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便利堂創業125周年記念 明治期の絵はがきを復刻!

Posted by takumi suzuki on 19.2012 【今日のコロタイプ】    0 comments   0 trackback
明治38(1905)頃発行「京名所百景」

すいとり紙
宛名書きの余分なインクをすいとる「吸い取り紙」にコロタイプ工房の宣伝を入れて配布したもの(明治44年頃)

通行手形
御所の通行手形(裏面に「錫屋弥左衛門」の文字が見える)

 おかげさまで便利堂は本年(平成24年)創業125周年を迎えました。創業の明治20年以前は御所出入りの錫屋でしたが、明治の新しい気風の中で、今までにない斬新な文化的事業を目指し「便利堂」と名付け、貸本・出版・写真などを始めました。以後今日に至るまで、文化財撮影や印刷物・出版物を通して日本文化の継承に貢献し、その素晴らしさを内外に示すお手伝いをしてまいりました。

 明治時代より京都三条富小路に絵葉書専門店を構え、また戦前より美術館でミュージアムショップを運営してきた便利堂は、美術商品の老舗でもあります。国内では唯一技術継承している多色刷コロタイプ「玻璃彩版」を用いた精巧な複製品から、日常使いのステーショナリーまで、美術をモチーフにした日々の生活を豊かに彩るさまざまなアイテムをご提案しています。

 このたび創業125年を記念し、明治期に発行したコロタイプ絵葉書を限定復刻いたしました。京都富小路店のみの販売で限定500部となっています。当時の京都の町並み、風俗を楽しんでいただければ幸いです。
          

便利堂絵はがき小史

■私製はがき認可と絵はがきブーム
 明治33年(1900)に私製はがきが認可され、日露戦争(明治37―38年)の頃には絵はがきが一躍ブームを迎えます。当時は「便利堂書店」とも称し、貸本売本や出版を営んでいた当店も絵はがきの制作販売をはじめました。現存しているもので最も古いものは明治35年に発行された、歌人田中美風の歌に絵はがき十二枚セットした『帰雁来燕』という歌集と絵はがきセットを組み合わせたような一風変わった和綴本です⇒明治期の絵はがきについて詳しくはこちら

■「京名所百景」絵はがきシリーズ(明治38年頃発行)

復刻封筒
「京名所百景」封筒 意匠:太田不古

 その後、数々の趣向を凝らした絵はがきを制作販売しましたが、なかでも観光名所の第一である京都の地を生かした『京名所百景』シリーズは、国内外の観光客に大変人気を博したものと思われます。明治38年に導入したコロタイプによって印刷された京の市内近郊の観光名所や風俗は、現在においては貴重な記録ともいえます。

 「百景」と題されているように多くの種類が発行され、同じ名所でもカットが違うなど、長い間販売されたヒット商品であったことがうかがえます。今回の復刻には、著名な絵はがきコレクターである生田誠氏の協力を得、氏のコレクションから販売用6種および記念配布用に2種、京都国立博物館ミュージアムショップ限定品1種、知恩院和順会館ショップ「沙羅の木」限定品1種を制作しました。

 図版はオリジナル同様、コロタイプで印刷し手彩色を加えています。宛名面は通常の国内仕様と海外向けがあり、今回の復刻はこの海外仕様の宛名面を再現しています(オリジナルは「CARTE POSTALE」と仏語表記になっていますが、現在の郵便事情を考慮し英語表記にあらためています)。袋絵は太田不古(おおた・ふこ)による木版画(オフセット印刷での復刻)。また当時宣伝ツールとして配布されていた宛名書きのインクの吸取り紙も復刻しましたのでお使いください(明治45年のねずみ年の年賀状販売の販促物と思われます)。

■便利堂の絵はがき店とダイレクトメール
 明治22年(1889)頃には、現在本社がある新町通竹屋町の本店以外に「第三高等中学(京都大学の前身)」と「同志社学院(現在の同志社大学)」の前にそれぞれ支店がありました。続いて明治28年頃に三条通富小路南西角に店舗を設け、書籍を販売していましたが、明治35年までに三条通富小路「西入」に転居して徐々に絵はがきの占める割合が多くなったようです。

 左に掲げた写真は、当店がお得意様に送付した今でいうダイレクトメールです。当時は宛名面には宛先だけで文章が書けませんでしたが、明治40年3月28日付の官報で郵便規則の改正が発表され宛名面の3分の1に通信文を書いても良いことになりました。当時の絵はがきは写真によるニュース伝達の側面もありましたので、図版には時の逓信大臣の似顔絵と官報、弊社本店外観(明治38年より本店は店舗からコロタイプ工房に)の写真を掲載し、早速宛名面にこのたびの改定のお知らせとますますのご利用を促す宣伝文を載せています。消印は施行日の4月1日付で、公布より数日での制作・発送という驚くべきスピードです。

 このころには店名を「便利堂絵葉書店」とし、絵はがき専門店となっているのがわかります。その後店は途絶えてしまいましたが、平成15年に御幸町通三条下ルに再び「美術はがきギャラリー便利堂」として絵はがき店をオープン、翌16年にはゆかりの富小路通に移転し現在に至ります。

■「京名所百景」復刻絵はがき 
 6枚組(封筒入り 復刻吸い取り紙、解説入り) 限定500部 1200円 富小路店限定販売

■「京名所百景」より《京都帝室博物館(現京都国立博物館)》復刻絵はがき
 1枚(封筒入り 復刻吸い取り紙、解説入り) 限定500部 300円 京都国立博物館ミュージアムショップ限定販売

■「京名所百景」より《知恩院三門》復刻絵はがき
 1枚(封筒入り 復刻吸い取り紙、解説入り) 限定500部 300円 知恩院和順会館ショップ「沙羅の木」限定販売

四条大橋
①《四条大橋》 復刻絵はがき6枚組のうち
 モノクロ・コロタイプ刷に1枚1枚手彩色を加えて完成させています。


四条大橋拡大
同拡大 コロタイプは網点がないので、拡大すれば細かいところまで確認でき、看板の文字もはっきり見えます。

祇園祭
②《祇園祭 長刀鉾》 復刻絵はがき6枚組のうち
 正確には「祇園祭」シリーズの1枚ですが、京都を代表する祭りですので今回の復刻に含めました。


祇園祭拡大
同拡大 人々の様子も見てとれます。

祇園町
③《祇園町》 復刻絵はがき6枚組のうち

祇園町拡大
同拡大

新京極
④《新京極》 復刻絵はがき6枚組のうち

島原太夫
⑤《島原太夫の道中》 復刻絵はがき6枚組のうち

島原太夫拡大
同拡大

嵐山
⑥《嵐山 渡月橋》 復刻絵はがき6枚組のうち
 渡月橋がまだ木造の小橋だった頃で、独特の風情があります。これも正確には「嵐山」シリーズですが、京都を代表する景勝地ですので復刻に含めました。


知恩院
《知恩院三門》 知恩院和順会館ショップ「沙羅の木」限定復刻絵はがき

京博
《京都帝室博物館》 京都国立博物館ミュージアムショップ限定復刻絵はがき

京博拡大
現在は中庭に噴水がありますが、それができる前の姿を記録しています。

 上記8種類の復刻はがきの発売記念キャンペーンとして、8種コンプリートした方に下記の2種の記念復刻絵はがきがプレゼントされます(おかげさまでキャンペーンは好評のうちに終了いたしました)。

五条大橋
《五条大橋》 コンプリート記念 復刻絵はがき

高瀬川
《高瀬川の曳船》 コンプリート記念 復刻絵はがき
今では見ることのできない貴重な風俗資料です。 


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【コロタイプの過去・現在・未来。創業明治20年の京都 便利堂が100年以上にわたって続けているコロタイプ工房より最新の情報をお届けします】
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