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コロタイプギャラリー冬季企画展:MANGAのはじまり――有楽社と『東京パック』

Posted by takumi suzuki on 31.2023 【コロタイプギャラリー】   0 comments   0 trackback
◆有楽社創立120周年記念◆
◎第1次東京パック、ほぼ全227冊や初公開の有楽社関連資料などを一堂に展観
◎特別展示:集英社マンガアートヘリテージ(The Millenniumシリーズ)よりコロタイプ作品《久保帯人「BLEACH/黒衣少年図」》


MANGAのはじまり_有楽社と『東京パック』1

■開催概要
便利堂本社に併設された〈コロタイプギャラリー〉では、便利堂創業者・中村弥二郎が明治36年(1903)に東京で興したユニークな出版社「有楽社」の創立120周年を記念して、同社が刊行した近代漫画の嚆矢『東京パック』(第1次東京パック 全227冊*)や初公開の有楽社関係資料を展示します。また、特別展示として、集英社マンガアートヘリテージ(The Millenniumシリーズ)より、2022年に便利堂コロタイプ工房で制作したコロタイプ作品《久保帯人「BLEACH/黒衣少年図」》の里帰り展示を行います。漫画からマンガ、そしてMANGAへ。そのはじまりと未来への継承をつなぐ展示をぜひお楽しみください。
*うち5冊は複製展示となります

有楽社と『東京パック』展1
有楽社と『東京パック』展2
ギャラリー1/ギャラリー2 BLEACH©2023, Tite Kubo / Shueisha Inc *不許無断転載

■中村弥二郎と有楽社

中村有楽 中村弥二郎(有楽) *不許無断転載

中村弥二郎(有楽、1873-1944)は、江戸時代から続く御所出入りの錫屋「京錫屋 弥左衛門」の次男として生まれましたが、明治の東京奠都による家業の衰退から、あらたな事業として、弱冠14歳で書店「便利堂」を創業しました。明治34年には、長兄と三男に便利堂を譲り上京、明治36年に出版社「有楽社」を創立し、ユニークな出版物を次々と刊行し時代をリードしました。

■北沢楽天と近代漫画の誕生

北沢楽天 北沢楽天 *不許無断転載

わが国最初の職業漫画家と言われる北沢楽天(本名 保次、1876-1955)は、明治32年、福沢諭吉の創設した時事新報社に入社、『時事新報』に「時事漫画」欄を設け、時局風刺のコマ漫画を描き始めます。楽天は、それまで「ポンチ絵」や「おどけ絵」と呼ばれた戯画とは一線を画した、一般の鑑賞に堪える芸術性と社会性を兼ね備えた新しい表現方法を模索し、これを「漫画」と呼ぶことを提唱しました。

■時代を風靡した『東京パック』

「バルチック艦隊の撃沈」(東京パック第1巻第3号)
「バルチック艦隊の撃沈」(東京パック第1巻第3号)

有楽社にちなんで「有楽」と号した弥二郎が手掛けた出版物のなかでも、最もエポックメイキングなもの
のひとつが、明治38年に楽天を主筆に迎えた、日本初の全ページ石版多色刷の大判カラー漫画雑誌『東京パック』です。特に、豊かな色彩と風刺が効いた表紙と本文見開きの漫画は他の追随をゆるしません。「漫画」という言葉を普及・定着させ、「パック」という名前が漫画雑誌の代名詞となるほど人気を博した『東京パック』ですが、あまりに先見的で進取の気性に富む有楽が採算を度外視した出版物を次々に刊行したため、その借金のために明治45年には『東京パック』の版権を譲渡することになります。これを機に、楽天は『東京パック』を後進に譲り有楽社を離れ、『楽天パック』などの漫画雑誌を独自に刊行するに至ります。本展は、「第1次東京パック」と呼ばれる、明治38年の創刊から楽天が離れる明治45年までの全227冊を展観します。

■特別展示:集英社マンガアートヘリテージ(The Millenniumシリーズ)コロタイプ作品《久保帯人「BLEACH/黒衣少年図」》

集英社マンガアートヘリテージ(The Millenniumシリーズ)コロタイプ作品《久保帯人「BLEACH‗黒衣少年図」》 不許無断転載
コロタイプ作品《久保帯人「BLEACH/黒衣少年図」》と制作を担当したコロタイプ職人の尾崎
BLEACH©2023, Tite Kubo / Shueisha Inc *不許無断転載

集英社では、マンガを次の世代に受け継がれていくべきアートととらえ、この文化遺産を保存継承していくプロジェクト「集英社マンガアートヘリテージ」に取り組まれています。そのなかのひとつに、「The Millenniumシリーズ」があります。「Millennium」=千年。千年先にマンガを伝えるにはどうすればよいのか? 紙と印刷、収納まで、考えうる最良の技法と材質にこだわって制作する作品シリーズです。この「The Millennium」の印刷技法に、1世紀以上にわたり文化財複製に用いられてきた便利堂のコロタイプが選ばれました。このシリーズでは、久保帯人「BLEACH」より2作品を制作していますが、このうち2022年に制作した《黒衣少年図》を、集英社の特別な協力のもと、京都で初の展示を行います

》》「集英社マンガアートヘリテージ」についてくわしくは、https://mangaart.jp/jaで。

また、本ギャラリー展示に先立つ11月24日には、「集英社マンガアートヘリテージ」を常設展示するギャラリーが東京麻布台ヒルズにオープンしました。
》》くわしくは、https://mangaart.jp/ja/news/tokyo_galleryで。

【主な出品物】
1.有楽社集合写真 明治42年頃(1909)
2.絹本墨書「有楽社」 書:中村不折 明治40年(1907)
3.絵はがき「非美術画葉書」第1篇 絵:鹿子木孟郎 発行:便利堂 明治38年(1905)2月1日
4.有楽社出版物
 【書籍】4-1~9 各種
 【雑誌】
4-10 『英学界』(『英文少年世界』改題) 第3巻第6号 明治38年(1905)9月
4-11 『手紙雑誌』第1巻第1号 明治37年(1904)3月 
4-12 『月刊絵はがき』 第1巻 明治38年(1905)1月
4-13 『月刊食道楽』 第1巻第1号 明治38年(1905)5月 
4-14 『世界の少年』第1巻第1号 明治39年(1906)5月 
4-15 『世界的青年』第1巻第1号 明治39年(1906)9月 
4-16 『東京エコー』(『東西南北』改題)第1巻第1号 明治41年(1908)9月
4-17 『グラヒック』第1巻第2号 明治42年(1909)1月
4-18 『グラヒック演芸』第1巻第1号 明治43年(1910)1月
5.東京パック(第1次) 227冊(うち5冊は複製)
1巻 M38 9冊(1-9号)※1号は複製展示
2号および3号の見開き画も展示
2巻 M39 26冊(1-26号)
3巻 M40 35冊(1-35号)
4巻 M41 36冊(1-36号)
5巻 M42 36冊(1-36号)※11・12合併号は複製展示
6巻 M43 36冊(1-36号)※21号、36号は複製展示
7巻 M44 36冊(1-36号)※36号は複製展示
8巻 M45 13冊(1-13号)
6.(参考展示)東京パック(第2次~第4次) 160冊
【東京パック(第2.1次)】 
8巻 M45 5冊(14-18号)
【東京パック(第2.2次)】 
8巻 M45 13冊(19-31号)
9巻 T2 36冊(1-36号)
10巻 T3 30冊(2-10, 12-21, 23, 26-32, 34-36号)
11巻 T4 23冊(2-9, 11-25号)
【東京パック(第3次)】 
12巻 T8 5冊(1-5号)
13巻 T9 10冊(1-9, 11号)
14巻 T10 10冊(1-3, 5-11号)
15巻 T11 9冊(1, 3-5, 7-11号)
16巻 T12 5冊(1-4, 6号)
【東京パック(第4次)】 
17巻 S3 1冊(2号)
18巻 S4 7冊(2-4, 7-8, 10, 12号)
19巻 S5 3冊(1, 4, 6号)
20巻 S6 2冊(4, 12号)
21巻 S7 1冊(8号)
7.中村有楽関係資料
7-1 楽土社『房州の楽土』最終号
7-2 普久社『童謡かるた』ほか
7-3 中村有楽筆「絵」
7-4 中村有楽古希祝賀会関係資料
・有楽古希自慶
・古希祝賀会芳名録
・古希祝賀会祝賀会記念写真
8.野口雨情 二行書
9.近藤浩一路 水墨画 昭和23年(1948)



会期:2023年11月27日(月)―2024年3月23日(土)
会場:便利堂コロタイプギャラリー
開廊:10:00-12:00/13:00-17:00
閉廊:日・祝・年末年始(12/29-1/4)

プロフィール

takumi suzuki

Author:takumi suzuki
【コロタイプの過去・現在・未来。創業明治20年の京都 便利堂が100年以上にわたって続けているコロタイプ工房より最新の情報をお届けします】
Japanese:www.benrido.co.jp
English:www.benrido-collotype.today

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