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光琳「風神雷神図」抱一「夏秋草図」両面屏風玻璃版複製完成!

Posted by takumi suzuki on 10.2015 【今日のコロタイプ】    0 comments   0 trackback
ただいま京都文化博物館で好評公開中! 14日には小林忠先生の記念講演会も開催!
2015年11月3日(火)-12月6日(日)@京都文化博物館 2Fコネクションホール(入場無料)

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秋の行楽シーズン真只中の京都では、琳派400年紀念祭のイベントも花盛りです。
便利堂では、この琳派400年を記念して《尾形光琳筆「風神雷神図屏風」復元里帰り実行委員会》立ち上げ、文化財を護り伝える技術を持つ方々と共に複製プロジェクトに取組んできました。なかなか一筋縄ではいかない大変な作業でしたが、この度無事完成し、11月3日より京都文化博物館にて一般公開を好評開催中です。今週末の14日は、小林忠先生の『京(みやこ)への里帰り 表裏一体屏風 光琳「風神雷神図」と抱一「夏秋草図」』と題した記念講演会も開催されます(詳細文末)。

⇒京都新聞記事「風神雷神と夏秋草、表裏一体に 本来の姿に複製復元
⇒プロジェクト公式HP http://benrido.wix.com/rimpa-collotype

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完成した尾形光琳筆「風神雷神図屏風」(原本所蔵:東京国立博物館 重要文化財)

この風神雷神図屏風は、新町通り二条下ルにあった光琳の屋敷で書かれたといわれ、この複製によって里帰りを果たしたということになります。竹屋町下ルの便利堂の工房とも目と鼻の先、ご縁を感じます。

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風神雷神図の裏面には、光琳に私淑した酒井抱一の夏秋草図が描かれていました。現在は保存のため別々の屏風に仕立て直されているので、もともとのオリジナルの姿が見れるのは複製ならではです。展示は360度、ぐるりとどの角度からでも鑑賞いただけます。夏秋草図屏風は現在真ん中が谷折りになっていますので、本来の裏面に書かれた山折りの状態が抱一の意図した構図です。ぜひその素晴らしさを原寸複製の迫力でご確認ください。⇒「裏面の夏秋草図はどう見える?」

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川面美術研究所の荒木かおり所長(左)と大入の大入達男社長

このプロジェクトは、琳派400年に際し何か我々のもつ技術で貢献できないか、ということで始まりました。このプロジェクトを通して一人でも多くの市民の方々に文化財を護り伝えることの大切さを再認識していただき、文化財保存における複製の役割や、その制作を支える伝統技術の存在を知っていただきたいと思ったからです。主旨にご賛同いただいた多くの方々のご支援をいただき、無事完成の運びとなりました。この場をお借りし、厚く御礼申し上げます。

プロジェクトの実行委員には、長年コロタイプ複製制作にご協力いただいている川面美術研究所さんと大入さんに参画いただきました。川面美術研究所は、明治から続く模写、復元、彩色などの文化財修復のエキスパートです。先代の川面稜一先生は、便利堂ともゆかりの深い法隆寺金堂壁画の模写事業において入江波光斑助手として参加されていました。和装本や表具を専門とする経師・大入も多くの文化財修復を手掛けています。今回川面さんにはコロタイプ刷の後の補彩仕上げ、大入さんには屏風仕立てをお手伝いいただきました。


作業を振り返る

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6月30日 東京国立博物館さまからご提供いただいたデジタル画像からようやく製版作業にとりかかる。

準備の遅れから、ようやく作業がスタートしたのは6月下旬でした。通常ですと、作業にかかる前に撮影時などに原本チェックを行うのですが、今回は画像提供であったことやタイミング的なこともあり、原本チェックは校正時となりました。つまりオリジナルの色調が未確認の手探り状態での作業進行です。

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7月16日 ようやく部分的なテストピースが第1弾。まだすべての色が入っていない状態。

風雷2
7月27日 原本チェックに向けた最終テストピース制作作業。だんだん色が重ねられていきます。

風雷3
同日 10色目の雲の補色を入れてこの部分は完成。 今回の刷担当の尾崎君。

風来4
8月5日 8日が原本チェックですがギリギリまで作業は続きます。
何度か部分的なテストピースを重ね、なんとかこちらの思う色調に仕上げて原本チェックに臨みました。

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8月8日 川面美術研究所の荒木所長、北尾さんにもご同行いただき原本の色調のチェックと、テストピースの校正@東京国立博物館

風雷5
同日 いいところもあり、今一歩のところもあり。

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9月7日 金箔貼り加工のテスト(中央はコロタイプ刷ままの状態)。

金箔の下にはコロタイプ刷りで地色をひいています。
地色のわずかな差でも金箔の見え方は大きく変わるもの。原本の雰囲気と色合いに近づくように、上に金箔がのった状態を想像して印刷します。

金箔は本金を使用。金箔貼りの仕方については、まず3種類の方法でテストしました。
①金箔地の上にコロタイプ刷りを行う
②画を刷ったあとに、画以外の部分に金粉をまく
③同じく画を刷ったあとに、画以外の部分に金箔を貼る

現物校正時にこの3種類の方法で作った校正刷を原本と見比べ、採用したのが③の方法です。
部分的に仕上がったコロタイプ刷に③の方法で最終テストしたものが上掲の写真です。
中央が金箔をはらないコロタイプ刷のままの状態。その左右に古色などの調子を変えてテスト貼り。左の調子に決定しました。

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全部で16分割。8月下旬から本番刷にかかり、順次仕上げていきます。

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9月16日 すべてのコロタイプ作業が終了しました。あとは金箔貼り加工、補彩仕上げ、屏風仕立ての工程です。

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10月30日 仕立てあがった屏風に再度仕上げの補彩作業。北尾さんは補彩作業中に、現在京都国立博物館で開催中の「琳派 京(みやこ)を彩る」で展示中の風神雷神図屏風をチェックのために3回も見に行かれたそうです!

北尾さんによると、「風神雷神図」はたらし込みの墨の入れ具合が、「夏秋草図」は濃厚な色彩の再現が、それぞれ最も苦心した点であり且つやりがいのある作業であったとの事。

こうしてみなさまのご支援のもと、無事複製が完成いたしました。本当にありがとうございました。
11月1日には琳派400年記念「古典の日フォーラム2015」会場にてプレお披露目をさせていただきました!
⇒くわしくはこちら
2日には記者発表も開催、新聞各社に取り上げていただきました。

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京都新聞記事「風神雷神と夏秋草、表裏一体に 本来の姿に複製復元

展示は来月6日まで。ぜひこの機会にご鑑賞ください!

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        ◆

■尾形光琳筆「風神雷神図屏風」・酒井抱一筆「夏秋草図屏風」
復元複製里帰りプロジェクト完成記念特別展示


[期 間]
平成27年11月3日(火・祝)~ 12月6日(日)
[休館日]
月曜日(ただし祝日の場合は翌日)
[場 所]
当館2Fコネクションホール(入場無料)
[問合せ]
京都文化博物館(TEL. 075-222-0888)

■プロジェクト完成記念講演会
 『京(みやこ)への里帰り 表裏一体屏風 光琳「風神雷神図」と抱一「夏秋草図」』


会期中に同プロジェクト賛同人代表である小林忠氏の記念講演会を実施します。
展示される再現屏風の見どころや尾形光琳・酒井抱一について、楽しく判りやすくご講演いただきます。

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[日時]
11月14日(土)10:30~12:00
[会場]
当館3Fフィルムシアター
[定員]
160名(先着順) 入場無料
[講師]
小林忠氏(学習院大学名誉教授・岡田美術館館長)
[問合せ]
京都文化博物館(TEL. 075-222-0888)

⇒お申込みはこちら

       ◆

便利堂コロタイプギャラリーでは

尾形光琳筆「風神雷神図屏風」復元複製里帰りプロジェクト連動企画
琳派を楽しみ、琳派にふれあうコロタイプ写本展

好評開催中。今週末まで。こちらもあわせてお立ち寄りください!

【期間】
10月24日(土)~11月15日(日)
11:00~18:00 無休



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【コロタイプの過去・現在・未来。創業明治20年の京都 便利堂が100年以上にわたって続けているコロタイプ工房より最新の情報をお届けします】
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English:www.benrido-collotype.today

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