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便利堂130周年記念展覧会、明日オープン!

Posted by takumi suzuki on 15.2017 【今日のコロタイプ】    0 comments   0 trackback
至宝をうつす
―文化財写真とコロタイプ複製のあゆみ―
2017. 12.16-2018. 1.28 @京都文化博物館

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Benrido 130th Anniversary Reproducing Great Treasures
A History of Cultural Properties : Benrido, Photography and Collotype Printing


 明治20年(1887)創業の便利堂は、本年7月で130周年を迎えました。それを記念し、このたび「至宝をうつす」と題した展覧会を京都文化博物館にて開催させていただく運びとなりました。法隆寺金堂壁画や高松塚古墳壁画の撮影や原寸大コロタイプ複製などの展示を中心に、明治からはじまる文化財保存の歴史の中で、文化財撮影とコロタイプ複製がどのように展開されてきたのか、便利堂のあゆみを通してご紹介できればと思っています。ようやく会場設営も終わり、いよいよ明日より公開となります。一足先に、その様子をご紹介したいと思います。展示は5つの章で構成されています。

公式HP www.benrido-130th-anniv-ex.com

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第2章の高松塚古墳壁画 原寸大コロタイプ複製と古墳内での撮影を再現した模型、設営中の様子


序章 うつす文化

日本の始原を記した歴史書や、世界に誇る古典文学・絵画。機械もない時代に、これらの作品はどのようにして伝えられてきたのでしょうか。原本そのものを大切に保管するだけではなく、中身を「うつす」ということも広く行われていました。同じ作品なのに一見すると違うものになったり、別の人が写しても似ていたり。そんな写本・模本の広がりを御覧下さい。

【主な展示作品】
日本書紀神代巻 乾元本(天理大学附属天理図書館蔵 コロタイプ複製)
重要文化財 源氏物語 大島本(古代学協会蔵 京都文化博物館寄託)
源氏物語 写本・鳥獣戯画 甲巻 模本(いずれも京都文化博物館蔵) など


第1章 文化財の写真撮影とコロタイプ複製

近代になり、わが国に写真技術が輸入されると、人の手に代わってカメラによって作品が写され、写真をもとにした複製出版物(影印本)が、より客観的に原本に近い「写本」として共有されていきます。160年前に写真印画法として発明されたコロタイプは、当時もっとも精巧に写真を印刷できる技法として、これらの出版物に用いられました。こうして、作品が写真で記録され、出版物として普及するなかで、「文化財」という概念が広く定着していくことになります。

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【主な展示作品】
國華 創刊号〜36号(國華社刊行/個人蔵)
真美大観 1巻~10巻(審美書院刊行/便利堂蔵)
大日本古文書 巻之一、巻之二(東京帝国大学刊行/京都文化博物館蔵)
法隆寺絵葉書帖 全3輯(法隆寺刊行/便利堂蔵)
〈秘籍大観〉 古写本 日本書紀(大阪毎日新聞社刊行/便利堂蔵)
貴重図書影本(貴重図書影本刊行会刊行/便利堂蔵)
看聞御記  全43巻(宮内庁書陵部刊行/便利堂蔵)
青山荘清賞 全10巻(根津美術館刊行/便利堂蔵


第2章 よみがえる至宝―法隆寺金堂壁画と高松塚古墳壁画

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昭和12年制作の法隆寺金堂壁画 原寸大コロタイプ複製とそれをプリントした印刷機(明治から戦前まで使用) 全12幅を展観します。

文化財の写真撮影として、代表的事例に挙げることができるのが昭和10年の《法隆寺金堂壁画》の原寸大撮影と昭和47年の《高松塚古墳壁画》発見時に撮影されたカラー写真でしょう。残念ながら、現在はいずれも往時の姿を伝えるのはこれらの写真のみとなっています。本章では、これらの原板から原寸大複製としてその姿がよみがえった両作品を展示します。《高松塚古墳壁画》原寸大複製は、今回初公開となります。

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高松塚古墳壁画 「西壁」 原寸大コロタイプ複製

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高松塚古墳壁画 「東壁」 原寸大コロタイプ複製
「北壁」「天井(部分)」の全4壁を展示します


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「東壁」 青龍部分 色あざやかです。

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「東壁」 男子群像部分

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組立て途中の撮影再現模型 狭い古墳室内に二人のカメラマンが

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盗掘の穴から内部をみたところ。引きがなく、ピントを合わせるのに手鏡を利用して間接的に焦点を合わせました

当時の撮影の様子についてくわしくは過去記事へ⇒こちら


第3章 コロタイプによる文化財複製の活用

こうした貴重な文化財は、大切に保存される必要がありますが、同時にわが国の文化を伝えるものとして公開が求められます。しかし貴重な文化財を気軽に公開することはできません。その矛盾を解決する一つの方策が、精巧な複製をつくることです。また万が一原本になんらかの被災があっても、原本に準ずるものが後世に残されることになるなど、複製はさまざまなかたちで活用されています。本章では、もっとも精巧な複製技法のひとつであるコロタイプでつくられた複製による活用事例をご紹介します。

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2015年便利堂が中心となって制作プロジェクトを立ちあげて完成した 風神雷神図 尾形光琳筆・夏秋草図 酒井抱一筆 両面復元屏風(京都府蔵) ⇒くわしくはこちら

【主な展示作品】
女史箴図巻 伝 顧愷之筆(大英博物館・朝日新聞社刊行)
正倉院文書 正集 第11巻(国立歴史民俗博物館)
御堂関白記 長保6年(寛弘元年)上巻(国立歴史民俗博物館蔵)
山本作兵衛炭鉱記録画(福岡県田川市蔵)
天子摂関御影 天子巻(宮内庁書陵部刊行)
花園院宸記 第23巻(宮内庁書陵部刊行)
伴大納言絵詞(筑摩書房刊行)
蒙古襲来絵詞(便利堂刊行)
臨滅度時大曼荼羅 日蓮聖人筆(日蓮宗新聞社刊行)
風神雷神図 尾形光琳筆・夏秋草図 酒井抱一筆 両面復元屏風(京都府蔵 京都文化博物館管理) など


終章 コロタイプの明日

先人が築き上げた伝統を護り、次の世代に伝えることはとても大切なことです。一方、古き良き伝統を護るだけでは伝えられないこともあります。コロタイプ技術が発明されておよそ160年。より精巧な複製制作のための新しいデジタル技術の融合による技術革新、その独特な表現力を生かした芸術作品の制作、日本文化の普及として日常生活に文化財を気軽に取り入れていただける美術商品の応用など、コロタイプに対してのさまざまな取り組みをご紹介します。

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今年で第4回を迎える「国際コロタイプ写真コンペティション《HARIBAN AWARD》」の4名の最優秀賞受賞者のコロタイプ作品をはじめ、近年取り組んでいるコンテンポラリーアートのコロタイプ作品をご紹介します

【主な展示作品】
森村泰昌 《フェルメール研究2014》 
植田正治 《砂丘》 (特別版)
山本昌男 《山本昌男ポートフォリオ》
井津建郎 《Blue》
ソール・ライター 《1950s New York》
ジャック=アンリ・ラルティーグ 《Colour》  など



12月23日には記念講演会「文化財写真と歴史学」(東京大学史料編纂所・谷 昭佳氏)が10:30分より開催されるなど、イベントももりだくさん! くわしくは公式ホームページをご覧ください!

公式HP www.benrido-130th-anniv-ex.com


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2017年12月16日(土)―2018年1月28日(日)
京都文化博物館4階

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Author:takumi suzuki
【コロタイプの過去・現在・未来。創業明治20年の京都 便利堂が100年以上にわたって続けているコロタイプ工房より最新の情報をお届けします】
Japanese:www.benrido.co.jp
English:www.benrido-collotype.today

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