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コロタイプギャラリー秋季企画展(前期)「コロタイプで観る関西名刹の仏像」のお知らせ
《ジャポニスム2018》参加記念。 来月パリでコロタイプ展示行います!
会期:2018 年10 月 17 日(水)- 10月 30日(火) @便利堂コロタイプギャラリー
時間:13:00-17:00 ※土日開廊


こんにちは!コロタイプギャラリーを運営する溝縁です。
秋の高い空を眺め過ごしやすい日々を楽しむ毎日、皆様いかがお過ごしでしょうか。そんな中、コロタイプギャラリーでは10月17日(水)から秋の企画展がはじまりました。今期はなんと、二本立てです!
今回の展示は、便利堂の《ジャポニスム2018》参加記念として企画しました。日仏友好160年にあたる2018年、日本とフランスの両国が連携し、芸術の都フランス・パリを中心に“世界にまだ知られていない日本文化の魅力”を紹介する大規模な複合型文化芸術イベント《ジャポニスム2018:響き合う魂》が開催されています。
⇒公式ホームページ

パリ日本文化会館HPより: 現在、パリ日本文化会館では「縄文展」が開催中です。
パリ 内外の100近くの 会場で、展覧会や舞台公演に加えて、さまざまな文化芸術を約8ヶ月間にわたって紹介されています。 古くは日本文化の原点とも言うべき縄文から伊藤若冲、琳派、そして最新のメディア・アート、アニメ、マンガまでを紹介する「展示」や、歌舞伎から現代演劇まで、日本文化の多様性に富んだ魅力を紹介する「舞台公演」、さらに「映画」、食や祭りなど日本人の日常生活に根ざした文化等をテーマとする「生活文化 他」の4つのカテゴリーで東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を前に、日本各地の魅力をパリに向け、またパリを通して世界に向けて発信されてます。
《ジャポニスム2018》では、これらの公式企画に加え「ジャポニスム2018参加企画」の枠組みが用意されており、これは、《ジャポニスム2018》の趣旨に賛同するフランスで企画・実施される日本関連の催しを「参加企画」に認定することで、《ジャポニスム2018》を盛り上げ、日本文化を発信するためのプログラムです。

パリ日本文化会館HPより: 便利堂のコロタイプ展の告知ページです。
便利堂では、このジャポニスム2018公認の参加企画として、パリ日本文化会館様との共催で『コロタイプによる琳派の美』 L'art du collotype と題した展示を来月13日~12月1日まで行います。展示の詳細につきましては、また追ってご紹介できればと思っています。⇒パリ日本文化会館展覧会情報

ジャポニスム2018公式HPより: 「古都奈良の祈り」展
さて、さっそく本題のコロタイプギャラリー展示の見どころをご紹介いたします。この《ジャポニスム2018》公式企画として、ギメ東洋美術館では「古都奈良の祈り」展 2019年1月23日(水)~ 3月18日(月)と「明治」展 2018年10月17日(水)~ 2019年1月14日(月)が開催されます。コロタイプギャラリーでは、《ジャポニスム2018》参加記念としてこの二つの展覧会に連動した企画をいたしました。前期は『コロタイプで観る関西名刹の仏像 −戦前から紡がれるコロタイプ工房の軌跡』というタイトルのもと、六体の仏像写真を展示、後期は『コロタイプで観る明治期の日本―ギメ東洋美術館写真コレクションより』を展示いたします。

コロタイププリント(観心寺 国宝 如意輪観音菩薩坐像)
前期の本展では、便利堂が戦前に撮影したガラス乾板を元に制作し保管されていた貴重な大型の仏像コロタイププリントを、モダンな表具に仕立てて展示しています。あしらった布や独特の表装は、今回お願いした立入好和堂の村山さんに色々なアイディアをいただき実現しました。それぞれの仏様に似合うサイズや色味があしらわれ、見事な風合いに仕上げられています。

コロタイププリント(平等院 国宝 阿弥陀如来坐像部分):蓮弁が、現在の縦一列ではなく、修理前の互い違いにひかれている時代の写真です。
展示されているコロタイププリントの正確な制作年度は記録に残っていませんが、おそらく今から40年前後前に、現在ではなくなってしまった大型印刷機、通称「デカ版」という機械でプリントされたものです。現在の円圧部分と一緒に紙が回転しプリントされる機械とは異なり、版の上に紙を置き、そこに円圧でプレスするアナログの手法で印刷されたものです。その細やかな濃淡表現や現役のコロタイプ印刷技師をも唸らせる高い技術は必見です。

ガラス乾板(浄瑠璃寺 重要文化財 吉祥天立像)
また、会場にはコロタイププリントを制作した当時に使用したネガや、「横型カメラ」と呼ばれたこうした大型フィルム引き伸ばし専用の今はなき製版専用カメラの写真や模型も展示しています。当時ガラス乾板に写されたイメージがいかにして拡大され製版が行われたのか、今では想像を絶する精巧な技術の上に編み出された方法で実践されていました。

戦前のガラス乾板より拡大してつくられたコロタイプ用フィルム原板:現代はフォトショップで行われる作業が、当時は丁寧な一筆一筆のレタッチで作業されていました。
具体的な技術を説明しますと、ガラス乾板(ネガ画像)に光を投射し、蛇腹を伸縮させることで像を拡大し、まずは拡大されたポジフィルムを制作した上で、さらにポジフィルムと未露光のネガフィルムを密着露光し、ネガフィルムを製版していました。

模型として制作した「横型カメラ」。穴をのぞいて蛇腹を模した部分を手前に引くと、見事に天地反転した像がグッと拡大され浮かび上がってきます。ぜひ会場でお試しください。
独特の金属音を響かせながら稼働する現代のコロタイプ工房も十分にアナログであり、職人の手腕や経験がものを言う世界です。しかしながら、当時はもっともっと、もっと、それぞれ個人のアイディアや試行錯誤が産みだす風合いやコロタイプならではの深みだったのだと気付かされます。
会場に並んだコロタイププリントをご高覧いただきながら、当時の職人の息づかいを身近に感じていただけるような展示となっています。ぜひこの機会に時代を超えたコロタイプ技術の面白さに触れていただけたらと思います。

*京都新聞に掲載されました!
2018年10月23日(火)の京都新聞朝刊に、展覧会の様子が掲載されました。
◆
日時:2018年10月17日(水)ー10月30日(火) 11:00−17:00
場所:便利堂コロタイプギャラリー (中京区新町通竹屋町通下ル弁財天町302)
【後期展示】
コロタイプで観る明治期の日本―ギメ東洋美術館写真コレクションより

2018年11月1日(木)-11月16日(金)
11:00-17:00
※同時開催:KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 秋季特別展
・明治150年記念 フランス国立ギメ東洋美術館「明治」写真コレクション展 「日本が動いたとき~近代黎明期の京都」
二条城 東南隅櫓前広場・蹴上クランクイン・平安神宮 応天門前庭での野外展示:10月21日(日)-12月20日(木)
・虎屋 京都ギャラリーでのオリジナル写真の展示
2018年11月1日(木)-12月2日(日)
会期:2018 年10 月 17 日(水)- 10月 30日(火) @便利堂コロタイプギャラリー
時間:13:00-17:00 ※土日開廊


こんにちは!コロタイプギャラリーを運営する溝縁です。
秋の高い空を眺め過ごしやすい日々を楽しむ毎日、皆様いかがお過ごしでしょうか。そんな中、コロタイプギャラリーでは10月17日(水)から秋の企画展がはじまりました。今期はなんと、二本立てです!
今回の展示は、便利堂の《ジャポニスム2018》参加記念として企画しました。日仏友好160年にあたる2018年、日本とフランスの両国が連携し、芸術の都フランス・パリを中心に“世界にまだ知られていない日本文化の魅力”を紹介する大規模な複合型文化芸術イベント《ジャポニスム2018:響き合う魂》が開催されています。
⇒公式ホームページ

パリ日本文化会館HPより: 現在、パリ日本文化会館では「縄文展」が開催中です。
パリ 内外の100近くの 会場で、展覧会や舞台公演に加えて、さまざまな文化芸術を約8ヶ月間にわたって紹介されています。 古くは日本文化の原点とも言うべき縄文から伊藤若冲、琳派、そして最新のメディア・アート、アニメ、マンガまでを紹介する「展示」や、歌舞伎から現代演劇まで、日本文化の多様性に富んだ魅力を紹介する「舞台公演」、さらに「映画」、食や祭りなど日本人の日常生活に根ざした文化等をテーマとする「生活文化 他」の4つのカテゴリーで東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を前に、日本各地の魅力をパリに向け、またパリを通して世界に向けて発信されてます。
《ジャポニスム2018》では、これらの公式企画に加え「ジャポニスム2018参加企画」の枠組みが用意されており、これは、《ジャポニスム2018》の趣旨に賛同するフランスで企画・実施される日本関連の催しを「参加企画」に認定することで、《ジャポニスム2018》を盛り上げ、日本文化を発信するためのプログラムです。

パリ日本文化会館HPより: 便利堂のコロタイプ展の告知ページです。
便利堂では、このジャポニスム2018公認の参加企画として、パリ日本文化会館様との共催で『コロタイプによる琳派の美』 L'art du collotype と題した展示を来月13日~12月1日まで行います。展示の詳細につきましては、また追ってご紹介できればと思っています。⇒パリ日本文化会館展覧会情報

ジャポニスム2018公式HPより: 「古都奈良の祈り」展
さて、さっそく本題のコロタイプギャラリー展示の見どころをご紹介いたします。この《ジャポニスム2018》公式企画として、ギメ東洋美術館では「古都奈良の祈り」展 2019年1月23日(水)~ 3月18日(月)と「明治」展 2018年10月17日(水)~ 2019年1月14日(月)が開催されます。コロタイプギャラリーでは、《ジャポニスム2018》参加記念としてこの二つの展覧会に連動した企画をいたしました。前期は『コロタイプで観る関西名刹の仏像 −戦前から紡がれるコロタイプ工房の軌跡』というタイトルのもと、六体の仏像写真を展示、後期は『コロタイプで観る明治期の日本―ギメ東洋美術館写真コレクションより』を展示いたします。

コロタイププリント(観心寺 国宝 如意輪観音菩薩坐像)
前期の本展では、便利堂が戦前に撮影したガラス乾板を元に制作し保管されていた貴重な大型の仏像コロタイププリントを、モダンな表具に仕立てて展示しています。あしらった布や独特の表装は、今回お願いした立入好和堂の村山さんに色々なアイディアをいただき実現しました。それぞれの仏様に似合うサイズや色味があしらわれ、見事な風合いに仕上げられています。

コロタイププリント(平等院 国宝 阿弥陀如来坐像部分):蓮弁が、現在の縦一列ではなく、修理前の互い違いにひかれている時代の写真です。
展示されているコロタイププリントの正確な制作年度は記録に残っていませんが、おそらく今から40年前後前に、現在ではなくなってしまった大型印刷機、通称「デカ版」という機械でプリントされたものです。現在の円圧部分と一緒に紙が回転しプリントされる機械とは異なり、版の上に紙を置き、そこに円圧でプレスするアナログの手法で印刷されたものです。その細やかな濃淡表現や現役のコロタイプ印刷技師をも唸らせる高い技術は必見です。

ガラス乾板(浄瑠璃寺 重要文化財 吉祥天立像)
また、会場にはコロタイププリントを制作した当時に使用したネガや、「横型カメラ」と呼ばれたこうした大型フィルム引き伸ばし専用の今はなき製版専用カメラの写真や模型も展示しています。当時ガラス乾板に写されたイメージがいかにして拡大され製版が行われたのか、今では想像を絶する精巧な技術の上に編み出された方法で実践されていました。

戦前のガラス乾板より拡大してつくられたコロタイプ用フィルム原板:現代はフォトショップで行われる作業が、当時は丁寧な一筆一筆のレタッチで作業されていました。
具体的な技術を説明しますと、ガラス乾板(ネガ画像)に光を投射し、蛇腹を伸縮させることで像を拡大し、まずは拡大されたポジフィルムを制作した上で、さらにポジフィルムと未露光のネガフィルムを密着露光し、ネガフィルムを製版していました。

模型として制作した「横型カメラ」。穴をのぞいて蛇腹を模した部分を手前に引くと、見事に天地反転した像がグッと拡大され浮かび上がってきます。ぜひ会場でお試しください。
独特の金属音を響かせながら稼働する現代のコロタイプ工房も十分にアナログであり、職人の手腕や経験がものを言う世界です。しかしながら、当時はもっともっと、もっと、それぞれ個人のアイディアや試行錯誤が産みだす風合いやコロタイプならではの深みだったのだと気付かされます。
会場に並んだコロタイププリントをご高覧いただきながら、当時の職人の息づかいを身近に感じていただけるような展示となっています。ぜひこの機会に時代を超えたコロタイプ技術の面白さに触れていただけたらと思います。

*京都新聞に掲載されました!
2018年10月23日(火)の京都新聞朝刊に、展覧会の様子が掲載されました。
◆
日時:2018年10月17日(水)ー10月30日(火) 11:00−17:00
場所:便利堂コロタイプギャラリー (中京区新町通竹屋町通下ル弁財天町302)
【後期展示】
コロタイプで観る明治期の日本―ギメ東洋美術館写真コレクションより

2018年11月1日(木)-11月16日(金)
11:00-17:00
※同時開催:KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 秋季特別展
・明治150年記念 フランス国立ギメ東洋美術館「明治」写真コレクション展 「日本が動いたとき~近代黎明期の京都」
二条城 東南隅櫓前広場・蹴上クランクイン・平安神宮 応天門前庭での野外展示:10月21日(日)-12月20日(木)
・虎屋 京都ギャラリーでのオリジナル写真の展示
2018年11月1日(木)-12月2日(日)