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初挑戦! コロタイプ用大全紙カメラで野外撮影をやってみた!

Posted by takumi suzuki on 12.2015 【今日のコロタイプ】    0 comments   0 trackback
倉庫に眠っていた超大型アナログカメラ、復活への道

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先日、真夏の炎天下、便利堂本社の屋上から望む比叡山を超大型アナログカメラで撮影しました!今回はそのレポートです。じつはこの超大型カメラ、本来はコロタイプ用のカメラなのです…

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コロタイプギャラリー支配人の藤岡です。
コロタイプで絵画や文書などを複製する際、仕事のはじまりは原本の撮影です。コロタイプは、ゼラチン版にネガを密着露光しますので、原寸大の複製をプリントするためには、原寸大のネガが必要となります。つまりそのためには原寸で撮影できるカメラが必要ということになります。そこで主力となったのは、大全サイズ(20×24インチ=50.8×61.0㎝)の特注モノクロフィルムが装てん可能な超大型カメラです(上の写真)。つまり、8×10(エイト・バイ・テン)の6倍の大きさです!

昭和45年(1970)便利堂が独自に開発し(国宝「伴大納言絵巻」〔出光美術館蔵〕原寸大複製のタイミングです)、いまでも写場に据え付けられ、もちろん現役で使用可能です(最大22×28インチまで撮影可)。原稿を平台にセットし俯瞰の状態で、ミラーを通して膜面が正画になるようにして撮影します(なぜ膜面が正画にならないといけないかについては⇒こちら)。一連の操作は、カメラの内部にひとが入って(!)おこないます。その形状から、社員は「タテ型カメラ」の愛称で呼んできました。

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タテ型カメラ内部

ですが、複製の仕事があるたびに、貴重な原本を便利堂に持ち込んでもらえるわけではありません。ほとんどが出張撮影になります。そこで昭和50年(1975)出張用の分解・組み立て型のタテ型カメラを開発しました(宮内庁書陵部でのレプリカ用撮影でデビューしました)。4トントラックで撮影現場まで運び、その場で組み立てる。撮影終了後は解体してまたトラックに積んで帰ります。レプリカ制作が華やかなりし時代は、午前と午後の「ダブルヘッダー」もあったそうです。

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タテ型カメラはフィルターを用いて色分解カラー撮影を行います。レンズの前にはミラーがあり、鏡面(膜面で正画となるよう)に撮影します。

つい前置きが長くなってしまいましたが、じつはこのタテ型カメラ、コロタイプ複製制作ではもうほとんど使われることがなくなりました。まして移動式の出番はありません、悲しいですが。便利堂では数年前に、最大6100万画素の超高精細デジタルカメラを導入し、レプリカ制作の現場でも、デジタル撮影が主流となってきています。デジタルカメラは、もちろん機動性に優れ、デジタルデータからでもアナログ撮影と何ら遜色ない、後工程の画像処理などの条件によってはそれ以上のクオリティの複製を制作することが可能となっています(大幅の作品であれば、8×10あるいは11×14インチのカラーフィルム撮影で対応します。媒体がもつ情報量については、フィルムの優位性を強調しておきます)。

とはいえ、この移動式タテ型カメラを倉庫に埋もれさせておくのは、あまりにもったいない。なにか有効な、そしておもしろい使い途がないか、社員みんなで考えています。まだ結論は出ていませんが、まずはそんなカメラがあることを、大全フィルムがもつ画像の圧倒的な情報量を、多くのひとに知ってもらうため、手始めに…史上初!タテ型カメラ屋外撮影のデモンストレーションを敢行しました。文末には動画もアップしてます!

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移動式タテ型カメラを長年預かってくれているのは、京都の美術品輸送「まるたけ運送」さん。朝一番で、4トントラックが便利堂駐車場に到着しました。いかにも重そうな木箱やアルミ箱、鉄パイプなどを次々におろしていきます。

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便利堂の屋上は4階です。エレベーターなんてありません。複雑に入り組んだ構造になっており、男どもが狭いなかを縫うように進み、階段の踊り場で悶えながら何度も往復して「部材」を運び上げました。

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さて組み立てを始めます。まずは足場となる<土台>と<本体>を接合し、5箇所のボルトを調整して水平を取ります。つぎに<本体>と蛇腹が付いた<ヘッド>を接合し、<ピントガラス>を<ヘッド>のスライドレールに載せ、蛇腹とつなぎます。<ヘッド>の前部に大型レンズを嵌めると、これでカメラの形になったように見えます。

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サイズが桁外れなので想像しにくいかもしれませんが、カメラの内部は暗黒でなければなりません。そこで、この<ヘッド>+<本体>を覆い、なかでひとが作業できるスペースをもった暗室をつくります。鉄パイプで骨組みをつくり、分厚い暗幕(ファスナー式)で覆います。ここまでくると、<ピントガラス>にうっすら像が浮かび上がります。もちろん天地逆さまです。

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今度は<バキューム盤>の取り付けです。ここにフィルムを装てんするのですが、脱落しないように、また平滑面を維持するために、その名のとおりフィルムを吸いつけるのです。<ヘッド>の右に<ピントガラス>を、左に<バキューム盤>を取り付け、それぞれが開閉できるようになっています。<ピントガラス>を見ながら蛇腹を前後させ、ピントが合ったら<ピントガラス>を除けて、<バキューム盤>を取り付けます。暗室外の電動でフィルムを盤に吸いつけます。これが、タテ型カメラでほぼ唯一の電気的装置です!

大全紙サイズの大型カメラは、世の中にはほかにも存在しますが、このカメラの違いはこのバキューム装置です。この後触れますが、この機能があるからこそ、4色分解で大全紙大のカラー撮影ができるのです!

スクリーンショット1

カメラ全部を覆ったら、これで完成!内部は暗黒。手元照明だけが頼りです。

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今回は屋外撮影ということで、シャッターなしの「手蓋」です。時間を計って「手蓋」を開閉し、フィルムを感光させて外景を焼き付けるだけの単純な仕組みです。露光は f.90で1秒。使用フィルムは富士フィルム製「SN-12」、便利堂特注品。現在生産中止で社でストックしている分のみが存在します。

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いよいよ次は、色分解によるカラー撮影です。フィルター色の濃度によって露光時間が変わりますので、「フィルター倍数」という色ごとに係数を掛けて割り出しています。今回は「ノンフィルター」を1秒として、Y(イエロー)1.5秒、R(レッド)4秒、G(グリーン)15秒、V(ヴァイオレット)30秒です。この長い露光時間のあいだにフィルムが動かないようにするためにバキューム装置があります。

そして色分解撮影は、それぞれY→黒、R→青、G→赤、V→黄の色を取り出すものですが、印刷によって初めてカラー再現できます。4枚のフィルムを合わせたときにぴったり合うようにフィルムを平滑にするのもバキューム装置の大切な役目です。また、本体を重量級にしているのも、同様にフィルムの精度を保つためですがデメリットでもありますね。さて、ぜひこの色分解フィルムを使ってコロタイプでカラープリントをつくってみたいので、この結果は後日報告します。

スクリーンショット3

さあ、さっそく現像です!フィルムには絶対に光が当たらないよう厳重に暗箱に封入して暗室へ。現像結果は如何に。本城カメラマン、上がりはどうですか?

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 「撮影時は暴風に煽られ、どうなるかと思いましたが、ブレもなくばっちりです。35ミリや4×5フィルムと比べ、ディテールの情報量が半端じゃない。比叡山山頂のガーデンミュージアムまで?写っています!次はタテ型で富士山を撮ってみたいです!」

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漢(おとこ)たちのやりきった感がにじみ出てます! 便利堂カメラマンたちとまるたけ運送のおふたり(右)

トラックの到着からフィルムの現像まで約5時間。全員汗まみれのクタクタでしたが、すばらしい結果に、一同大喜び。初めてのデモに、なにもこんな季節を選ばなくても…とは正直思いましたが、私自身もしっかり手応えを感じました。つぎは会社の外に飛び出して、このカメラを組み立て、撮影している姿を街の人々にみてもらいたい。さらに、ぜひやってみたいという方が現れてほしい、と思っています。タテ型カメラに何ができるのか、世の中でどんなお役にたてるのか、可能性を探るため、今後もプロジェクトを推進していきますので、活動をチェックしておいてください!

追記:プリント焼いてみました!

2紙焼き
あせって裏焼きしてしまいまいました(はずかしー)

1紙焼き
正しくはこうですね(反転画像)

紙焼き3
遠景もこの通り。

ぜひ、タテ型カメラで撮影したいという方、ご連絡ください! 応相談!
ご連絡は下記まで!
collotype-workshop@benrido.co.jp





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Author:takumi suzuki
【コロタイプの過去・現在・未来。創業明治20年の京都 便利堂が100年以上にわたって続けているコロタイプ工房より最新の情報をお届けします】
Japanese:www.benrido.co.jp
English:www.benrido-collotype.today

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