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コロタイプギャラリー秋季企画展「エバレット・ケネディ・ブラウン光画展」のお知らせ

Posted by takumi suzuki on 31.2019 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
『日本の面影 ―― ラフカディオ・ハーンの軌跡を訪ねて』
Everett Kennedy Brown, Collotype and Collodion Exhibition: "Nihon no Omokage -- visit Lafcadio Hearn's locus"
2019/10/26 - 11/24 @便利堂コロタイプギャラリー 

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一畑薬師にある84,000体の仏像 ©Everett Kennedy Brown, 2019

こんにちは! コロタイプギャラリーの溝縁です。
台風が来たり、秋の日差しが舞い降りたり・・・なんとなく落ちつかない気候ではございますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

便利堂コロタイプギャラリーでは、10月26日(土)から11月24日(日)までの間、「エバレット・ケネディ・ブラウン光画展 日本の面影―ラフカディオ・ハーンの軌跡を訪ねて」を好評開催中です。

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今回、紹介いたしますエバレット・ケネディ・ブラウンさんは、1959年にアメリカ・ワシントンD.C.にお生まれになり、すでに30年以上、日本に在住されている湿板写真家です。活動の幅はとても広く、日本の文化やしきたり、宗教をベースに様々な研究をされています。本展ではブラウン氏が3年以上にわたり、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン 1850 - 1904)が愛した島根県出雲をテーマに、湿板写真の技法で撮影したポートレートや風景の写真シリーズを展示いたします。「日本の面影」と題されていますが、日本の原景に遡るような、つい〝懐かしい!〟と声を上げてしまいたくなるような、心が穏やかになる一枚一枚の写真は、悠久の文化の礎を私たちに改めて示してくれます。

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島根半島での浄水の儀式 ©Everett Kennedy Brown, 2017

展示をご覧になって、本当に幕末頃に撮影された古写真だと勘違いされる方もいらっしゃいますが、被写体の皆さまは紛れもなく現代の島根在住の方々です。湿板写真という写真術が発明された18世紀中頃の古典技術によってブラウン氏が撮影された作品を、同じく明治時代に多くの人に親しまれた技術であるコロタイプによってプリントすることで、あたたかみのある、まさに原風景たる「日本の面影」が立ち上がってきます。

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題字は八雲のひ孫、小泉凡氏による揮毫

このシリーズは、小泉八雲が愛でた風景へのまなざしの軌跡を訪ねて撮影された30点の作品で構成されています。30作品すべて便利堂のコロタイプマイスター山本が一枚一枚、丁寧に手刷りで仕上げたました。六代続く錦光園の油煙墨を用いて作ったブラウン氏オリジナルのコロタイプインキによるスミの濃淡によって表現され、浮かび上がる人物の表情や風景は、独自の立体感を持って迫ります。

The Historic New Orleans Collection
The Historic New Orleans Collectionのサイトより www.hnoc.org/exhibitions/seeking-open-life-photographs-lafcadio-hearn%E2%80%99s-japan

この30作品のうち26作品が、現在アメリカのThe Historic New Orleans Collectionにてラフカディオ・ハーン訪米150周年を記念した「Seeking an Open Life: Photographs of Lafcadio Hearn’s Japan」展として展示されています。

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会場風景 ©Everett Kennedy Brown, 2019

この「日本の面影」シリーズは大変好評とのことで、来年4月にはイタリア、8月にはロシアでも作品が展示されることが決まったとのことです。コロタイプギャラリーでは、うち12作品を展示しています。

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オリジナルの湿板光画 ©Everett Kennedy Brown, 2019

さて、湿板写真とはなんぞ?と思われる方も多いかもしれません。1851年に発明された古典印画技法のことで、薄いガラスの板にコロジオンという薬剤を塗布し、さらに硝酸塩をそこに化合させて感光剤をガラス面に定着、そのままカメラに装填するためのフォルダーに入れて撮影をする、という技術です。観光乳剤の表面を乾燥させずに濡れた状態のまま撮影することから「湿板(ウェット・コロディオン)」と呼ばれています。日本には幕末に技術輸入され、誰もが知っている坂本龍馬の写真も、この湿板に撮り収められています。

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塗布した薬剤が濡れているうちに撮影しないといけないため、撮影現場で暗室を組み、その場でガラス板に薬品を塗布しないといけないという、大変手間暇のかかる撮影技法です。ブラウン氏はこの湿板技法によって撮影した作品を「湿板光画」と呼んでおられます。湿板写真は、このガラス板の状態がオリジナル作品であり、黒いバックにガラス原板を置いて鑑賞します。つまりオリジナルは1点しかなく、他の撮影技法のようにプリントを焼き付けるものではないのです。そのため、展示用そしてミュージアムなどの収蔵用としてコロタイプによってプリントを制作しました。

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「日本の面影」エディションボックス 限定8セット 全30作品のコロタイププリントが納められています

プリントされた和紙の四方は風合いのある耳付き仕上げ。エディション番号と作家のサイン、便利堂のエンボスが1枚1枚施されています。

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手作りの湿板ガラスに手漉き和紙、手刷りのコロタイププリント。それらが収められた桐箱や、出雲から取り寄せた民芸紙、キュッと閉じられた真田紐までも、全てが手作りの作品。こんなに贅沢なものはないなぁと、展覧会に展示された作品を見ながら、改めてその制作過程を振り返っております。

展覧会は11月24日(日)まで開催しております!
府庁界隈まちかどミュージアムにも参加しておりますので、是非秋の1日、京都の街を散策にお越しくださいませ。

なお、展覧会に付随して開催される関連企画も盛りだくさんです! あさって2日(土)には、写真家の赤阪友昭・津田直両氏を迎えた鼎談や5日(火)にはご自身の手でコロタイプ 絵葉書を仕上げていただく企画など。どうぞ以下の情報をご確認くださいませ。
皆様のお越しをお待ちしております。

【展覧会概要】
▶︎コロタイプギャラリー秋季展

「日本の面影 ラフカディオ・ハーンの軌跡を訪ねて」
エバレット・ケネディ・ブラウン コロタイプ光画展
2019年10月26日(土)―11月24日(日)
開場:11時ー17時 ※会期中無休、入場無料
▶︎▶︎コロタイプギャラリー秋季展関連企画①

11月2日(土)
コロタイプ工房見学と3人の写真家による鼎談企画
「人間と自然、人間と風景」赤阪友昭x津田直xエバレット・ケネディ・ブラウン
13:00-14:00 鼎談参加者に向けた工房見学
14:30-16:00頃 鼎談(二部構成) 
(この日は、ギャラリーの終了が18:00の予定です。エバレットさんが鼎談後の歓談を希望されているため)
定員:先着30名
参加費:1000円(当日窓口でお支払い)
申し込み:
方法1:フライヤーにあるQRコードからフォームに入力、受信は溝縁でとりまとめ。
方法2:メール benrido.academy@gmail.comに氏名、人数、連絡先をお知らせ


▶︎▶︎コロタイプギャラリー秋季展関連企画②

11月5日(火)
府庁界隈まちかどミュージアム コロタイプ工房見学
「手刷りコロタイプ絵葉書 作ってみませんか?」
14:00-16:00 工房見学の後、アカデミーて絵葉書の手刷りを体験します。
定員:先着8名
参加費:4000円
申し込み:メール benrido.academy@gmail.comに氏名、人数、連絡先をお知らせ

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【コロタイプの過去・現在・未来。創業明治20年の京都 便利堂が100年以上にわたって続けているコロタイプ工房より最新の情報をお届けします】
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English:www.benrido-collotype.today

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