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岩手県立美術館で講演会&ワークショップ開催!

Posted by takumi suzuki on 07.2014 【今日のコロタイプ】    1 comments   0 trackback
〝ミーツ・ザ・アーティスト″「法隆寺金堂壁画とコロタイプ」
―世界最古の写真印刷技術 手刷り体験―
2013/12/23 於 岩手県立美術館

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雫石川と岩手山

 2013年12月23日、今年最後のコロタイプ講演とワークショップが開催されました。場所は京都から約1000km!離れた岩手県盛岡にある岩手県立美術館です。盛岡駅で新幹線を降り、雄大な岩手山とそれを囲む山々のパノラマを見ながら雫石川を渡ると美術館が見えてきます。12月の盛岡は本当に寒かったのですが、寒さでキーンと張りつめた空気と、雄大な自然はとても素晴らしいものでした。そして、その自然を借景に建てられた美術館の建築には、山本工房長と終始感動しきりでした。今回は、山本工房長の助手としてイベントに参加した鈴木がレポートします。

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東北担当の鈴木あさかです。東北での講演・WSは私にご連絡ください!

 約半年前、京都本社に鳴った一本の電話から今回の話は始まりました。岩手県立美術館では、「ミーツ・ザ・アーティスト」と題して、国内外で活躍するプロフェッショナルを招き、講演をしていただいたり参加者に実演体験をしてもらうことで現代のアートや伝統文化に幅広く親しんでもらうというイベントを二年前から積極的に開催されています。このイベントに、山本工房長に講師としてコロタイプのお話をしに来てほしいとのこと。そのきっかけは新聞に掲載された、法隆寺金堂壁画の記事だったそうで、「面白そう!」と新聞の記事を大切に切り抜いて保管していただいていたそうです。なんとありがたいお話でしょうか。

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「法隆寺金堂壁画 六号壁」と「夏秋草図屏風」

 今回は美術館のご厚意もあり、講演と同時にコロタイプ作品の展示も実現しました。80年前にモノクロで刷られた「法隆寺金堂壁画 六号壁」と、多色刷りの最新作「夏秋草図屏風」が並んで展示されました。どちらも原寸大の大作であり、複製といえども、この二作品が同時に並ぶ機会はそうそうありません。また、美術館の2階フロアーでは「鳥獣人物戯画」や「一遍上人絵伝」をはじめとした絵巻の原寸大複製や、便利堂コロタイプの歴史を象徴する明治時代の古はがき、そして近年制作された写真の作品と、幅広いジャンルを展示いただきました。

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展示風景

 今回の「ミーツ・ザ・アーティスト」では、コロタイプについての講演と、手刷体験、更にコロタイプによる複製や写真作品を実見していただくという、五感をフル活用してコロタイプを感じていただく内容となりました。京都の工房から遠く離れた盛岡の地で実現できたことは、大変光栄な機会であり、今後もこのような出張イベント通して、より多くの方にコロタイプを感じていただきたい!という意欲にも繋がりました。

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 いよいよイベントの開始です。
 最初の40分は、「コロタイプとは何?」を中心に、モノクロ写真草創期の話から、便利堂のコロタイプの歴史について、工房長が熱い講演を行いました。すっかりお馴染みとなっている、若き日の工房長の卒業アルバムを使った「コロタイプ」と「オフセット」の違いに関する説明などでは、会場から笑いが溢れ和やかな雰囲気でした。そして、今回の講演タイトルにもあった法隆寺金堂壁壁画についてのお話では、皆さんに文化財保存の尊さや、コロタイプの意義について考えていただく契機になったのではないかと感じています。

 VTRで京都のコロタイプ工房の作業の様子を見ていただき、実際の刷り本を使って多色刷りコロタイプの分色と、色の掛け合わせを説明し講演は終了、次はお待ちかねのワークショップです。今回の参加者は約35名。「実際に体験したい人いらっしゃいますか?」司会者からの問いかけに、沢山の手が上がりました。限られた時間の中ではありましたが、最終的には35名ほぼ全員の方にコロタイプの手刷りを体験していただけました。

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 先ずは工房長の実演から。固いインクや厚いガラスにゼラチンが塗られた版に皆さん興味深々。道具を並べた机の前にみなさんどんどん集まります。インクを版にのせ、法隆寺金堂壁画6号壁に描かれた菩薩像が、くっきりと姿をあらわした時には歓声が漏れました。

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 そのあと盛岡の皆さんにコロタイプを体験していただきます。女性も男性も、年齢も関係なく、とても楽しそうにローラーで版にインクをいれていらっしゃる姿が印象的でした。刷り終わった後に、もう一度列に並び直し、紙を変えて2回刷る方もちらほら。今回、この講演とワークショップが開催された美術館のホールは、温度と湿度調整をコロタイプに最適な状況にしていただいていたので、版の調子も良く、どの作品も個性はあるもののとても綺麗に仕上がっていました。京都本社以外の場所で、このように沢山の方に参加いただくワークショップは今回が初めてだったのではないでしょうか。期待と不安でいっぱいでしたが、結果は思いのほか順調、とても楽しいひと時となりました。

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 岩手県立美術館の加藤さんを中心に、ご協力いただいたスタッフや学芸の皆様に心より感謝申し上げます。京都から離れた場所で、多くの方に益々!!!コロタイプに興味を持っていただけるよう、今後もこのような活動を続けていきたいと思います。

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■参加者のみなさまからの感想(2014年1月21日追記)

「今回友達の誘いで、初めて「コロタイプ」というものを知り、美術品の保存や歴史等とても興味がわきました」

「体験ができ、とても嬉しかったです。その仕組みを知ることができて良かったです。」

「とても手間のかかる印刷ですが、手間をかけた分、美しく残すことができる印刷だということが良くわかりました。次回は多色印刷ができると良いなあ。」

「コロタイプのすばらしさを知っておどろいた。拡大したときの精密さに感動した。体験がとても楽しかった。今度法隆寺に行くことに決めました。ぜひ壁画を現地で見てみたいです。」

「京都に行くと、奈良に寄ることが多く、法隆寺をお参りしました。そこで興味を持って来ました。「保存」といってもすごく大変な作業と思いました。印刷作業に参加させていただきありがとうございました。」

「講師の方の楽しいお話に聞き入りました。」

「山本さんの人柄、文化財、仏さん等、大切に扱われておられることに感動いたしました。」

 そのほか多数ご感想を寄せていただきました。ありがとうございました。


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年末から個人的な理由で忙しく、久々にこのサイトを訪れてみたら、12月に岩手でワークショップがあったんですね。今頃知りました…(^^;
去年は秋にアントニオロペス展を観に岩手県立美術館まで行ってるのに、チラシにまで気が回りませんでした。残念無念…。また東北でワークショップを催される時は、是非参加したいと思います。
2014.02.27 23:14 | URL | 藤崎芳之 #- [edit]


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Author:takumi suzuki
【コロタイプの過去・現在・未来。創業明治20年の京都 便利堂が100年以上にわたって続けているコロタイプ工房より最新の情報をお届けします】
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