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奈良国立博物館《法隆寺金堂壁画写真ガラス原板-文化財写真の軌跡-》展はじまりました!
高精細ガラス乾板専用スキャナーでスキャンしたデータも初公開!
2019年12月7日(土)~2020年1月13日(月・祝)@奈良国立博物館

12月7日より奈良国立博物館にて、重要文化財に指定されている法隆寺金堂壁画写真ガラス原板と、近代以降の文化財撮影の歴史についてを展観する《法隆寺金堂壁画写真ガラス原板-文化財写真の軌跡-》展が好評開催中です。

日本に初めて写真術がもたらされたのは、1848(嘉永元)年頃といわれています。オランダ船によって長崎に渡来し、薩摩藩が入手したとされ、有名な「島津斉彬像」が撮影されました。その後、実用的な湿板写真が再び海外から伝わり国内で広まると、やがて日本人の写真技師が誕生し、1871(明治4)年には蜷川式胤の発案により横山松三郎が江戸城を撮影。翌年には日本で初めての本格的な文化財調査となった「壬申調査」で数多くの宝物や建物が写真におさめられるなど、それ以降現在に至るまで数多くの文化財が記録として写し遺されてきました。

法隆寺金堂壁画の原寸大分割撮影風景 1935(昭和10)年
その文化財撮影の歴史の中でも、とくに代表的な例として挙げられるのが、1935(昭和10)年に便利堂が撮影した法隆寺金堂壁画です。原寸大分割モノクロ写真、赤外線写真、4色分解写真など、当時考え得る各種の撮影方法により高い技術で撮影された写真原版は、その後1949年に金堂の火災によって壁画が焼損してしまったこともあり、当時の様子を伝える唯一無二の存在として高く評価され、2015(平成27)年に国の重要文化財にも指定されています。 ⇒法隆寺金堂壁画の撮影と原寸大複製制作の歴史と詳細については、こちら ⇒原寸大分割撮影プロジェクトの全貌については、こちら

重要文化財 法隆寺金堂壁画、原寸大分割撮影の原板も展示中
この法隆寺金堂壁画のガラス原板は、本展覧会でその一部が公開中です。これらの原板は保存修理がおこなわれ、この秋に奈良国立博物館の保管庫に収蔵されました。法隆寺金堂壁画の写真を見たことがあっても、その写真原板自体を見たことがある人は少ないのではないでしょうか。本展覧会以外では、なかなか見ることのできない写真原板ですので、ぜひこの機会に奈良国立博物館でご覧ください!

また修復作業と並行して、ガラス原板の高精細デジタル化作業が本年の春から夏にかけて便利堂がおこないました。このプロジェクトの成果の一部が、本展覧会でも展示・初公開されます。 ⇒高精細デジタル化作業の詳細については、こちら

このデータは、会場に設置されたモニターシステムで、ご自由に閲覧が可能です。スムースな動作で画像の拡大ができ、壁画の細部までじっくりみることができます。これからこのデータが活用され、あらたな知見が生まれることと期待しています。

ガラス原板の高精細デジタルスキャニングデータからの出力(右)と、焼損後の壁画を高精細のデジタル撮影データからの出力(左)
また、現在文化庁と朝日新聞社の協力で進められているプロジェクト「法隆寺金堂壁画保存活用委員会」による焼損後壁画の総合調査の一環として奈良国立博物館・奈良文化財研究所によって行われた高精細デジタル撮影の成果も展示されています。他にも、奈良国立博物館が所蔵する近代以降の文化財写真や資料、そして便利堂が所蔵する貴重な資料類など、文化財撮影の歴史を知ることができる歴史資料類が一堂に展観されています。ぜひ、冬休みは奈良国立博物館に!
◆
『法隆寺金堂壁画写真ガラス原板-文化財写真の軌跡-』展
場所:奈良国立博物館
会期:2019年12月7日(土)~2020年1月13日(月・祝)
主催:奈良国立博物館、法隆寺、便利堂、朝日新聞
2019年12月7日(土)~2020年1月13日(月・祝)@奈良国立博物館

12月7日より奈良国立博物館にて、重要文化財に指定されている法隆寺金堂壁画写真ガラス原板と、近代以降の文化財撮影の歴史についてを展観する《法隆寺金堂壁画写真ガラス原板-文化財写真の軌跡-》展が好評開催中です。

日本に初めて写真術がもたらされたのは、1848(嘉永元)年頃といわれています。オランダ船によって長崎に渡来し、薩摩藩が入手したとされ、有名な「島津斉彬像」が撮影されました。その後、実用的な湿板写真が再び海外から伝わり国内で広まると、やがて日本人の写真技師が誕生し、1871(明治4)年には蜷川式胤の発案により横山松三郎が江戸城を撮影。翌年には日本で初めての本格的な文化財調査となった「壬申調査」で数多くの宝物や建物が写真におさめられるなど、それ以降現在に至るまで数多くの文化財が記録として写し遺されてきました。

法隆寺金堂壁画の原寸大分割撮影風景 1935(昭和10)年
その文化財撮影の歴史の中でも、とくに代表的な例として挙げられるのが、1935(昭和10)年に便利堂が撮影した法隆寺金堂壁画です。原寸大分割モノクロ写真、赤外線写真、4色分解写真など、当時考え得る各種の撮影方法により高い技術で撮影された写真原版は、その後1949年に金堂の火災によって壁画が焼損してしまったこともあり、当時の様子を伝える唯一無二の存在として高く評価され、2015(平成27)年に国の重要文化財にも指定されています。 ⇒法隆寺金堂壁画の撮影と原寸大複製制作の歴史と詳細については、こちら ⇒原寸大分割撮影プロジェクトの全貌については、こちら

重要文化財 法隆寺金堂壁画、原寸大分割撮影の原板も展示中
この法隆寺金堂壁画のガラス原板は、本展覧会でその一部が公開中です。これらの原板は保存修理がおこなわれ、この秋に奈良国立博物館の保管庫に収蔵されました。法隆寺金堂壁画の写真を見たことがあっても、その写真原板自体を見たことがある人は少ないのではないでしょうか。本展覧会以外では、なかなか見ることのできない写真原板ですので、ぜひこの機会に奈良国立博物館でご覧ください!

また修復作業と並行して、ガラス原板の高精細デジタル化作業が本年の春から夏にかけて便利堂がおこないました。このプロジェクトの成果の一部が、本展覧会でも展示・初公開されます。 ⇒高精細デジタル化作業の詳細については、こちら

このデータは、会場に設置されたモニターシステムで、ご自由に閲覧が可能です。スムースな動作で画像の拡大ができ、壁画の細部までじっくりみることができます。これからこのデータが活用され、あらたな知見が生まれることと期待しています。

ガラス原板の高精細デジタルスキャニングデータからの出力(右)と、焼損後の壁画を高精細のデジタル撮影データからの出力(左)
また、現在文化庁と朝日新聞社の協力で進められているプロジェクト「法隆寺金堂壁画保存活用委員会」による焼損後壁画の総合調査の一環として奈良国立博物館・奈良文化財研究所によって行われた高精細デジタル撮影の成果も展示されています。他にも、奈良国立博物館が所蔵する近代以降の文化財写真や資料、そして便利堂が所蔵する貴重な資料類など、文化財撮影の歴史を知ることができる歴史資料類が一堂に展観されています。ぜひ、冬休みは奈良国立博物館に!
◆
『法隆寺金堂壁画写真ガラス原板-文化財写真の軌跡-』展
場所:奈良国立博物館
会期:2019年12月7日(土)~2020年1月13日(月・祝)
主催:奈良国立博物館、法隆寺、便利堂、朝日新聞