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コロタイプギャラリー常設展示「高松塚古墳壁画と撮影」好評開催中!

Posted by takumi suzuki on 01.2021 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
ブックレット『壁画発見四十五年記念 高松塚古墳壁画撮影物語』も刊行!
会期:4月上旬ごろまで @便利堂コロタイプギャラリー 入場無料

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皆さん、こんにちは! 今回は2月から公開を始めました便利堂コロタイプギャラリー常設展示の概要と、それに関連したブックレットのご紹介をいたします!

高松塚古墳壁画_7
便利堂ブックレット叢書02
『壁画発見四十五年記念 高松塚古墳壁画撮影物語』

コロタイプギャラリーは、年に数回、企画展の開催時に開廊してまいりましたが、本年より常設展示を設け、通年を通してコロタイプギャラリーを楽しんでいただける取り組みを始めました! 明治20年に創業し、これまで数多くの文化的事業をおこなってきた便利堂の活動をより多くの方に知っていただくため、所蔵する資料類などをもちいた常設展示によって、便利堂の歴史や工房の技術、最新の成果をご紹介していこうというものです。その第1期として、今回は「高松塚古墳壁画撮影事業」を展観いたします!

高松塚古墳壁画_3
高松塚古墳壁画コロタイプ複製(西壁女子群像部分)

来年で発掘から50周年を迎える高松塚古墳壁画は、昭和47年3月21日に発見されました。その壁画を翌22日と24日に石室に入って撮影したのが便利堂です。発見のニュースは“飛鳥美人”の名で全国のみならず世界に広まり、壁画は多くの人に親しまれることとなりましたが、のちに保存環境の影響で損傷を受けてしまいました。そのような経緯からも、発掘直後の壁画の極彩色が鮮明にうつし遺されたこの写真は大変貴重で、文化財写真史における代表的な資料の1つといえます。
→高松塚古墳壁画撮影事業と原寸大コロタイプ複製について詳しくはこちら

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高松塚古墳壁画コロタイプ複製(西壁と東壁)

本展では、その5×7ポジフィルムから作成したデュープと、実際に使用された撮影機材、そして壁画発見45周年を記念して2017年に制作した原寸大コロタイプ複製、ならびに撮影時の状況を再現した模型を展示いたします。厳しい条件のなかで撮影した写真技師の苦労や高い技術はもちろんのこと、今は見ることができない壁画の色彩を忠実に再現した本複製の「色」にも注目してみてください。

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壁画撮影時の状況を再現した模型も展示中

また、便利堂では昨年末に、この昭和47年の発掘と撮影にまつわる秘話をまとめたブックレット『壁画発見四十五年記念 高松塚古墳壁画撮影物語』を刊行いたしました! 本書では、当時奈良県側の担当をされた元橿原考古学研究所長の菅谷文則氏と、実際に撮影をした元便利堂写真技師の大八木威男氏による文章を掲載。そして、壁画の美術史的価値を東京藝術大学客員教授の有賀祥隆氏に、最新の古墳調査成果を元文化庁古墳壁画対策調査官の建石徹氏に執筆いただいています!

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菅谷氏(右)と大八木氏 

さらに2017年に便利堂コロタイプギャラリーで開催された菅谷氏と大八木氏による対談の内容も収録するなど、「世紀の発見」と言われた高松塚古墳壁画発掘と撮影の経緯を知る上で、大変貴重な1冊となっています。便利堂のオンラインショップでもご購入いただけますので、展示を見に行けないという方などは、ぜひこちらをご覧下さい!

便利堂ブックレット叢書02
『壁画発見四十五年記念 高松塚古墳壁画撮影物語』
サイズ:B5判、40頁
定価:900円(税抜)
2020年12月10日刊行
ISBN:978-4-89273-110-5 →本書について詳しくはこちら

高松塚古墳壁画_88

2021年2月24日(水)付けの朝日新聞夕刊紙面では、これらの内容を紹介した記事を掲載いただきました。撮影後の報道関係者によるフィルムを巡る争奪戦に直接関係した(!)朝日新聞社さんに、49年経った今、改めてご紹介いただくということで、取材を担当された朝日新聞の記者さんも、便利堂の担当者も何だか不思議な心持ちでした…(もちろん良い雰囲気の取材でした!)。→掲載の記事についてはこちら

本店 1

また、ギャラリーのある便利堂本社1Fには便利堂の商品を取りそろえた「京都便利堂本店」も営業中! あわせてお楽しみいただけると幸いです。

高松塚古墳壁画_1

発掘ならびに撮影から半世紀が経とうとしている今だからこそ語ることができる高松塚古墳壁画の撮影事業、それらをご紹介した本展ならびに本書をきっかけに、“文化財写真”の重要性をより身近に感じていただき、またあわせて便利堂の工房の歴史と技術にも興味を持っていただけましたら幸いです!

【開催概要】
便利堂コロタイプギャラリー常設展示「高松塚古墳壁画と撮影」
現在開催中~4月上旬ごろまで開催予定
時間:10:00-17:00(平日12:00~13:00、土日祝日はお休み)
入場:無料
場所:便利堂コロタイプギャラリー
(京都市中京区新町通竹屋町下ル弁財天町 302)


楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」

Posted by takumi suzuki on 27.2020 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
Eye on the Great Wall ---Collotype Works by Yang Yue Luan

楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」3

2020年9月19日 – 10月18日@便利堂コロタイプギャラリー
11:00-17:00 会期中無休

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■ごあいさつ
春秋戦国時代に建設された、いわゆる「万里の長城」は、もともと北方の異民族が侵攻してくるのを防ぐために造られました。その後、数々の王朝によって修築と移転が繰り返されてきましたが、二千年以上経った今もなお中国の大地にその姿をとどめています。楊越巒(ヤン・ユエルアン)は、そのような長城の姿だけを10年にわたって撮影し発表してきました。楊氏の日本での初個展となる本展では、長城のあらゆる表情を撮影してきた氏の十万枚以上にわたる「Wild Great Wall」シリーズの中から、代表的な作品をコロタイププリントで展観します。新疆ウイグル自治区の砂漠の上やハイウェイが通る開発地区など、様々な場所で写されコロタイプで表現された楊氏による写真から、無限の解釈を持つ「万里の長城」の姿をお楽しみください。


■楊越巒(Yang Yue Luan)

楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」2

現在中国写真家協会の副会長、河北写真家協会の会長兼事務局長。ここ10年、彼は中国の万里の長城の撮影に専念し、『中国・野生の万里の長城』というモノグラフを発表している。万里の長城の写真作品は、国内外の多くの写真祭やアートギャラリーで展示される他、多くの美術機関や個人によってコレクションに収蔵されている。「阜平・中国風景撮影大展」の審査員7人のうちの一人としても活動する。


■シリーズ「Wild Great Wall」

楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」6

楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」1

楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」8
① 河北省-山海関区 2013.01 ② 河北省-撫寧区 2011.10 ③ 河北省-懐来県 2019.02 ④ 河北省-山海関区 2011.04  

楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」5
⑤ 河北省-淶源県 2009.09 ⑥ 山西省-山陰県 2013.07 ⑦ 河北省-遷安区 2010.04

楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」4
⑨ 山西省-河曲県 2019.02 ⑧ 青海省-大通県 2014.07 ⑩ 山西省-平魯区 2013.10
   
   
■コロタイプとしての今回の取り組み
「コロタイプ(Collotype)」とは19 世紀中頃にフランスで発明された古典写真印画技法のひとつで、便利堂は明治38(1905)年にこの技術を導入しました。現在は他の印刷技術の台頭などにより世界的にも希少な技法となってしまいましたが、便利堂の工房では精緻で深みある表現を得意とするコロタイプを、技術開発を繰り返しながら続けています。

取り組み①:平台プレス機による手刷りプリント、およびその最大寸法へのチャレンジ

今回展示している写真もその成果を結集したものです。その取り組みの一つは、ギャラリーから見える工房に設置された円圧式の動力プレス機ではなく、下のような一般の版画用のプレス機を用いプリントしました。より一枚一枚のプリントに対して向き合える一方、円圧式よりもさらに仕上げられる枚数が限られてきます。

平台プレス機

また、円圧式は何度も刷重ねることができますが、平台式は刷重ねの見当合わせが非常に難しく、今回は1度刷で行っており、その1度刷でもここまでの力強さを表現できるところがこの方式の魅力といえるでしょう。10作品のうち8点をこの方式で行い、さらに現在設備されているプレス機でプリントできる限界に挑戦しました(42×63.5cm)。(大きな2点:作品サイズ61×83cmは、工房にある円圧式プレス機で可能な最大サイズ:短辺60×120 cmを用いた)

取り組み②:環境に優しい薬品への代替による「便利堂エコプロジェクト」

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便利堂は現在、「便利堂エコプロジェクト」を立ち上げ、地球環境と事業活動の調和を目指し、商品の開発・生産・販売を通じて、環境負荷の低減および環境保護のための様々な活動を積極的に推進しています。コロタイプにおいてもこの観点で課題に取り組んでおり、その一つが無害な薬品への転換です。この8点は、従来の「重クロム酸塩」に替わって、近年研究を進め独自開発を行ってきた環境に優しいDIAZO系感光剤「DAS Photosensitizer」を使用した版で制作しています。DASについて詳しくはこちら



楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」
2020年9月19日 – 10月18日@便利堂コロタイプギャラリー
11:00-17:00 会期中無休


第8回「コロタイプ手刷りプリントのおもしろさ」展、本日より!

Posted by takumi suzuki on 24.2020 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
今年も無事開催できました!

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便利堂コロタイプギャラリー
会期:2020年6月23日(火)~7月3日(金) 13:00~17:00
休廊:土・日曜日、6月30日(火)

皆さん、こんにちは! 毎年6月下旬より開催の、「コロタイプ手刷りプリントのおもしろさ」展を今年も開催いたします。本日より始まる展示の見どころをご紹介いたします!

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そもそもコロタイプとは古くからある、写真を印刷するための技法のことで、その精緻な表現力から文化財の複製や、作家の作品作りなどに用いられています。便利堂では、明治38年頃からコロタイプ印刷を導入して以降、その魅力をより多くの人に知ってもらうため、国内外に広く発信をしています。

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しかし、コロタイプ技術の魅力を発信していくためには、単に技術の知識を持つだけでなく、社員自らがコロタイプを実践することで、印刷の難しさや技師の技術力、そしてなによりも自分で満足できる作品を刷り上げたときの高揚感を体験することが大切です。そのような理由から、それぞれが撮影した写真を持ち寄り、年に1回社内でコロタイプワークショップを行い、創立記念日の7月1日頃に展覧会を開催しています。早くも今年で第8回目を迎えます! そしておかげさまで創業134年目の年を迎えます!

↓過去の作品づくりの様子はコチラ↓
第1回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-32.html
第2回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-66.html
第3回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-86.html
第4回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-99.html
第5回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-109.html
第6回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-114.html
第7回:http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-123.html

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しかしながら、今年はこのような世界的な状況を受け、展覧会はもちろんのことワークショップ自体、開催すべきか検討してきました。来場される方や社員のことを考えると、中止という判断もありましたが、国内では少しずつ落ち着き社会もようやく再開し始めたという点や、こういう状況だからこそ楽しいことがしたいという思いで、安全を十分に確保した上で、希望者による参加の開催を決定しました。

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例えば、いつもは便利堂のコロタイプ研究所で社員が集まり、部署の垣根を越えてわいわい賑やかにワークショップをしていましたが…。今年は、ワークショップを行うのは1回に3人までとして、1人1時間の制限を設けて、マスクをしたうえで換気もおこない、取り組むなど十分に対策をおこないました!

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そのような中でも、昨年よりチャレンジし始めた、多色のインクを用いたプリントを今年も実施。今回は、基本となる黒を初め、青と茶色を含めた3色でおこないました。たかが3色と思われるかもしれませんが、コロタイププリントの面白いところはまさにここ!3色だけのインクでも、組み合わせるインクの量や刷り具合によって、色の深みが全く異なり、様々な色合いが現れます。

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こうして行ったワークショップは、毎年参加している社員はもちろんのこと、昨年入社した社員などはコロタイプの仕組みの理解につながったようで、例年以上に楽しくプリントしていました。また、準備をするコロタイプ技師にも新人が入り、人に教えることで自ら学ぶことができるなど、改めてこのイベントの良さを感じました! いろいろ制限なあるなかでの実施でしたが、マスクでも隠し切れない楽しい笑顔のあふれるワークショップとなりました。

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毎年開催しているこのイベントは、社員限定のものですが、一般の方やアーティストの方でも気軽に参加できる便利堂コロタイプアカデミーを年に数回開催しています! 様々なサイズのプリントを試すことができますし、コロタイプマイスター山本が分かりやすく、楽しく教えてくれますので、ご興味の方は是非ご参加ください!

詳しくはコロタイプ・アカデミーのサイトをご覧ください。
www.academy.benrido-collotype.today

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例年、技術が向上している「コロタイプ手刷りプリントのおもしろさ」展ですが、今回はより一層、作品にそれぞれの思いが込められているように感じています。文化財もアートも、作り手の想いが見えたとき、その魅力を一層感じられますが、本展の作品も作者が見える、素敵な作品が多くあります。刷り上がり方はもちろんのこと、ぜひ写真そのものやタイトルなどにも注目をしてみてください!

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また、例年同様、出展作品の中から、社員と来場者の投票で優秀作品を決定いたします。見事受賞した人には、便利堂創立記念式典(7月1日)で表彰される予定です。お越しいただいた方も、ぜひお気に入りの作品に投票してみてくださいね! 投票期間は6月29日まで。 それでは会場でお待ちしております! 



第8回「コロタイプ手刷りプリントのおもしろさ」展

便利堂コロタイプギャラリー
京都市中京区新町通竹屋町下ル弁財天町302番地

会期:2020年6月23日(火)~7月3日(金) 13:00~17:00
休廊:土・日曜日、6月30日(火)

コロタイプギャラリー「パンダアカデミーきょうと 作品展」開催!

Posted by takumi suzuki on 22.2020 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
こどもたちの楽しい作品を一堂に展観! コロタイプ作品も!
2020年2月22日—24日 11:00-17:00(最終日は16:00)@便利堂コロタイプギャラリー

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この3連休、便利堂コロタイプギャラリーでは🐼「パンダアカデミー」×😸「コロタイプアカデミー」のとっても楽しい作品展が開催されます!

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便利堂から新町通りを100m下がったご近所に🐼「パンダアカデミー 本校」さんがあります。
🐼パンダアカデミーさんは、こどもたちの感性を育むなら美術に特化した放課後等デイサービス活動をされています。
「臨床美術士」「小、中、高の美術教師」「美術大学講師」「彫刻家」「造形作家」「デザイナー」といった分野の専門のアートスタッフのみなさんが、毎日こどもさんたちのアート活動をバックアップされています。
www.biwako-panda.com

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小中高生のみなさんが🐼パンダアカデミーさんで制作した作品展の第3回が、このたび😸コロタイプギャラリーで開催いただくことになりました。

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ギャラリー内は、いつになくカラフルな空間となっています。絵画作品から立体作品まで、ユニークで楽しい、見ごたえのある作品が所狭しと展観されています。

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こどもたちが😸コロタイプアカデミーのワークショップに参加して制作したドローイングのコロタイプ作品(上掲写真)も好評展示中! 自由な発想で従来のコロタイプのイメージを一新するような色づかいが印象的です。

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手間暇をかけて磨き上げた大理石の立体作品も。展示された作品はいずれも完成度高いです。

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独創的なわりばしアート越しにみる工房も新鮮です。

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期間中は、🐼親子アート体験会:美術を通した交流の場(ご家族、お知り合いどうし):申込不要/無料 🐼ご利用相談会:ご利用者とご家族以外でもパンダアカデミーに関心のあるみなさまのご相談会、が開催れます。

連休中は、ぜひ😸コロタイプギャラリーにお越しください!

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パンダアカデミーきょうと 第3回本校/御所南校合同作品展

2020年2月22日—24日 11:00-17:00(最終日は16:00) 入場無料

🐼🐼🐼🐼🐼

コロタイプギャラリー秋季企画展「エバレット・ケネディ・ブラウン光画展」のお知らせ

Posted by takumi suzuki on 31.2019 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
『日本の面影 ―― ラフカディオ・ハーンの軌跡を訪ねて』
Everett Kennedy Brown, Collotype and Collodion Exhibition: "Nihon no Omokage -- visit Lafcadio Hearn's locus"
2019/10/26 - 11/24 @便利堂コロタイプギャラリー 

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一畑薬師にある84,000体の仏像 ©Everett Kennedy Brown, 2019

こんにちは! コロタイプギャラリーの溝縁です。
台風が来たり、秋の日差しが舞い降りたり・・・なんとなく落ちつかない気候ではございますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

便利堂コロタイプギャラリーでは、10月26日(土)から11月24日(日)までの間、「エバレット・ケネディ・ブラウン光画展 日本の面影―ラフカディオ・ハーンの軌跡を訪ねて」を好評開催中です。

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今回、紹介いたしますエバレット・ケネディ・ブラウンさんは、1959年にアメリカ・ワシントンD.C.にお生まれになり、すでに30年以上、日本に在住されている湿板写真家です。活動の幅はとても広く、日本の文化やしきたり、宗教をベースに様々な研究をされています。本展ではブラウン氏が3年以上にわたり、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン 1850 - 1904)が愛した島根県出雲をテーマに、湿板写真の技法で撮影したポートレートや風景の写真シリーズを展示いたします。「日本の面影」と題されていますが、日本の原景に遡るような、つい〝懐かしい!〟と声を上げてしまいたくなるような、心が穏やかになる一枚一枚の写真は、悠久の文化の礎を私たちに改めて示してくれます。

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島根半島での浄水の儀式 ©Everett Kennedy Brown, 2017

展示をご覧になって、本当に幕末頃に撮影された古写真だと勘違いされる方もいらっしゃいますが、被写体の皆さまは紛れもなく現代の島根在住の方々です。湿板写真という写真術が発明された18世紀中頃の古典技術によってブラウン氏が撮影された作品を、同じく明治時代に多くの人に親しまれた技術であるコロタイプによってプリントすることで、あたたかみのある、まさに原風景たる「日本の面影」が立ち上がってきます。

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題字は八雲のひ孫、小泉凡氏による揮毫

このシリーズは、小泉八雲が愛でた風景へのまなざしの軌跡を訪ねて撮影された30点の作品で構成されています。30作品すべて便利堂のコロタイプマイスター山本が一枚一枚、丁寧に手刷りで仕上げたました。六代続く錦光園の油煙墨を用いて作ったブラウン氏オリジナルのコロタイプインキによるスミの濃淡によって表現され、浮かび上がる人物の表情や風景は、独自の立体感を持って迫ります。

The Historic New Orleans Collection
The Historic New Orleans Collectionのサイトより www.hnoc.org/exhibitions/seeking-open-life-photographs-lafcadio-hearn%E2%80%99s-japan

この30作品のうち26作品が、現在アメリカのThe Historic New Orleans Collectionにてラフカディオ・ハーン訪米150周年を記念した「Seeking an Open Life: Photographs of Lafcadio Hearn’s Japan」展として展示されています。

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会場風景 ©Everett Kennedy Brown, 2019

この「日本の面影」シリーズは大変好評とのことで、来年4月にはイタリア、8月にはロシアでも作品が展示されることが決まったとのことです。コロタイプギャラリーでは、うち12作品を展示しています。

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オリジナルの湿板光画 ©Everett Kennedy Brown, 2019

さて、湿板写真とはなんぞ?と思われる方も多いかもしれません。1851年に発明された古典印画技法のことで、薄いガラスの板にコロジオンという薬剤を塗布し、さらに硝酸塩をそこに化合させて感光剤をガラス面に定着、そのままカメラに装填するためのフォルダーに入れて撮影をする、という技術です。観光乳剤の表面を乾燥させずに濡れた状態のまま撮影することから「湿板(ウェット・コロディオン)」と呼ばれています。日本には幕末に技術輸入され、誰もが知っている坂本龍馬の写真も、この湿板に撮り収められています。

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塗布した薬剤が濡れているうちに撮影しないといけないため、撮影現場で暗室を組み、その場でガラス板に薬品を塗布しないといけないという、大変手間暇のかかる撮影技法です。ブラウン氏はこの湿板技法によって撮影した作品を「湿板光画」と呼んでおられます。湿板写真は、このガラス板の状態がオリジナル作品であり、黒いバックにガラス原板を置いて鑑賞します。つまりオリジナルは1点しかなく、他の撮影技法のようにプリントを焼き付けるものではないのです。そのため、展示用そしてミュージアムなどの収蔵用としてコロタイプによってプリントを制作しました。

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「日本の面影」エディションボックス 限定8セット 全30作品のコロタイププリントが納められています

プリントされた和紙の四方は風合いのある耳付き仕上げ。エディション番号と作家のサイン、便利堂のエンボスが1枚1枚施されています。

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手作りの湿板ガラスに手漉き和紙、手刷りのコロタイププリント。それらが収められた桐箱や、出雲から取り寄せた民芸紙、キュッと閉じられた真田紐までも、全てが手作りの作品。こんなに贅沢なものはないなぁと、展覧会に展示された作品を見ながら、改めてその制作過程を振り返っております。

展覧会は11月24日(日)まで開催しております!
府庁界隈まちかどミュージアムにも参加しておりますので、是非秋の1日、京都の街を散策にお越しくださいませ。

なお、展覧会に付随して開催される関連企画も盛りだくさんです! あさって2日(土)には、写真家の赤阪友昭・津田直両氏を迎えた鼎談や5日(火)にはご自身の手でコロタイプ 絵葉書を仕上げていただく企画など。どうぞ以下の情報をご確認くださいませ。
皆様のお越しをお待ちしております。

【展覧会概要】
▶︎コロタイプギャラリー秋季展

「日本の面影 ラフカディオ・ハーンの軌跡を訪ねて」
エバレット・ケネディ・ブラウン コロタイプ光画展
2019年10月26日(土)―11月24日(日)
開場:11時ー17時 ※会期中無休、入場無料
▶︎▶︎コロタイプギャラリー秋季展関連企画①

11月2日(土)
コロタイプ工房見学と3人の写真家による鼎談企画
「人間と自然、人間と風景」赤阪友昭x津田直xエバレット・ケネディ・ブラウン
13:00-14:00 鼎談参加者に向けた工房見学
14:30-16:00頃 鼎談(二部構成) 
(この日は、ギャラリーの終了が18:00の予定です。エバレットさんが鼎談後の歓談を希望されているため)
定員:先着30名
参加費:1000円(当日窓口でお支払い)
申し込み:
方法1:フライヤーにあるQRコードからフォームに入力、受信は溝縁でとりまとめ。
方法2:メール benrido.academy@gmail.comに氏名、人数、連絡先をお知らせ


▶︎▶︎コロタイプギャラリー秋季展関連企画②

11月5日(火)
府庁界隈まちかどミュージアム コロタイプ工房見学
「手刷りコロタイプ絵葉書 作ってみませんか?」
14:00-16:00 工房見学の後、アカデミーて絵葉書の手刷りを体験します。
定員:先着8名
参加費:4000円
申し込み:メール benrido.academy@gmail.comに氏名、人数、連絡先をお知らせ

プロフィール

takumi suzuki

Author:takumi suzuki
【コロタイプの過去・現在・未来。創業明治20年の京都 便利堂が100年以上にわたって続けているコロタイプ工房より最新の情報をお届けします】
Japanese:www.benrido.co.jp
English:www.benrido-collotype.today

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