写真で構成されたコロタイプポートフォリオを制作しました。カテゴリーは以下のとおり。
 『侍』 幕末に生きた武士やその武士というイコンがその後どのように変化を遂げていったのか。写真には、徳川家最後の将軍の姿を収めたものから、スタジオで甲冑をつけて弓を射る姿を演出しとらえたもの、甲冑や刀といった武具が骨董として海外からの旅行客に売られている店頭の描写など…今では想像し得ない当時の社会の変動が写し出されています。

20181117013630f35.jpg

 『茶』いかに日本人の生活に茶を嗜むという行為が根付いているか。そこに描写された人々の生活のワンシーンはとても自然に見えます。茶を運ぶ女中の美しい肖像から、広大な茶畑(背景は富士山!)で新芽を摘み取る茶摘みの風景、写真スタジオで演出された食事場面などは女性の世間話が聞こえてきそうな臨場感です。しかしそれだけではなく、いわゆる儀式として嗜まれた茶会の風景や、花街の豪奢な茶会、そして日本の各所に点在した風情ある茶室の趣も残されています。

201811170136301ee.jpg

 『愛』秘められた、ある特定の社会で女性の社会的地位がたどった道を垣間見ること。きっと日本であまり目にすることもないのではないだろうかと考えられる遊郭や花街の風景。吉原の大門を写した写真などは、当時の撮影技術では昼間の撮影であったと推測できることから、いわゆる、ステレオタイプのイメージの中にある遊郭とは違った顔を知ることができます。このコレクションに収められた場面の数々からは、一定の社会的地位を取得した当時の大夫や、まなざしの鋭さとどこか遠い場所を望むような花魁の姿、そして、そういった世界観とは別に、三条河原で客と酒を交わしながらくつろぐ京都の芸舞妓の姿が映し出されています。

205606125-21.jpg

 当時、過渡期を迎えた日本は、海外からの旅行者の目にどのように映ったのでしょう。きっと人々は戸惑いと不安定さも抱えながら、大きな社会の変化に期待を膨らませていたかもしれません。その時、珍しい写真機をもって目の前に現れた外国人(もしくは日本人写真家)は、その期待をたたえた体や表情を収めてくれる、新しい時代への架け橋だったかもしれません。写真の一枚一枚は、今のように瞬時には撮影されていません。きっと時間をかけて演出し、一枚のために表情をつくり、心を込めて映ったのでしょう。

 会場に来られたお客様から、『全く知らない時代のことなのに、なんだか懐かしい気がするわね』と感想をいただきました。コロタイプのしっとりとした質感で見る明治期の日本の風景。秋の深まる黄昏の一刻、このポートフォリオを座右に明治時代にタイムスリップしませんか…?

※なお、これらのポートフォリオは便利堂の直営店舗やミュージアムショップ、またオンラインストアでお買い求めいただくことができます。
詳しくはこちら:京都便利堂公式オンラインショップ

【展覧会概要】
日時:2018年11月1日(木)ー11月16日(金) 11:00−17:00
場所:便利堂コロタイプギャラリー (中京区新町通竹屋町通下ル弁財天町302)

コロタイプギャラリー秋季企画展(前期)「コロタイプで観る関西名刹の仏像」のお知らせ

Posted by takumi suzuki on 25.2018 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
《ジャポニスム2018》参加記念。 来月パリでコロタイプ展示行います!
会期:2018 年10 月 17 日(水)- 10月 30日(火) @便利堂コロタイプギャラリー
時間:13:00-17:00 ※土日開廊

1_4638 72 benrido

japonisums logo3

 こんにちは!コロタイプギャラリーを運営する溝縁です。
秋の高い空を眺め過ごしやすい日々を楽しむ毎日、皆様いかがお過ごしでしょうか。そんな中、コロタイプギャラリーでは10月17日(水)から秋の企画展がはじまりました。今期はなんと、二本立てです!

 今回の展示は、便利堂の《ジャポニスム2018》参加記念として企画しました。日仏友好160年にあたる2018年、日本とフランスの両国が連携し、芸術の都フランス・パリを中心に“世界にまだ知られていない日本文化の魅力”を紹介する大規模な複合型文化芸術イベント《ジャポニスム2018:響き合う魂》が開催されています。
公式ホームページ

mcjp.jpg
パリ日本文化会館HPより: 現在、パリ日本文化会館では「縄文展」が開催中です。

 パリ 内外の100近くの 会場で、展覧会や舞台公演に加えて、さまざまな文化芸術を約8ヶ月間にわたって紹介されています。 古くは日本文化の原点とも言うべき縄文から伊藤若冲、琳派、そして最新のメディア・アート、アニメ、マンガまでを紹介する「展示」や、歌舞伎から現代演劇まで、日本文化の多様性に富んだ魅力を紹介する「舞台公演」、さらに「映画」、食や祭りなど日本人の日常生活に根ざした文化等をテーマとする「生活文化 他」の4つのカテゴリーで東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を前に、日本各地の魅力をパリに向け、またパリを通して世界に向けて発信されてます。

 《ジャポニスム2018》では、これらの公式企画に加え「ジャポニスム2018参加企画」の枠組みが用意されており、これは、《ジャポニスム2018》の趣旨に賛同するフランスで企画・実施される日本関連の催しを「参加企画」に認定することで、《ジャポニスム2018》を盛り上げ、日本文化を発信するためのプログラムです。

mcjp_collo.jpg
パリ日本文化会館HPより: 便利堂のコロタイプ展の告知ページです。

 便利堂では、このジャポニスム2018公認の参加企画として、パリ日本文化会館様との共催で『コロタイプによる琳派の美』 L'art du collotype と題した展示を来月13日~12月1日まで行います。展示の詳細につきましては、また追ってご紹介できればと思っています。⇒パリ日本文化会館展覧会情報

mcjp3.jpg
ジャポニスム2018公式HPより: 「古都奈良の祈り」展

 さて、さっそく本題のコロタイプギャラリー展示の見どころをご紹介いたします。この《ジャポニスム2018》公式企画として、ギメ東洋美術館では「古都奈良の祈り」展 2019年1月23日(水)~ 3月18日(月)と「明治」展 2018年10月17日(水)~ 2019年1月14日(月)が開催されます。コロタイプギャラリーでは、《ジャポニスム2018》参加記念としてこの二つの展覧会に連動した企画をいたしました。前期は『コロタイプで観る関西名刹の仏像 −戦前から紡がれるコロタイプ工房の軌跡』というタイトルのもと、六体の仏像写真を展示、後期は『コロタイプで観る明治期の日本―ギメ東洋美術館写真コレクションより』を展示いたします。

2_4694 72 benrido
コロタイププリント(観心寺 国宝 如意輪観音菩薩坐像)

 前期の本展では、便利堂が戦前に撮影したガラス乾板を元に制作し保管されていた貴重な大型の仏像コロタイププリントを、モダンな表具に仕立てて展示しています。あしらった布や独特の表装は、今回お願いした立入好和堂の村山さんに色々なアイディアをいただき実現しました。それぞれの仏様に似合うサイズや色味があしらわれ、見事な風合いに仕上げられています。

3_IMG_7417.jpg
コロタイププリント(平等院 国宝 阿弥陀如来坐像部分):蓮弁が、現在の縦一列ではなく、修理前の互い違いにひかれている時代の写真です。 

展示されているコロタイププリントの正確な制作年度は記録に残っていませんが、おそらく今から40年前後前に、現在ではなくなってしまった大型印刷機、通称「デカ版」という機械でプリントされたものです。現在の円圧部分と一緒に紙が回転しプリントされる機械とは異なり、版の上に紙を置き、そこに円圧でプレスするアナログの手法で印刷されたものです。その細やかな濃淡表現や現役のコロタイプ印刷技師をも唸らせる高い技術は必見です。

7_4664 72
ガラス乾板(浄瑠璃寺 重要文化財 吉祥天立像)

 また、会場にはコロタイププリントを制作した当時に使用したネガや、「横型カメラ」と呼ばれたこうした大型フィルム引き伸ばし専用の今はなき製版専用カメラの写真や模型も展示しています。当時ガラス乾板に写されたイメージがいかにして拡大され製版が行われたのか、今では想像を絶する精巧な技術の上に編み出された方法で実践されていました。

11_4706 72
戦前のガラス乾板より拡大してつくられたコロタイプ用フィルム原板:現代はフォトショップで行われる作業が、当時は丁寧な一筆一筆のレタッチで作業されていました。

 具体的な技術を説明しますと、ガラス乾板(ネガ画像)に光を投射し、蛇腹を伸縮させることで像を拡大し、まずは拡大されたポジフィルムを制作した上で、さらにポジフィルムと未露光のネガフィルムを密着露光し、ネガフィルムを製版していました。

8_4714 72 benrido
模型として制作した「横型カメラ」。穴をのぞいて蛇腹を模した部分を手前に引くと、見事に天地反転した像がグッと拡大され浮かび上がってきます。ぜひ会場でお試しください。

 独特の金属音を響かせながら稼働する現代のコロタイプ工房も十分にアナログであり、職人の手腕や経験がものを言う世界です。しかしながら、当時はもっともっと、もっと、それぞれ個人のアイディアや試行錯誤が産みだす風合いやコロタイプならではの深みだったのだと気付かされます。
 会場に並んだコロタイププリントをご高覧いただきながら、当時の職人の息づかいを身近に感じていただけるような展示となっています。ぜひこの機会に時代を超えたコロタイプ技術の面白さに触れていただけたらと思います。

13_201810231026.jpg

*京都新聞に掲載されました!
2018年10月23日(火)の京都新聞朝刊に、展覧会の様子が掲載されました。



日時:2018年10月17日(水)ー10月30日(火) 11:00−17:00
場所:便利堂コロタイプギャラリー (中京区新町通竹屋町通下ル弁財天町302)

【後期展示】
コロタイプで観る明治期の日本―ギメ東洋美術館写真コレクションより

205606125-21.jpg

2018年11月1日(木)-11月16日(金)
11:00-17:00

※同時開催:KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 秋季特別展
・明治150年記念 フランス国立ギメ東洋美術館「明治」写真コレクション展 「日本が動いたとき~近代黎明期の京都」
 二条城 東南隅櫓前広場・蹴上クランクイン・平安神宮 応天門前庭での野外展示:10月21日(日)-12月20日(木)
・虎屋 京都ギャラリーでのオリジナル写真の展示
 2018年11月1日(木)-12月2日(日)



プロフィール

takumi suzuki

Author:takumi suzuki
【コロタイプの過去・現在・未来。創業明治20年の京都 便利堂が100年以上にわたって続けているコロタイプ工房より最新の情報をお届けします】
Japanese:www.benrido.co.jp
English:www.benrido-collotype.today

カテゴリ

  • 【コロタイプとは? what is a collotype?】(1)
  • 【コロタイプ、やりませんか collotype academy】(15)
  • 【コロタイプで作品集をつくりませんか?】(1)
  • 【今日のコロタイプ】 (26)
  • 【コロタイプ技法解説 collotype process】(4)
  • 【コロタイプの歴史】(2)
  • 【古典印画技法 Altanative Process】(3)
  • 【コロタイプギャラリー】(29)
  • 【書棚のコロタイプ】(3)
  • 【コロタイプ技術の保存と印刷文化を考える会】(2)
  • 【法隆寺金堂壁画ガラス乾板保存プロジェクト】(3)
  • 【文化財を護る技―「認定保存技術」プロジェクト】(0)
  • 【メディア取材】(5)
  • 未分類(1)
  • English(8)
  • HARIBAN AWARD(8)

全記事一覧

takumisuzuki123