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楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」
Eye on the Great Wall ---Collotype Works by Yang Yue Luan

2020年9月19日 – 10月18日@便利堂コロタイプギャラリー
11:00-17:00 会期中無休

■ごあいさつ
春秋戦国時代に建設された、いわゆる「万里の長城」は、もともと北方の異民族が侵攻してくるのを防ぐために造られました。その後、数々の王朝によって修築と移転が繰り返されてきましたが、二千年以上経った今もなお中国の大地にその姿をとどめています。楊越巒(ヤン・ユエルアン)は、そのような長城の姿だけを10年にわたって撮影し発表してきました。楊氏の日本での初個展となる本展では、長城のあらゆる表情を撮影してきた氏の十万枚以上にわたる「Wild Great Wall」シリーズの中から、代表的な作品をコロタイププリントで展観します。新疆ウイグル自治区の砂漠の上やハイウェイが通る開発地区など、様々な場所で写されコロタイプで表現された楊氏による写真から、無限の解釈を持つ「万里の長城」の姿をお楽しみください。
■楊越巒(Yang Yue Luan)

現在中国写真家協会の副会長、河北写真家協会の会長兼事務局長。ここ10年、彼は中国の万里の長城の撮影に専念し、『中国・野生の万里の長城』というモノグラフを発表している。万里の長城の写真作品は、国内外の多くの写真祭やアートギャラリーで展示される他、多くの美術機関や個人によってコレクションに収蔵されている。「阜平・中国風景撮影大展」の審査員7人のうちの一人としても活動する。
■シリーズ「Wild Great Wall」



① 河北省-山海関区 2013.01 ② 河北省-撫寧区 2011.10 ③ 河北省-懐来県 2019.02 ④ 河北省-山海関区 2011.04

⑤ 河北省-淶源県 2009.09 ⑥ 山西省-山陰県 2013.07 ⑦ 河北省-遷安区 2010.04

⑨ 山西省-河曲県 2019.02 ⑧ 青海省-大通県 2014.07 ⑩ 山西省-平魯区 2013.10
■コロタイプとしての今回の取り組み
「コロタイプ(Collotype)」とは19 世紀中頃にフランスで発明された古典写真印画技法のひとつで、便利堂は明治38(1905)年にこの技術を導入しました。現在は他の印刷技術の台頭などにより世界的にも希少な技法となってしまいましたが、便利堂の工房では精緻で深みある表現を得意とするコロタイプを、技術開発を繰り返しながら続けています。
取り組み①:平台プレス機による手刷りプリント、およびその最大寸法へのチャレンジ
今回展示している写真もその成果を結集したものです。その取り組みの一つは、ギャラリーから見える工房に設置された円圧式の動力プレス機ではなく、下のような一般の版画用のプレス機を用いプリントしました。より一枚一枚のプリントに対して向き合える一方、円圧式よりもさらに仕上げられる枚数が限られてきます。

また、円圧式は何度も刷重ねることができますが、平台式は刷重ねの見当合わせが非常に難しく、今回は1度刷で行っており、その1度刷でもここまでの力強さを表現できるところがこの方式の魅力といえるでしょう。10作品のうち8点をこの方式で行い、さらに現在設備されているプレス機でプリントできる限界に挑戦しました(42×63.5cm)。(大きな2点:作品サイズ61×83cmは、工房にある円圧式プレス機で可能な最大サイズ:短辺60×120 cmを用いた)
取り組み②:環境に優しい薬品への代替による「便利堂エコプロジェクト」

便利堂は現在、「便利堂エコプロジェクト」を立ち上げ、地球環境と事業活動の調和を目指し、商品の開発・生産・販売を通じて、環境負荷の低減および環境保護のための様々な活動を積極的に推進しています。コロタイプにおいてもこの観点で課題に取り組んでおり、その一つが無害な薬品への転換です。この8点は、従来の「重クロム酸塩」に替わって、近年研究を進め独自開発を行ってきた環境に優しいDIAZO系感光剤「DAS Photosensitizer」を使用した版で制作しています。DASについて詳しくはこちら。
◆
楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」
2020年9月19日 – 10月18日@便利堂コロタイプギャラリー
11:00-17:00 会期中無休

2020年9月19日 – 10月18日@便利堂コロタイプギャラリー
11:00-17:00 会期中無休

■ごあいさつ
春秋戦国時代に建設された、いわゆる「万里の長城」は、もともと北方の異民族が侵攻してくるのを防ぐために造られました。その後、数々の王朝によって修築と移転が繰り返されてきましたが、二千年以上経った今もなお中国の大地にその姿をとどめています。楊越巒(ヤン・ユエルアン)は、そのような長城の姿だけを10年にわたって撮影し発表してきました。楊氏の日本での初個展となる本展では、長城のあらゆる表情を撮影してきた氏の十万枚以上にわたる「Wild Great Wall」シリーズの中から、代表的な作品をコロタイププリントで展観します。新疆ウイグル自治区の砂漠の上やハイウェイが通る開発地区など、様々な場所で写されコロタイプで表現された楊氏による写真から、無限の解釈を持つ「万里の長城」の姿をお楽しみください。
■楊越巒(Yang Yue Luan)

現在中国写真家協会の副会長、河北写真家協会の会長兼事務局長。ここ10年、彼は中国の万里の長城の撮影に専念し、『中国・野生の万里の長城』というモノグラフを発表している。万里の長城の写真作品は、国内外の多くの写真祭やアートギャラリーで展示される他、多くの美術機関や個人によってコレクションに収蔵されている。「阜平・中国風景撮影大展」の審査員7人のうちの一人としても活動する。
■シリーズ「Wild Great Wall」



① 河北省-山海関区 2013.01 ② 河北省-撫寧区 2011.10 ③ 河北省-懐来県 2019.02 ④ 河北省-山海関区 2011.04

⑤ 河北省-淶源県 2009.09 ⑥ 山西省-山陰県 2013.07 ⑦ 河北省-遷安区 2010.04

⑨ 山西省-河曲県 2019.02 ⑧ 青海省-大通県 2014.07 ⑩ 山西省-平魯区 2013.10
■コロタイプとしての今回の取り組み
「コロタイプ(Collotype)」とは19 世紀中頃にフランスで発明された古典写真印画技法のひとつで、便利堂は明治38(1905)年にこの技術を導入しました。現在は他の印刷技術の台頭などにより世界的にも希少な技法となってしまいましたが、便利堂の工房では精緻で深みある表現を得意とするコロタイプを、技術開発を繰り返しながら続けています。
取り組み①:平台プレス機による手刷りプリント、およびその最大寸法へのチャレンジ
今回展示している写真もその成果を結集したものです。その取り組みの一つは、ギャラリーから見える工房に設置された円圧式の動力プレス機ではなく、下のような一般の版画用のプレス機を用いプリントしました。より一枚一枚のプリントに対して向き合える一方、円圧式よりもさらに仕上げられる枚数が限られてきます。

また、円圧式は何度も刷重ねることができますが、平台式は刷重ねの見当合わせが非常に難しく、今回は1度刷で行っており、その1度刷でもここまでの力強さを表現できるところがこの方式の魅力といえるでしょう。10作品のうち8点をこの方式で行い、さらに現在設備されているプレス機でプリントできる限界に挑戦しました(42×63.5cm)。(大きな2点:作品サイズ61×83cmは、工房にある円圧式プレス機で可能な最大サイズ:短辺60×120 cmを用いた)
取り組み②:環境に優しい薬品への代替による「便利堂エコプロジェクト」

便利堂は現在、「便利堂エコプロジェクト」を立ち上げ、地球環境と事業活動の調和を目指し、商品の開発・生産・販売を通じて、環境負荷の低減および環境保護のための様々な活動を積極的に推進しています。コロタイプにおいてもこの観点で課題に取り組んでおり、その一つが無害な薬品への転換です。この8点は、従来の「重クロム酸塩」に替わって、近年研究を進め独自開発を行ってきた環境に優しいDIAZO系感光剤「DAS Photosensitizer」を使用した版で制作しています。DASについて詳しくはこちら。
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楊越巒コロタイプ写真展「長城を視る」
2020年9月19日 – 10月18日@便利堂コロタイプギャラリー
11:00-17:00 会期中無休