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コロタイプ版「国宝 聖徳太子及び天台高僧像」里帰り複製が完成!一乗寺で明日から特別公開!

Posted by takumi suzuki on 13.2020 【今日のコロタイプ】    2 comments   0 trackback
10日間だけの貴重なこの機会にぜひ秋の一乗寺へ
西国三十三所草創1300年記念 2020年特別拝観「国宝聖徳太子及び天台高僧像10幅 複製完成記念展」
@法華山一乗寺 2020年11月14日(土)〜23日(月・祝)

展示風景1

 朝晩の冷え込みが日に日に厳しくなり、京都の木々も本格的に色づいてきたこの頃。皆様には健やかにお過ごしのことと存じます。はじめまして。便利堂入社7年目の永野です。
 この度、法華山一乗寺所蔵の仏教絵画の超名品「国宝 聖徳太子及び天台高僧像」がコロタイプ複製によってお寺に里帰りし、西国三十三所草創1300年特別拝観・複製完成記念展として、全十幅が公開されることになりました。今回は皆様にこの事業のあらましをお伝えしたいと思います。

永野と三重塔

 兵庫県加西市にある一乗寺は、インドから雲に乗って飛来したとされる法道仙人が孝徳天皇より寺領を与えられ、白雉元年(650)に開山したと伝わる天台宗の古刹です。国宝を二件(聖徳太子及び天台高僧像と三重塔)、重要文化財は御本尊の聖観音菩薩像や本堂のほかにも、分野を問わず多数所有され、貴重な文化財を今日に伝えています。また、西国三十三所巡りの二十六番札所としても名高く、たくさんの方が参拝に訪れます。

 参拝客の方からは、「国宝の聖徳太子及び天台高僧像を見せて欲しい」という声も多くあったそうですが、それをすべて断らなければならない事情がありました。実は全十幅あるこの宝物は現在、奈良国立博物館に七幅、東京国立博物館に二幅、大阪市立美術館に一幅とバラバラに寄託されており、お寺では見ることができないのです。御住職曰く、“後世にこの名宝を遺し伝えるためには、やむを得ないという想いもあるが、本高僧像を目的に御参拝いただいた方がその事実を知り、肩を落としてお帰りになることが残念でならなかった”とのことです。現在、実物を拝むためには、博物館や美術館に展示される機会を待つほかありません。しかし国宝であるが故に、文化財保護の観点から公開には規制があり、滅多にお出ましになりません。ましてや十幅が全て揃うことなど更に稀です。

 この問題を解決すべく、お身代わり複製を将来し、お寺に里帰りしていただく手段としてコロタイプが選ばれ、弊社にお声がかかりました。本高僧像十幅の内、最澄と智顗については、昭和62年に弊社が75%縮小のコロタイプ複製を納めていたため、今回は残りの八幅を同じ縮尺で手がけることとなりました。全ての仕様や日程が決まり、正式にご発注いただいたのは昨年末のことでした。

■聖徳太子及び天台高僧像(十幅 絹本著色 平安時代)とは

 聖徳太子をはじめ、龍(りゅう)樹(じゅ)菩薩(インド)、善(ぜん)無(む)畏(い)三(さん)蔵(ぞう)(インド)、慧(え)文(もん)禅師、慧(え)思(し)(南岳大師)、智顗(ちぎ)(天台智者大師)、灌(かん)頂(じょう)(章安大師)、湛(たん)然(ねん)(荊渓大師)、最澄(伝教大師)、円(えん)仁(にん)(慈覚大師)などインド、中国及び日本の天台宗関係の高僧を描いたもので、各図とも補筆が少なくないが、細部の文様そのほかに繊細華麗な平安時代の画風がうかがわれ、坐像、立像、正面向き、側面向きなど変化に富んだ像容は、平安時代の高僧像の一般を示して興味深いものがある。なお聖徳太子など五幅の上部色紙形にわずかにのこる賛文は、天慶九年(946)叡山東塔法華堂(延暦寺)の像に橘(たちばなの)在(あり)列(つら)が加えた画賛と符合する点、その像容も同壁画に倣った可能性が高い。いずれにしても平安時代前期の東寺(教王護国寺)の国宝 真言七祖像などに対比すべき平安時代後期高僧像の優品としてその価値は高い。
『国宝事典 第四版(便利堂刊)』より

 仏教がインドから中国へ伝わり、中国で天台宗へと発展、そして最澄が日本に持ち帰り日本天台宗として開祖・布教する歴史から生まれた高僧たちが9人。そして僧侶ではないものの、この内一人である慧思の生まれ変わりとされ、仏教を日本に広く普及させた聖徳太子が描かれた仏教絵画です。インドから2人、中国から5人、日本から3人の多国籍群ですね。ひとりひとりにそれはもう立派な来歴があるのですが、ここではとても語りつくせないので割愛させていただきます。
 こうした宗教的な価値に加え、美術的な価値もあります。千年近くの時を経ているので本紙はそれなりに傷んでいるのですが、立体感をもって描かれた衣、その衣に描かれた細やかな文様など、鮮やかで瑞々しい色彩は非常に状態よく今日に伝わっています。色をただ再現するだけではなく、この質感や迫力まで写すことができるのがコロタイプの真骨頂。弊社にとって久しぶりの大規模複製案件とあって、気合いに満ち満ちてスタートしました。

■制作工程のご紹介

ここから、写真撮影→製版→校正刷→原本照合→印刷→補彩→軸装の工程順にレポートしていきます。

一乗寺_撮影
 
 まずは原本の撮影です。精度の高い写真原稿あっての複製ですので、今回は8×10インチの大判ポジフィルムによるアナログ撮影を採用しました。最新のデジタルカメラでもこの大判ポジフィルムの持つ情報量には及ばないとされています。アナログで高精度な文化財撮影ができることも弊社製の複製の大きな強みです。
 前述の通り3つの館に分かれて寄託されているため、それぞれの館を訪ねて撮影しました。

写真左:東京国立博物館での撮影前準備の様子(慧文禅師)。本紙には触れませんが、浮きや折れを抑えるために裂には触ります。学芸員の先生が見ている中での作業、緊張します。
写真右上:奈良国立博物館での撮影風景(湛然)
写真右下:同、撮影の隣でコロタイプ技師による原本チェック(龍樹菩薩)。国宝に大接近!有り得ない近さ!文化財複製に携わる者の特権です。

一乗寺_製版

 撮影した写真をデータとして取り込んで分色、刷り重なったものを想像しながら製版していきます。一色ごとに版が必要ですので一色ずつ製版が必要です。今回一幅あたり10色のインキ(!)を使いましたので、製版チーム総出で80色分作業しました。

写真左上:製版作業の様子。いらない部分を塗り込んで色を取り出しています。これを使用する色の数だけやらないといけません。気が遠くなるような作業です。
写真右上:聖徳太子のネガフィルム。ネガなので分かりづらいですが、これは下地の墨(ブラック)の版です。出来上がったネガフィルムは、感光材を含んだゼラチン液が塗布されたガラス板と密着露光され、コロタイプの版になります。
写真左下:版振りの様子。一番大きな72×125cmのガラス板ですので一人ではとても振れません。
写真右下:露光の様子

一乗寺_校正刷jpg

 版を機械にセットし、いざ本機・本紙での校正刷です。DAXと呼んでいる大型プレス機で刷り重ねていきます。

写真左:露光の終わった版(円仁のオレンジ版)
写真中:DAXにセットされた聖徳太子のスミ版
写真下:7色目の青を刷った直後の聖徳太子

チェック一乗寺_校正

 更なるクオリティを求め、刷り上がった校正紙を携えてもう一度寄託先の3館にお邪魔し、原本との照合を行いました。

写真左:奈良国立博物館で原本との照合(聖徳太子)。いいところまではきているものの、比較すると修正点が山ほど出てきます。
写真右:大阪市立美術館で原本との照合(灌頂)

一乗寺_本刷

 持ち帰ったものをレタッチして本番の印刷に臨みます。特色インキの調合や刷り位置合わせなど、通常の印刷以上に気を付けながら進めましたので、1日に2色刷るのがやっとでした。

写真:聖徳太子本刷の様子

一乗寺_補彩

 予定ではそのまま補彩に進むつもりでしたが、奈良国立博物館のご厚意により、もう一度原本との照合を許していただけました。補彩をお願いする日本画家集団、川面美術研究所の皆さんと一緒に三度目の奈良博です!
 奈良国立博物館での原本照合を踏まえて、他の幅も補彩していきます。コロタイプでは出にくい胡粉の白色や明るい赤色を中心に筆を入れてもらいました。これによって更に立体的になり、原本に近づきます。

写真上:帆最後、原本と並べた様子。大きさ以外は見分けがつかない程のクオリティまでもっていくことができました。
写真下左:原本保護のため部屋の外で彩色しています。
写真下右:川面美術研究所の工房での作業風景(灌頂)

 補彩が終わった本紙は順に表装していきます。昭和の複製と似た裂を選び、同じ形態の三段表具(行の行)に軸装します。手がけるのはもちろん京表具の職人さんです。

一乗寺_表具

軸装の内、付け回しの作業風景(龍樹菩薩)

完成写真_1
「国宝 聖徳太子及び天台高僧像」のうち今回完成した複製八福

 そして先日、遂に今回複製した全八幅が完成しました!作業開始から実に10ヶ月のことです。実に壮観です!10ヵ月をこの複製に捧げた私にとっては感無量の瞬間でした。

 そして、冒頭で紹介した通り、一乗寺様において「国宝 聖徳太子及び天台高僧像」複製完成を記念して、全十幅が公開されます。普段非公開の「常行堂」を開帳され、堂内がこの複製で荘厳されました。

展示風景2
常行堂内で本複製で荘厳された様子

 期間は11月14日(土)から11月23日(月・祝)まで。入山料は500円です。
住所:兵庫県加西市坂本町821-17
拝観時間:8:00-17:00
西国三十三所巡礼の旅 HP 一乗寺
https://www.saikoku33.gr.jp/place/26
 インドから中国を経て日本へと伝わった仏教・天台宗の法灯を、インドから将来した法道仙人が開いた天台宗の名刹一乗寺で感じてみてはいかがでしょうか。


横浜の名勝三溪園で開催中! 襖絵の原本・コロタイプの見比べができます!

Posted by takumi suzuki on 28.2020 【今日のコロタイプ】    0 comments   0 trackback
企画展「臨春閣-建築の美と保存の技-」
@三溪記念館 2020年10月15日(木)〜12月20日(日)

並置(小) 1 (2)

 こんにちは。便利堂の藤岡です。
今回は、横浜の国指定名勝三溪園(三溪記念館)で開催中のコロタイプ複製に関連した企画展のお知らせです。
伝狩野永徳「芦雁図」襖絵4面の原本とコロタイプが並べて展示されるという、複製が完成して以来、初のこころみです。職人技の粋を集め、できる限り最高の複製をつくるべく、日々精進していますが、こうして原本と並べて展示されてご覧いただくことは、大変ありがたいことであるとともに、反面アラが露呈しないかとドキドキします。(手前が原本、奥が複製)

三溪園内苑1

 本題に入る前にすこし長めの前口上を・・・
 三溪園は、明治から大正時代にかけて生糸の貿易で財をなした実業家・原三溪が造り上げ、明治39年(1906)5月に一般公開されました。広大な園内には、京都や鎌倉などから移築された歴史的に価値の高い建造物(数寄屋・茶室・仏殿・塔・門など)を配し、10棟が国重要文化財に、3棟が横浜市有形文化財に指定されています。
 そのなかに臨春閣(重文)という建物があります。もとは紀州徳川家の別荘と考えられる御殿を移築したもので、内部は繊細優美な意匠が随所にみられ、また狩野派を中心とする障壁画が多数描かれています。

臨春閣内
コロタイプ複製の障壁画が貼り込まれた臨春閣内部

 現在臨春閣で貼り込まれている障壁画、じつはコロタイプによる複製なんです! 日本の伝統建築は内と外の区分けが明確でなく、障壁画など装飾調度品は、多かれ少なかれ、外気にさらされているといえます。臨春閣の障壁画も、経年による傷みが激しく、複製に取り替える話がもちあがると、原本(オリジナル)を忠実に再現し、そうした環境下でも永年にわたり品質を保持することができる便利堂のコロタイプが、複製技法に選ばれたのです。耐候性にすぐれた手漉き和紙(越前鳥の子紙)ときわめて相性がよいのも、コロタイプのおおきな特徴のひとつです。

DSC_0897.jpg
原寸撮影されたアナログフィルム(これがそのままコロタイプの版となります)

 そうして平成3年(1991)臨春閣内部の襖と壁面に描かれた水墨画約100点の複製に着手します(30年ちかく前の話ですね・・・)100点といっても、たとえば襖1面を写真を撮影するにも、原寸で撮影するため1カットでは済みません。もちろん、複製もそれに合わせて分割で制作しますので、撮影、印刷ともに膨大なカット数、台数(=版数・紙数)にのぼります。

 撮影では、スケジュールを第一次と第二次に分け、コロタイプ用分解撮影(大全サイズ)202カット×2色、896カット×1色、および色見用カラーポジ(8×10)撮影108カットにのぼりました。写真部の「作業記録」によると、第一次撮影は平成3年9月10日〜21日、第二次撮影が平成4年5月29日〜6月12日となっていますから、あわせて25日以上かかっています。「大全サイズ」ということは、いわゆる「大判フィルムによるアナログ撮影」であり、原寸撮影ができるコロタイプ用のタテ型カメラが出張しています(タテ型カメラについては→ http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-category-6-2.html)。

DSC_0898 1
撮影されたフィルム(大全サイズ)

 コロタイプ印刷のほうでは、時間・予算がかぎられたなか、工夫をしていて、複製をAとBふたつの方式に分けて作業進行しています。当時のメモによると、A方式は「原本を原寸大で2色撮影し、スミ版および地色版を製版し、印刷する。原本は料紙の破損・汚れ・シミ等がひどく、これらの原本の通りには表現しないという基本的な三溪園のご方針に沿って進め」、B方式は「原本を(同じく原寸で)スミ版のみ1色撮影し、地色版は(傷・汚れ・補修のあとを抹消するために)それぞれにベタ刷りで印刷した上にスミ版を印刷し、他の色は(地色の調子もふくめて)全体を着彩して表現する」とあります。

補彩2
現地における補彩作業(当時) 原本を前にして作業を行います

 デジタル製版できる現在では、シミ・傷・汚れなどはある程度まで容易に修正することができますが、この当時のアナログフィルムにおける修正は簡単なことではないので、撮影前にきっちりと製版・印刷の方針を組み立てないといけません。また、三溪園さんのご意向としては、現状の傷みは再現せず、きれいめに、そして部分によっては描かれた当時の復元を望まれていたようです。そのような加減ができるのも、複製ならではといえるでしょう。

補彩1
複製の貼りこみ作業(当時)
 
 さらに、そこから襖仕立てと壁面張り込み作業がありますので、すべての完了は平成6年秋。じつに3年以上の歳月をかけた大事業でした。文化財(原本)を護るとともに、ひろく公開にも耐えうる、まさにコロタイプによる文化財複製の意義がもっとも活かされた仕事といえます。


IMG_4103.jpg

 さて、本題です。
 この臨春閣が現在、屋根の葺き替えと耐震補強の工事を行っています。これに伴い、コロタイプ障壁画はいったん取り外されることになりました。壁画のほうは捲り取り、京都に持ち帰って軽くクリーニングをおこなったうえで(おおきな傷みはみられませんでした)工事完了後に再度張り戻すことになりました。作業にあたるのは、襖仕立てと貼り込み作業をお願いした職人さんたち。30年近くを経て代替わりしていますが、先代さんもお元気で、現地作業に参加してくれています! 

IMG_7609.jpg
複製の取り外し作業

 本来ならそろそろ貼り戻し作業にかかり、来年2月頃にはすべて完了する予定でしたが、コロナの影響で工事じたいが大幅に延期され、元の場所にもどったコロタイプ障壁画がみられるのは、もうすこし先になりそうです。とはいえ、三溪園さんがこうして大切に、原本同様に取り扱ってくださっているのは大変ありがたいですね。

原本(小)_1
原本

コロタイプ(小)_1
複製

 またこの間、屋内のその他の欄間や装飾品も取り外し、状態の良くないものは修理を施したうえで、臨春閣に戻す前に、三溪記念館で特別公開されます。今回、便利堂も修復のお手伝いをさせてもらいました。その他、臨春閣が大阪にあったころに描かれた図面や、臨春閣購入の経緯を示す資料など珍しいものもみられるそうです。
 そして、伝狩野永徳「芦雁図」襖絵4面の原本とコロタイプが並べて展示されることとなりました。これまでも原本は記念館で保管され、順番に展示公開されているのですが、こうして複製と並べられるのは初めてとのこと。

 三溪園学芸員の北泉剛史さんからもコメントを寄せてもらいました。
「今回の展示は、臨春閣が大規模に保存修理工事を行っているからこそ、現地から取り外して展覧会として開催できるものです。今後、再びそれぞれの装飾品を現地から取り外してお披露目できる機会は、間違いなく二度とありませんし、こういった展覧会ができるのは、まさに三溪園ならではです。またコロタイプ印刷は、技術そのものが文化財に値するものですし、今回の展覧会の主旨・副題でもあります『保存の技』であると思っています」

 そういえば、日本画家の山口晃さんも、共著書の企画で臨春閣のコロタイプ障壁画を間近に見て、4コマ漫画に「ぜんぜん解らない。すごい出来だ」と語ってくれています。「原本の通りには表現しない」方針でつくられた複製でも、コロタイプなら本物にみえる!ということで。。ちょっとドキドキしますが、ぜひ足を運んでください! 12月20日まで。


重要文化財保存修理事業記念
企画展「臨春閣-建築の美と保存の技-」
会場:三溪記念館(横浜市中区本牧三之谷58-1 三溪園内)
会期:2020年10月15日(木)〜12月20日(日)
時間:9:00〜17:00(入場は16:30まで)
観覧料:無料(三溪園入園料でご覧いただけます)
交通:JR根岸線根岸駅からバスで10分「本牧」下車、徒歩10分/横浜駅東口、桜木町駅などからバスで「三溪園入口」下車、徒歩5分
https://www.sankeien.or.jp/


楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」

Posted by takumi suzuki on 27.2020 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
Eye on the Great Wall ---Collotype Works by Yang Yue Luan

楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」3

2020年9月19日 – 10月18日@便利堂コロタイプギャラリー
11:00-17:00 会期中無休

KG_ロゴ


■ごあいさつ
春秋戦国時代に建設された、いわゆる「万里の長城」は、もともと北方の異民族が侵攻してくるのを防ぐために造られました。その後、数々の王朝によって修築と移転が繰り返されてきましたが、二千年以上経った今もなお中国の大地にその姿をとどめています。楊越巒(ヤン・ユエルアン)は、そのような長城の姿だけを10年にわたって撮影し発表してきました。楊氏の日本での初個展となる本展では、長城のあらゆる表情を撮影してきた氏の十万枚以上にわたる「Wild Great Wall」シリーズの中から、代表的な作品をコロタイププリントで展観します。新疆ウイグル自治区の砂漠の上やハイウェイが通る開発地区など、様々な場所で写されコロタイプで表現された楊氏による写真から、無限の解釈を持つ「万里の長城」の姿をお楽しみください。


■楊越巒(Yang Yue Luan)

楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」2

現在中国写真家協会の副会長、河北写真家協会の会長兼事務局長。ここ10年、彼は中国の万里の長城の撮影に専念し、『中国・野生の万里の長城』というモノグラフを発表している。万里の長城の写真作品は、国内外の多くの写真祭やアートギャラリーで展示される他、多くの美術機関や個人によってコレクションに収蔵されている。「阜平・中国風景撮影大展」の審査員7人のうちの一人としても活動する。


■シリーズ「Wild Great Wall」

楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」6

楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」1

楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」8
① 河北省-山海関区 2013.01 ② 河北省-撫寧区 2011.10 ③ 河北省-懐来県 2019.02 ④ 河北省-山海関区 2011.04  

楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」5
⑤ 河北省-淶源県 2009.09 ⑥ 山西省-山陰県 2013.07 ⑦ 河北省-遷安区 2010.04

楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」4
⑨ 山西省-河曲県 2019.02 ⑧ 青海省-大通県 2014.07 ⑩ 山西省-平魯区 2013.10
   
   
■コロタイプとしての今回の取り組み
「コロタイプ(Collotype)」とは19 世紀中頃にフランスで発明された古典写真印画技法のひとつで、便利堂は明治38(1905)年にこの技術を導入しました。現在は他の印刷技術の台頭などにより世界的にも希少な技法となってしまいましたが、便利堂の工房では精緻で深みある表現を得意とするコロタイプを、技術開発を繰り返しながら続けています。

取り組み①:平台プレス機による手刷りプリント、およびその最大寸法へのチャレンジ

今回展示している写真もその成果を結集したものです。その取り組みの一つは、ギャラリーから見える工房に設置された円圧式の動力プレス機ではなく、下のような一般の版画用のプレス機を用いプリントしました。より一枚一枚のプリントに対して向き合える一方、円圧式よりもさらに仕上げられる枚数が限られてきます。

平台プレス機

また、円圧式は何度も刷重ねることができますが、平台式は刷重ねの見当合わせが非常に難しく、今回は1度刷で行っており、その1度刷でもここまでの力強さを表現できるところがこの方式の魅力といえるでしょう。10作品のうち8点をこの方式で行い、さらに現在設備されているプレス機でプリントできる限界に挑戦しました(42×63.5cm)。(大きな2点:作品サイズ61×83cmは、工房にある円圧式プレス機で可能な最大サイズ:短辺60×120 cmを用いた)

取り組み②:環境に優しい薬品への代替による「便利堂エコプロジェクト」

benrido_eco_project1.jpg

便利堂は現在、「便利堂エコプロジェクト」を立ち上げ、地球環境と事業活動の調和を目指し、商品の開発・生産・販売を通じて、環境負荷の低減および環境保護のための様々な活動を積極的に推進しています。コロタイプにおいてもこの観点で課題に取り組んでおり、その一つが無害な薬品への転換です。この8点は、従来の「重クロム酸塩」に替わって、近年研究を進め独自開発を行ってきた環境に優しいDIAZO系感光剤「DAS Photosensitizer」を使用した版で制作しています。DASについて詳しくはこちら



楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」
2020年9月19日 – 10月18日@便利堂コロタイプギャラリー
11:00-17:00 会期中無休


第8回「コロタイプ手刷りプリントのおもしろさ」展、本日より!

Posted by takumi suzuki on 24.2020 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
今年も無事開催できました!

社員ワークショップ_8_6_2

便利堂コロタイプギャラリー
会期:2020年6月23日(火)~7月3日(金) 13:00~17:00
休廊:土・日曜日、6月30日(火)

皆さん、こんにちは! 毎年6月下旬より開催の、「コロタイプ手刷りプリントのおもしろさ」展を今年も開催いたします。本日より始まる展示の見どころをご紹介いたします!

社員ワークショップ_8_1

そもそもコロタイプとは古くからある、写真を印刷するための技法のことで、その精緻な表現力から文化財の複製や、作家の作品作りなどに用いられています。便利堂では、明治38年頃からコロタイプ印刷を導入して以降、その魅力をより多くの人に知ってもらうため、国内外に広く発信をしています。

社員ワークショップ_8_6_1

しかし、コロタイプ技術の魅力を発信していくためには、単に技術の知識を持つだけでなく、社員自らがコロタイプを実践することで、印刷の難しさや技師の技術力、そしてなによりも自分で満足できる作品を刷り上げたときの高揚感を体験することが大切です。そのような理由から、それぞれが撮影した写真を持ち寄り、年に1回社内でコロタイプワークショップを行い、創立記念日の7月1日頃に展覧会を開催しています。早くも今年で第8回目を迎えます! そしておかげさまで創業134年目の年を迎えます!

↓過去の作品づくりの様子はコチラ↓
第1回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-32.html
第2回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-66.html
第3回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-86.html
第4回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-99.html
第5回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-109.html
第6回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-114.html
第7回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-123.html

社員ワークショップ_8_6_5

しかしながら、今年はこのような世界的な状況を受け、展覧会はもちろんのことワークショップ自体、開催すべきか検討してきました。来場される方や社員のことを考えると、中止という判断もありましたが、国内では少しずつ落ち着き社会もようやく再開し始めたという点や、こういう状況だからこそ楽しいことがしたいという思いで、安全を十分に確保した上で、希望者による参加の開催を決定しました。

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例えば、いつもは便利堂のコロタイプ研究所で社員が集まり、部署の垣根を越えてわいわい賑やかにワークショップをしていましたが…。今年は、ワークショップを行うのは1回に3人までとして、1人1時間の制限を設けて、マスクをしたうえで換気もおこない、取り組むなど十分に対策をおこないました!

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そのような中でも、昨年よりチャレンジし始めた、多色のインクを用いたプリントを今年も実施。今回は、基本となる黒を初め、青と茶色を含めた3色でおこないました。たかが3色と思われるかもしれませんが、コロタイププリントの面白いところはまさにここ!3色だけのインクでも、組み合わせるインクの量や刷り具合によって、色の深みが全く異なり、様々な色合いが現れます。

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こうして行ったワークショップは、毎年参加している社員はもちろんのこと、昨年入社した社員などはコロタイプの仕組みの理解につながったようで、例年以上に楽しくプリントしていました。また、準備をするコロタイプ技師にも新人が入り、人に教えることで自ら学ぶことができるなど、改めてこのイベントの良さを感じました! いろいろ制限なあるなかでの実施でしたが、マスクでも隠し切れない楽しい笑顔のあふれるワークショップとなりました。

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毎年開催しているこのイベントは、社員限定のものですが、一般の方やアーティストの方でも気軽に参加できる便利堂コロタイプアカデミーを年に数回開催しています! 様々なサイズのプリントを試すことができますし、コロタイプマイスター山本が分かりやすく、楽しく教えてくれますので、ご興味の方は是非ご参加ください!

詳しくはコロタイプ・アカデミーのサイトをご覧ください。
www.academy.benrido-collotype.today

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例年、技術が向上している「コロタイプ手刷りプリントのおもしろさ」展ですが、今回はより一層、作品にそれぞれの思いが込められているように感じています。文化財もアートも、作り手の想いが見えたとき、その魅力を一層感じられますが、本展の作品も作者が見える、素敵な作品が多くあります。刷り上がり方はもちろんのこと、ぜひ写真そのものやタイトルなどにも注目をしてみてください!

社員ワークショップ_8_7

また、例年同様、出展作品の中から、社員と来場者の投票で優秀作品を決定いたします。見事受賞した人には、便利堂創立記念式典(7月1日)で表彰される予定です。お越しいただいた方も、ぜひお気に入りの作品に投票してみてくださいね! 投票期間は6月29日まで。 それでは会場でお待ちしております! 



第8回「コロタイプ手刷りプリントのおもしろさ」展

便利堂コロタイプギャラリー
京都市中京区新町通竹屋町下ル弁財天町302番地

会期:2020年6月23日(火)~7月3日(金) 13:00~17:00
休廊:土・日曜日、6月30日(火)

コロタイプギャラリー「パンダアカデミーきょうと 作品展」開催!

Posted by takumi suzuki on 22.2020 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
こどもたちの楽しい作品を一堂に展観! コロタイプ作品も!
2020年2月22日—24日 11:00-17:00(最終日は16:00)@便利堂コロタイプギャラリー

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この3連休、便利堂コロタイプギャラリーでは🐼「パンダアカデミー」×😸「コロタイプアカデミー」のとっても楽しい作品展が開催されます!

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便利堂から新町通りを100m下がったご近所に🐼「パンダアカデミー 本校」さんがあります。
🐼パンダアカデミーさんは、こどもたちの感性を育むなら美術に特化した放課後等デイサービス活動をされています。
「臨床美術士」「小、中、高の美術教師」「美術大学講師」「彫刻家」「造形作家」「デザイナー」といった分野の専門のアートスタッフのみなさんが、毎日こどもさんたちのアート活動をバックアップされています。
www.biwako-panda.com

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小中高生のみなさんが🐼パンダアカデミーさんで制作した作品展の第3回が、このたび😸コロタイプギャラリーで開催いただくことになりました。

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ギャラリー内は、いつになくカラフルな空間となっています。絵画作品から立体作品まで、ユニークで楽しい、見ごたえのある作品が所狭しと展観されています。

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こどもたちが😸コロタイプアカデミーのワークショップに参加して制作したドローイングのコロタイプ作品(上掲写真)も好評展示中! 自由な発想で従来のコロタイプのイメージを一新するような色づかいが印象的です。

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手間暇をかけて磨き上げた大理石の立体作品も。展示された作品はいずれも完成度高いです。

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独創的なわりばしアート越しにみる工房も新鮮です。

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期間中は、🐼親子アート体験会:美術を通した交流の場(ご家族、お知り合いどうし):申込不要/無料 🐼ご利用相談会:ご利用者とご家族以外でもパンダアカデミーに関心のあるみなさまのご相談会、が開催れます。

連休中は、ぜひ😸コロタイプギャラリーにお越しください!

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パンダアカデミーきょうと 第3回本校/御所南校合同作品展

2020年2月22日—24日 11:00-17:00(最終日は16:00) 入場無料

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プロフィール

takumi suzuki

Author:takumi suzuki
【コロタイプの過去・現在・未来。創業明治20年の京都 便利堂が100年以上にわたって続けているコロタイプ工房より最新の情報をお届けします】
Japanese:www.benrido.co.jp
English:www.benrido-collotype.today

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