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《コロタイプギャラリー支配人(代理)から開催展のお知らせ》桑嶋維コロタイプ写真展:真夏の死

Posted by takumi suzuki on 07.2016 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
コロタイプ史上初の大判写真作品プリントをその目でぜひ!

KG+ KYOTOGRAPHIEサテライト展
Tsunaki Kuwashima: Midsummer Death
2016/4/22-5/22 @便利堂コロタイプギャラリー

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Title Design by Michael Horsham(Tomato)

こんにちは。コロタイプギャラリー支配人代理も兼務中の鈴木孝平です。
五月晴れの日が続くGWをいかがお過ごしでしょうか。
さて、便利堂コロタイプギャラリーでは空前絶後の事件が起きています。

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ギャラリー内に所狭しと構築された巨大なインスタレーション! しかも「牛」! なんで「牛」? 

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これらの写真、もちろんすべてコロタイプです。
今回の作品は便利堂コロタイプ工房史上、写真作品としては最大のサイズ(1200*1200ミリ)に挑戦しています。印刷機を通る版の最大サイズが約600ミリ×約1200ミリとなっていますので、別々に印刷した後に上下でプリントをつないでいます。こんな作品を思いついたのが、写真家の桑嶋 維(くわしま つなき)さんです。

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作家近影:牛に負けない存在感ですね

桑嶋さん略歴:
1972年、東京都吉原生まれ。ロンドンから帰国後、写真家としてファッション、広告、雑誌などで活躍。また、闘牛、闘犬、闘鶏などを追い続け、2005年に写真集『闘牛島・徳之島』(平凡社)、2006年『朱殷』(求龍堂)を刊行。
http://www.tsunakikuwashima.com/tsunakikuwashima/home.html

桑嶋さんと便利堂とのなれそめは、2012年に日大で開催されたオルタナティブ・プロセス国際シンポジウム(APIS: Alternative Processes International Symposium 2012 Tokyo)において便利堂がはじめて取り組んだコロタイプワークショップに桑嶋さんが参加してくれたことにはじまります。関連記事はこちら:APIS Collotype Workshop

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APISコロタイプワークショップに参加中の桑嶋さん(当時)。

さらに2013年7月にロンドンで開催された個展「The Eternal Idol 久遠-永遠のアイドル」開催において、特別協力として展示作品の一つである土偶を写した作品をコロタイププリントで制作・提供したことに始まります。関連記事はこちら:写真家・桑嶋維氏のロンドンでの個展でコロタイプ作品を出品!

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こちらが制作した土偶のコロタイププリントの1枚

以来、生命の根源に独自のアプローチで肉薄しようとする桑嶋さんの作品は我々の興味の対象であり続け、なかでも彼の代表作である徳之島の闘牛「福田喜和道1号」のポートレートを、コロタイプの限界を超えた巨大なプリントで表現することができればと桑嶋さんとともに夢見てきました。このたび機を得、これが実現したことは望外の喜びです。経験のないチャレンジに苦心を重ねた職人技もぜひご覧いただければ幸いです。

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『徳之島事情』,吉満 義志 1895年

桑嶋さんは徳之島を「闘牛島」と呼びます。
徳之島における闘牛の歴史は古く、薩摩藩の支配下にあった400年前より今日まで続いています。そして、その闘牛と共に生きるということが島の日常であり、闘牛と人々の生き方が濃くまじりあう特異な島ともいえます。この徳之島の闘牛で歴代最強と呼ばれた闘牛「福田喜和道1号」の全盛期と引退後の姿をかつてない大判コロタイププリントで表現しようというのが本展です。


かつての福田喜和道1号の雄姿。福田喜和道1号 vs 大福環境開発1号(八重山酋長) H17年5月3日 全島一優勝旗争奪戦

わたしが「闘牛」という言葉を聞いてはじめに思い浮かべたのはスペインの闘牛でした。しかし!あちらが人と牛の闘いであるのに対して、徳之島の闘牛は「牛」対「牛」の闘いなのです。被写体になったこの闘牛「福田喜和道1号」。徳之島では年に4回タイトルマッチが開催されており、福田喜和道1号は相撲でいうところの横綱として伝説的な強さを誇っていました。

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徳之島は徳之島町、伊仙町、天城町の3つの町からなり、いずれの町でも闘牛はとてつもない人気を誇っています。桑嶋さんいわく「島の子らがはじめてデートに行く場所は牛舎」であり、「小学生も牛の世話に誇りを持っている」とのことです。また島の子供が描く牛は、ほとんどの場合「真っ黒」だそうです。これは、彼らにとっての牛は、ホルスタイン=乳牛=白黒ではなく、闘牛だということを意味しているのでしょう。

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この「闘牛島」の伝説と化した彼(福田喜和道1號)を、コロタイプギャラリーに召還するのだ! 気炎を上げていたのは昨年の夏前だったと記憶していますが、それから着々と打ち合わせを重ねて校正刷りが始まったのが今年の1月でした。

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製版技師の加藤さんと入稿データの確認

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60×120㎝がプリントできる大判マシーン、愛称「DAX」

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非常にゆっくりと動くので一枚通すにもとても時間がかかります。

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何度も何度も機械に通し、インキの厚みを加え、福田喜和道1号の「黒」を表現していきます。

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刷りを担当した印刷技師の尾崎さん

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尾崎さんと校正を前にしつつ、注視点をお互いに確認しています。

東京から桑嶋さんも立ち合いに来てもらうなど、何度も確認作業を繰り返し、次第に方向が定まってきたのが2〜3月でした。3月に入ってからは最終の追い込みが始まりました。

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桑嶋さんの作品のもう一つの特徴であるプリントの立体展示。名付けて「CUBE」。

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ギリギリまで作業は続き、ギャラリーでの設営作業も無事に終了です。

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この作品ですが、ちなみに中に入れます。天井には徳之島の風葬をとらえた作品が。

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先日行われたトークでは、作品が大きすぎて観客の方々が分断されつつも、作品制作の背景や徳之島の諸事情など、興味深いお話がいくつも飛び出しました。

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また本展にあわせてコロタイプポートフォリオを制作いたしました。
作家のサイン入り、限定30部となっています。
装丁デザインはイギリスのデザイナー集団「TOMATO」のメンバーであるマイケル・ホーシャム氏(Michael Horsham)です。TOMATOのほかのメンバーは映画『トレイン・スポッティング』劇中BGMとしても使用された楽曲で有名な「Underworld」など、世界的に活躍されています。

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お求めはこちらから:ポートフォリオ 桑嶋維 〈Midsummer Death〉

5月22日(日)18:00まで会期中無休ですので、みなさまのご来場を引続き、お待ちしています!



KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2016
KG+参加展示

桑嶋 維|Tsunaki Kuwashima
コロタイプ写真展 真夏の死 / Midsummer Death

会期 2016年4月22日(金)〜5月22日(日)
OPEN 11:00−18:00
会期中無休
会場 便利堂コロタイプギャラリー



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【コロタイプの過去・現在・未来。創業明治20年の京都 便利堂が100年以上にわたって続けているコロタイプ工房より最新の情報をお届けします】
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English:www.benrido-collotype.today

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